これはきっと
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ゆっくりと桜達に近付く。あいつ自身はどうにかして逃れようと必死だし、男達は酔っているのか気付く様子が無い。
『あ、あの、私、人と来ていて…』
「えー?本当にー?」
「その人って男?女?」
『だ、男性、です…』
「マジかよ、彼氏?」
『え!?か、彼氏じゃ無いですよ!!』
真っ赤な顔で否定する桜に深く溜め息をついた。
…なんで馬鹿正直に答えてんだ。嘘でも『はい』っつっとけば相手も諦めたかもしれねぇのに。
「まぁ、でもさ…君みたいな可愛い子を一人にするような酷い男はほっといて、俺達と遊ぼうよ!」
『は!?』
「そうそう!俺達と楽しい事、しようぜ…?」
『…やっ…!!』
男の一人があいつの腕を掴んだ瞬間、俺の中で何かがキレる音がした。
「…おい。」
「あぁ!?んだよ、邪魔す…る…な…」
「うわ、でけぇ…」
俺とこいつらの身長差はざっと15cm。殺気を隠そうともせずに男達を見下ろせば、すぐに顔面蒼白になる。
『…ロー…』
「悪かったなぁ、酷い男で。」
「ひっ!!」
「お、おい!いこうぜ!!」
一気に酔いが覚めたのか、割りとしっかりした足付きで男達は走り去って行った。
本当はバラしたかったが、出来なかったのにはワケがある。
「…おい。」
『……。』
「おい、桜。」
…これがその“ワケ”。俺の腕を掴んで離さない桜のせいで、不本意ながらあいつらを見逃す形になった。
「…チッ。」
『…ご、ごめん、まさかナンパされるなんて…あの人達酔ってたから何言っても聞いてくれなくて、その……ちょっと怖かった…。』
瞳に涙を溜めて言いながら更に強く俺の腕を掴む桜の弱々しい様子に、何故だか心臓が大きく高鳴る。
『…だから、ローが来てくれてすごく安心した!助けてくれてありがとう!』
「…っ」
…そう微笑むこいつを今すぐ抱きしめたいという欲求に駆られた。
この感情が何かわからない程、俺は鈍くもガキでも無い。
【船長は、その…桜さんに恋愛感情を抱いているんですか…??】
…そう聞いてきたペンギンには曖昧に返したが…正直こんな感情俺には無縁だと思っていたんだがな。
これはきっと“恋愛感情”
(…っくく…異世界人だなんて、俺も厄介な奴を好きになったもんだ。)
あとがき
ローさん自覚