ちゃっかり
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バイトが終わってからダッシュで帰宅する。こんな激しい運動、実家から逃げ出した時以来だわ…。
『ただいまー。』
…“ただいま”と言える事が嬉しくて少し泣きそうになってしまった。
「……。」
ソファに座る彼はなんだか不機嫌そうで…え、なんで?
『ろ、ロー、さん?』
「…桜、てめぇ…」
『え?…ったぁ!!!』
スパーン!!と小気味良い音を立てて私はローに叩かれた。
…グーじゃないだけマシと思うべき?
『な、何するんですか!?』
「なんだこのメモは!!」
目の前に突き出されたのは、今朝私が冷蔵庫に貼って置いたメモ。
『あ、ケーキ食べました?』
「うるせぇ!!」
スパーン!!
『~っ!!』
「ガキ扱いすんなって言ってんだろうが!」
『もう!!今の二回でどんだけ脳細胞死んだと思ってるんですか!!』
「…何度言ってもわからねぇてめぇが脳細胞なんて単語を知ってたとは驚きだ。」
『んな!!失礼な!』
本当に驚いたような顔をしたローにイラッとした。
『…今夜はシチューとフランスパンにしますから!』
「…ガキはどっちだか。」
『う…うるさい!!』
「っ!?」
思わず手が出てしまった。しかも平手打ちなんて可愛いもんじゃなく、ローのお腹にグーパンチをお見舞いしてしまった。
まさか殴られるとは思っていなかったらしいローのお腹にそれは綺麗に決まり…あぁスカッとした!
…と、思ったのも束の間。
「…っくく…」
『…あ…え…えーっと、さぁご飯の準備しようかなー…!!!』
笑い出した彼に身の危険を感じ、台所へと逃げようとした…が、
「…まぁ待て。」
ガシッと彼に腕を掴まれ、引き寄せられる。
『あ、の……』
やばい。
これは本格的にやばい。だってローは笑ってるけどその瞳は瞳孔全開で…つまり、ブチ切れていらっしゃる…!!
「さて、どうして欲しい?バラすか?犯すか?」
『ご、ごめんなさいぃぃ!!』
「…聞こえねー。」
『ちょ、待っ…お酒!!大人のローに後でお酒買いに行くから!!つまみも作る!!』
「……。」
『だ、だから…ね??』
「…チッ。」
舌打ちしつつも私を解放してくれたローに安堵の溜め息をついた。
…これからはうっかり子ども扱いしないように気をつけよう。本当に…。
でもちゃっかりケーキは食べられてました。
(…とりあえず、ご飯作ります…)
(あぁ、さっさとしろ。)
((…やっぱりワガママな子どもだ!!))
あとがき
きっとケーキは甘さ控え目のチーズケーキとかだと思います。