気分は母親
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『ローさ……ロー、起きてくだ…起きてー!』
慣れない呼び捨てや敬語無しに悪戦苦闘しつつ、ローさ……ローの肩を揺する。
昨夜遅くまで読書していたみたいだから寝かせといてあげようかとも思ったけれど、今の時刻は午前10時半。流石に寝過ぎだ。
船員さんに「よろしくお願いします」って言われたし、やっぱり健康は規則正しい生活からだよね!もう10時半だけど!
『もしもーし??』
先程よりも強めに肩を揺すれば彼が「ん…」と小さく声をもらしてゆっくりと瞼を上げた。
「……てめぇ、誰の睡眠邪魔してやがる…」
『…へ?』
チャキ、と言う音とともに首に突き付けられた刀……あれ、なんだろうこのデジャヴュ感。
『ちょ、ちょっと!!ローさん!!起きて!起きて下さい!!タチの悪い寝ぼけ方やめて下さいよ!!!』
あわあわと必死に叫べば、ようやく覚醒したらしいローが刀をしまいながら舌打ちした。(舌打ちしたいのはこっちだよ!と言おうと思ったが死にたく無いのでやめた)
『お、おはようございます…』
「…まだ眠ぃ…」
『ダメで……ダメ。今寝たら夜眠れなくなるよ?』
「…俺は夜型だ。」
『はいはい、いいから顔洗ってきて下さい。朝昼兼用になりますけどご飯出来てま……出来てるから。』
…やっぱり昨日の今日じゃ敬語は直らないなぁ…。
そんな自分に溜め息をつきつつ部屋を出た。少ししてから怠そうにローも出て来たので、食事を温めながら私は口を開く。
『私、今日はこれからバイトに行って来るんで。』
「…バイト?」
『8時までなので、夕飯少し遅くなるけど大丈夫ですか?』
「…あぁ。」
了承の返事を得られてホッとした。
…実家から逃げ出した私は、アルバイトで生計を立てている。(運良く時給が良い所に巡り会えたのでバイト掛け持ち地獄には陥っていない)
彼一人を残して行くのは多少不安ではあるが…生活の為だ、仕方ない。
『どこか出かける時には必ず鍵かけていってね。』
「あぁ。」
『あ、出かける時には刀置いて行くんだよ?こっちの世界じゃ捕まっちゃいますから。』
「…あぁ。」
『あと、』
「…っうるせぇ!さっさと行きやがれ!!」
ガキ扱いするな!と叫ぶローだけど、こちらの世界の事をまだよく知らない彼は私からしたらでかい子どもだ。心配で仕方ない。
『…何かあったらこの間教えたバイト先に来て下さいね?』
「てめぇ…いい加減にしねぇとバラすぞ…」
『い、行ってきまーす!!』
刀に手をかけた彼から逃げるように私は家を出た。
気分は初めてのお留守番を頼む母親
(頑張ったご褒美に今夜はローの好きな物作ってあげよう!)
オマケ
桜が用意した飯を食べ終え、昨日借りてきた本を読む。
…しばらく読んでいると喉に渇きを覚えた。
冷蔵庫から茶でも出すか、と思い移動すると冷蔵庫に一枚のメモが貼られていた。
【ローへ
冷蔵庫の3段目にケーキがあるから、お腹が減ったら食べてね。
桜】
「………。」
あのやろう…。
あとがき
ついついローを子ども扱いしちゃう夢主が書きたかったんです。(笑)