不意打ち笑顔
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
図書館に着くと、声は出さなかったけどローさんが驚いたのがわかった。
私が今住んでいる街の図書館はなかなか大きかったりする。当然蔵書量もかなりの物だ。
ローさんを医学書が置いてある本棚の前まで案内すると、すぐに本を手に取りその場でパラパラと読み出した。
…ただ本を読んでいるだけなのに、ここまで絵になる人ってすごいな…。
思わず見惚れてしまい、そんな自分に気付いて慌てて頭を振った。
「…なにしてんだ?」
『!い、いえ!!なんでも!!良い本はありましたか?』
「あぁ。」
何冊か手に持っているローさんに、簡単に図書館の仕組みを説明した。
…貸出期間は2週間なのに、あの分厚い医学書数冊を彼は読み切れるらしい。
私の図書カードを使って手続きをして、帰り道を歩く。ナナメ掛けの鞄に入れた本は意外にもローさんが持ってくれている。
「…名前も変えてるのか?」
『え?』
「さっきのカード、違う名前だった。」
歩きながら彼が尋ねてきた内容に、あぁ、と苦笑いを返す。
『そうしないとすぐバレちゃうんですよ。』
「俺に教えた名前は…」
『あれが本名です。』
「…教えて良かったのか?」
『刀突き付けられてたのに不思議ですよねー。』
少しバツが悪そうに眉間にシワを寄せたローさんに、クスリと笑う。
『でも、きっと心のどこかで“この人なら大丈夫”って確信があったんだと思います。』
「…そうか。」
『あれ、ローさん照れてます?』
「照れてねぇ。」
『本当にぃ?』
「……バラす。」
『スミマセンデシタ。』
「謝る気があるなら少しくらい誠意を込めろ。」
『…ローさんの口から誠意なんて聞くとは…』
「よし、お望み通りバラしてやろう。」
『あぁぁ嘘です嘘!!ごめんなさいぃぃぃ!!!!』
彼がニヤリとかなり悪い笑みを浮かべたので慌てて謝った。この表情はマジだ…!!!
「…っくく…」
『…へ?』
必死に謝っていると、彼が笑う気配。
下げていた頭を上げてローさんを見ると、不敵な笑みでも悪い笑みでも馬鹿にした笑みでも無く、本当に楽しそうに笑っていた。
「お前、肝が座ってんのか座ってねぇのかどっちなんだよ。」
『…っ』
その笑顔に、胸がドクンと高鳴る。
カァーッと顔に熱が集中するのが分かったけど、ローさんの笑顔から目が離せなかった。
…あ、れ?どうした私?
不意打ち笑顔
(…お前、なんか顔赤いぞ。)
(!?う、うわわわわ!!!き、気にしないで下さい!!!!!)
あとがき
名前変換ってナンデスカー?←