不意打ち笑顔
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…予想はしていたけれど、まさかこれ程とは…。
朝ご飯を食べた後、ローさんと街へ出た。
…人通りが多い所に行けば行くほど、目をハートにした女の子達に出会う。
まぁ、原因はローさんなんだけれど。
入れ墨があったりでちょっと怖い雰囲気ではあるが、ローさんはとても整った顔をしている。
女の子が騒ぐのもよくわかる。
でも私からしたら「格好良い人」と言うより「暴君」と言うイメージが強いので苦笑いだ。
しかも、女の子達があれ程わかりやすくキャーキャー言っているのにローさんはどこ吹く風で…
あれか。慣れてるのか。
まぁ、少なからず私にも羨望時々妬みの視線を感じるが、それほど気にならない。
…何故なら今の私は喋らない限り男だからだ。
帽子を目深に被り、髪は帽子に全部入れて。
ダテ眼鏡をかけて、服装も男物だ。
「…お前、いつもそんな格好してるのか?」
『えぇ、まぁ。』
「まるで男だな。」
『男みたいにしてるんです。私も賞金首なんで。』
「……は?」
『…家出娘なんで、私。見つかるワケにはいかないんです。』
「……。」
『さーて、暗い話はこのくらいにして。服屋につきましたよー!好きなの選んで下さい。』
「…おう。」
私の言葉に短く返事をしたローさんは、適当に店に入って適当に服を選び出した。
…適当に選んでいる割に全部センスが良いからなんか悔しい。
『…ローさんてずるいですよね。』
「は?」
『何着ても似合うのにセンス良いとか。』
「…っくく、そりゃどーも。」
帽子の上からポンポンと頭を撫でられて少し恥ずかしくなる。
赤くなった顔を誤魔化すように私は帽子を被り直した…。
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あの後、細々とした物も買ってから帰宅した。
これなら一ヶ月大丈夫だろう。
『…それにしても、やっぱりローさんは大きいですね。』
「あ?」
『ほら、このTシャツなんか私が来たらワンピースになりますよ。』
昼食後洋服の整理をしていた時、なんとなくローさんのTシャツを胸に宛てがってみた。
「お前が小さいだけだ。」
『いや、絶対ローさんが大きいんだと思います。』
「俺の世界では俺よりでかいやつ普通にいたぞ。」
『そんなの私からしたら巨人の世界ですよ…踏み潰されそう。』
「…まぁ、巨人もいたからな。」
『えぇ!?』
…なんて話ながらも手際良く服を片付け、ローさんに向き合う。少しは打ち解けられた、かな?
『さて、図書館行きますか?』
「あぁ。」
思っていたよりもすぐに返事が来て内心笑ってしまった。
よっぽど本が好きなんだなぁ。