優しい手
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夢の中で幼い頃に戻った私は、いつもただ必死に暗闇を走り、父親から逃げつづけていた。
光なんて見えなくて、絶望感に身体が支配される頃、やっと目が覚めるのだ。
…けれど、今日は違った。
必死に走っていると、光が目に入り驚く。
驚いていると、逆光で姿は見えないが誰かが立っている。
誰でも良いから助けて欲しくて必死に手を伸ばしてその人の手を掴めば、振り払わずに掴ませてくれた。
…今まで、助けを求めても振り払われるのが当たり前だったのに。
ギュッと握れば相手も優しく握り返してくれて…
その事が嬉しくて、気がつけば悪夢の父親もいなくなり、変わりに初めて凄く幸せな夢を見た。
残念ながらどんな夢かは覚えていないけど…夢の中の私は本当に自由で、手も握られたままで、たくさん笑っていた気がする。
心がポカポカして、泣きたいくらい幸せで、『生きてて良かった』と思える程幸せな夢。
……なんとなく、海にいたような気がした。
優しい手
(その手は私よりずっと大きくて暖かかった。)