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二日酔いと世話焼きさん





ふ、と目を覚ますと頬にひんやりした感覚が広がった。
耳を澄ましても何も聞こえない。
キヨはここは自宅であるということを悟った。



俺は最俺のメンバーと忘年会をしていたはずだが、いつのまに家に帰ったのだろう……?




すっかり家に帰るまでの記憶が抜け落ちてしまっているようだ。




そこまで回想したところで段々夢心地から意識が戻ってきて、キヨの体をばきばきした痛みと芯からくるような寒気が襲った。





冬場の玄関で1晩寝こけたとなれば風邪をひくのも当然か。




体は暖を求め食欲を訴えるのに、キヨは二日酔いとその他もろもろの疲れによる倦怠感で動けなかった。






寒いけど、寝てしまえばそれも忘れるかな






明日の収録はなかったはずだ。






疲労感に身を任せ、もう一度目を閉じようとしたそのとき。






ガチャ、と何者かが扉を開ける音がした。




もしかして鍵をかけるのを忘れていただろうか。
暴走して住所を突き止めたファンだったらどうしよう……。






そんな憶測はすぐに、あっという間に襲ってきた睡魔に流され消えていった。




「やっぱり、こんな所で寝てやがる」





聞き覚えのある声が遠くで聞こえた気がした。




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