爆豪くんと垂れ耳うさぎちゃんシリーズ
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うさぎが個性の名前ちゃん。遠縁にあたるミルコちゃんみたいに心も身体も強ければなぁ……って二本の垂れ下がった耳に触れながら溜息。
そうしたら、目が合うたびに睨み付けてくるヒーロー科の男の子にやめて下さいって言えるのに。最近、よく会う。めっちゃ、怖い。顔も怖いし、爆破の個性なんてそれこそ怖過ぎる。雄英きっての問題児だって噂。
でも、今度こそは! 朝、ニュースで見たミルコちゃんの勇姿を思い出して! 頑張ってみる! って強く決意。
案の定、背後から視線。今日も現れた彼に、もこもこの尻尾を緊張で震わせながら、くるっと振り返って声を掛けてみる。
「あ、あの……何か、御用でしょうか……」
言った、言えたよ! お尻すぼみになっちゃったけどって満足してたら「あァ!?」ってガンを飛ばされて、尻込み。どころか、尻餅。
「何やっとンだ!」って引っ張り上げられて、涙目。怖いにも程がある。
バツが悪そうに手を握ったまま「なんか……ふわふわしてンなって、思っただけだわ」って呟き。
耳のことかな……って、思って「触りますか……?」って訊いてみる。
逡巡したらしき後、分厚い手が背中側に回ってガシッ! と両手で力強く掴まれる尻尾。思わず「ひぇっ……」って短く悲鳴を漏らしたら、彼が慌てて手を引っ込める。そっちだったの……。
想定外の出来事に心臓をバクバクさせながら、ブルーグレーの瞳で真っ赤な瞳を見上げる。
「……ふわふわしとった」
感想に対して返事をしようとしたのに、待たずに走り出す彼。一体なんだったんだろうって取り残されて首を傾げる。
それ以降もよく見掛けるから、ミルコちゃん、勇気を下さい! ってお祈り。「お、お友達になりませんかっ……」ってこわごわと提案。お友達になっちゃえば、怖くない。
「上等だ、ゴルァ!!」で意外にもあっさり合意。それからは、多分お友達!
おしゃべりしてる時にほっぺたが赤いことが多々あるけど、シャイなのかなって勝手に納得しちゃう。自分の前だけなんだって知るのは、だいぶ先のこと。
2023.10.22 (初出 01.01)