mha short
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※爆豪だけど爆豪ではない
そう、事件は事件現場で起きた。
はいー、一件落着、いっちょ上がり!
案外ちょろかったな〜って時だ。
「……今日のかっちゃん、なんかちょっと……違うね?」
なんてーか、ヤバって思ったけど。
これ、そうでもなくね? むしろ、ラッキーじゃね?
まあ、
爆豪は触るなとしか言わなかったし?
そもそも、何に触るなっていうことだったんかなーってしみじみ考えた時にはこうなってたし?
まあ、敵はそのままサツに連行されてったから無事に事件は解決したし?
よくわからんけど、そのうち戻るっしょ!
って、他人様ン家の洗面所で鏡を見て前向きに思う。
すげー、どっからどう見ても、オレ、爆豪だわ。
360度爆豪勝己そのモノだわ。マジもんのかっちゃんだわ。
「かっちゃん、ごはんできてるよ〜」
「んあ? あー……」
ひょこっとエプロン姿の美少女? いや、美女?
可愛いっつーか、キレイ系も入ってね!?
絶妙なとにかく超絶カワイコちゃんがお玉片手に声を掛けてくる。
なるほどなー、そういうアレなー。
爆豪にとりあえず早く帰れって言われたから住所頼りに未知のエリアである爆豪ハウスまで来ちゃった訳。
本当はヤツも一緒に来るはずだったんだけど、なんか俺の個性が必要とされる急務が入ってそのまんま事務所のパイセンに問答無用で連れてかれて、結果、俺だけここに居る感じ。
アイツ、才能マンだからなんとかなるって信じてる。
とりま、爆豪が帰ってくるまでお邪魔しとくのが正解かな〜。
いやさ、だって、こんなに可愛い子とお夕飯一緒できちゃうんだよ?
ご馳走になるしかないっしょ!
もちろん、俺と爆豪が入れ替わってるのはナイショの方向で!
「どうぞ、召し上がれ!」
「お、おう……」
とりあえず、喋ったらバレそうだから口数は少なめで。
元々、爆豪ってそんなにベラベラ喋るヤツじゃないからそれっぽく相槌打っときゃ無問題だろ。
しっかし、何これ、クソ辛そうなんですけど。
テーブルに所狭しと並べられた料理たるや、全体的にまあ赤いこと。
麻婆豆腐も赤けりゃ、スープも赤く色付いてるし、果てはサラダにもなんか赤いドレッシング的な粉的な何かが振り掛けられてるし、カレーにも赤いの載っけてあるし。
ねぇ、かっちゃん、どういう食生活してんの?
「もしかして、お腹、空いてない?」
「いや……」
確かに、鼻腔を擽ってはいるんだけど。
美味そうな匂いだけは漂ってきてるんだけど。
電気くんは腹ぺこなんだけど。
めっちゃ不安げに見てくる爆豪彼女(仮)。
そんな顔されたら食うしかない。
っていうか、彼女だよね?
爆豪ハウスに居て、ごはん作って待ってるとか、彼女だよね? セフレじゃないよね?
どちらにせよ、クッソ羨ましい。
「……イタダキマス」
「はい、頂きます! いっぱい作ったから、お代わりもあるよ〜」
よし、それは遠慮しとこ!
爆豪の分もちゃんと残しとかないと間違いなくキレるだろうし?
愛する彼女(仮)の手料理だし?
「はー……」
食った食った。
めっちゃ辛くて火噴くかと思ったけど、めっちゃ美味かったわ。
それにしても、爆豪ハウス……思ったより、メルヘン!
これ、アレだ、アレ。
間違いなく同棲してるわ。
だって、大・爆・殺・神・ダイナマイトがソファにでっかいぬいぐるみ置く訳なさ過ぎだし。ウケる。
洗面所にも彼女の使ってると思しきグッズの数々があったし。生活感あるし。
意外とそういうの妥協するタイプなんかな。
どちらにせよ、許すってことは彼女(仮)に相当お熱なんだろうなあ。
後片付けを手伝いながら、彼女(仮)の様子を観察してみる。
「疲れてるのに、ごめんね。いつもありがとうね」
何、この可愛い生きモノ!
お目めキラキラでめっちゃ可愛いんですけどー!
多少は成長してクソを下水で煮込んだ性格からクソを上水で漬込んだ性格になったとは言え、爆豪には勿体無さ過ぎる。
アイツも水臭いよなー、彼女できたなら言えよなー、同棲してるんなら尚のこと言えよなー。
親友だと思ってたの、俺だけかよ。
あまりにも社会の不条理過ぎるから、身体戻ったらソッコー峰田にバラそ。
「って、携帯……」
ふと、テーブルに置きっぱの彼女の携帯が静かに震えてることに気付いて、拾って手渡す。
これって、間接携帯じゃね?
「また、知らない人からだ……」
横から勝手に覗き込むと、どっかで見たことある番号。
「誰かと間違えてるのかなあ。ずっとかかってきてるの」
着歴を埋め尽くす、どっかで見たことある番号。
「ちょっと怖いかも……」
「気にすんな」
そう言って、俺は彼女の肩に手を置く。
実にスムーズなスキンシップ! 天才かな?
これなら、許されない訳がない。
それにしても、女の子のいい匂い。
すげー、可愛い匂いがする。
可愛い子は匂いまで可愛い。
でも、そろそろ、この夢のような時間もお終いかあ。
名残り惜しいけど、俺の携帯ーーすなわち、爆豪の携帯には俺からの着歴がずらーっ。
これはちょっと今日という日の記念にメモリアル刻んでおきたいところではある。
謎の番号による着歴制圧に怯える彼女……彼氏だったら、安心させてやるのが普通じゃね?
優しくハグしてーー
「かっちゃん? あっ……」
優しく、キスする。
身体は紛うことなきかっちゃんだから、きっと、ノーカン。
極上の抱き心地にとろけそうな唇。
やっべ、マジで好きになりそう。
だけど、これ以上は殺されそう。
玄関のドアノブ、めっちゃガチャガチャいってるんですけどぉ!
からのー、流れるような連続ピンポン。
「ごめん!」
何が何やらでびっくりしてる彼女に詫び入れてから玄関へダッシュ。
予想通り、インターフォンに映る見たことない形相の俺。
思ったより、早かったなあ。
「……あー、かっちゃん?」
「ブッ殺す!!」
後日、彼女さん(確定)にキスしたことがバレてめっちゃキレられた。
死ぬかと思った、マジで。
けど、後悔はしてない! 反省もしてない!
なんなら、もっとイチャついとけば良かった!
ウェーイ!!
2022.04.25
1/11ページ