「『あやしいかぜ』っ!!」


「くっ………」



『あやしいかぜ』が吹くと、背筋がゾクゾクするような嫌な感覚に襲われる




「『たつまき』で吹き飛ばせ!!」



「喰らえ………!」



強羅の起こした『たつまき』は『あやしいかぜ』を吹き飛ばし、フワライド自身をも巻き込む


「フワライドー!!」


「やっぱり気球なだけあって、風を使った攻撃に弱いな…………!」


『たつまき』に巻き込まれたフワライドは、風に流されジムの天井や壁にぶつかっている

ようやく風が止み、フィールドに戻って来たフワライドは『きのみ』を取出し食べ始めた


「げ!あのフワライド、『オボンの実』持ってたのか!!」


すると、みるみるフワライドの傷が消え体力を回復した


「ちっ!『アクアテール』!!」

「『のしかかり』デス!!」


メリッサがフワライドに指示を出したが、フワライドは先程より動きが遅くなっていた


「あのフワライド、遅くなった?………チャンスだ強羅!!」


突然動きの遅くなったフワライドに、強羅は『アクアテール』を叩き込む


「フワライドっ!」

「もしかして、特性『かるわざ』の効果か…………?」

天雅がぽつりと呟くと、メリッサがそれに答えた


「ご名答、私のフワライドの特性は『かるわざ』デース!!」


「特性『かるわざ』は、持っている道具が無くなると素早さが二倍に跳ね上がる
でも今は『トリックルーム』の状態だ、つまりフワライドはこの空間では早く動けない
特性が裏目に出たな」


「それはどうでショウカ?フワライド!『ジャイロボール』!!」


「何っ!!?」


フワライドが高速で回転し始め、そのまま強羅に突っ込んだ

「ぐはっ………!!」


「強羅!しっかりしろ!!」


「フワライド、Wonderful!!」


「（『ジャイロボール』………鋼タイプの物理技で、自分の素早さが相手より遅いほど威力が上がる
『トリックルーム』の状態で特性を発動させたのは、この為だったのか……………）」

メリッサの奇抜な作戦に唇を噛む天雅だが
すぐ、いつもの顔に戻った


「やっぱり楽しいな、ポケモンバトルって……………」


「これで終わりデス!フワライド、『でんげきは』!!!」


「耐えるんだ強羅!!!」


「ぐっ………!!」

フワライドの『でんげきは』を浴び、強羅にダメージが蓄積されていく


「頼む、頑張ってくれ…………強羅!!」


「天雅………………………くぅっ!!」


すると、強羅は『でんげきは』を耐え抜き弾いた


「そんなっ!!?」


「よっしゃぁ!強羅、新技いくぜ!!!」

「あぁっ!!」



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