アサナンは渾身の力を使い、『でんこうせっか』で向かって来る駿羽を弾き飛ばす




「駿羽っ!!!」




「くっ、う………大丈夫だよ!マスター………!!」



駿羽は大きなダメージを受けたものの、何とか起き上がった




「そうか!よし、行けっ駿羽!!」



「これで終わりです!『めざめるパワー』!!」



「（くっ、またか………!今氷タイプの技を浴びたら駿羽が……………っ、!!『氷』………氷に強いのは…………!!）」



すると、天雅はこの状況にも関わらずニヤリと笑った




「駿羽!『はがねのつばさ』でガードしろ!!!」



「分かった!!」



『はがねのつばさ』で固くなった翼を胸の前でクロスさせ、駿羽は『めざめるパワー』を防いだ




「まさか!あんな方法で『めざめるパワー』を……………っ!!」




「行けっ!『ブレイブバード』!!!」




「これでトドメだぁーーーっ!!」




目にも止まらぬスピードで駿羽はアサナンの懐に突っ込み、壁まで跳ね飛ばした




「アサナンっ!!!」




スモモが呼び掛けたが、弱点である飛行タイプの技を受けたアサナンは目を回していた




「アサナン戦闘不能、よってムクホークの勝ち!!」



審判の声が響き、天雅の方に旗が上がる



「よっしゃあ!駿羽、ご苦労様!!」



「マスターの指示のお陰だよ…………!!」



駿羽は疲れたような、それでいて満足そうに笑う




「ありがとうな駿羽、ゆっくり休んでくれ」



「うん………!」


天雅は駿羽を優しく撫で、ボールに戻した




「さっきはお見事でした!氷に強い鋼タイプの技を、防御に使うなんて………」



「サンキュー、スモモ」




「でも、私達だって負けません!」




「俺だって負ける気なんかねぇぜ」



そう言って二人は、同時に二体目のポケモンを出した




「お願いします、ルカリオ!!」



「初のジム戦だ、頼むぜ!誠勇!!」




偶然にも二人のボールから出て来たのは、どちらもルカリオ



「っ!!………天雅さんもルカリオを………!?」




「ルカリオ対決か…………………面白ぇ!」




「二戦目、ルカリオ対ルカリオ。開始!!」