長編 1ミリ上空の日々
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「やめろ、ポン太!!!」
その一声が聞こえた瞬間、私は我を取り戻した。
利きすぎる鼻にむっとした血の匂いが充満している。
目の前には怯えきった男の顔があったが、私はそれにかまうことなく一目散に檻の方へ駆けた。
聞き間違えるわけがない。
「わんわんわん!!!」
竹谷君!!!
「ポン太!」
竹谷君は檻の中で辛そうに身体を起していた。
酷い怪我だけど、竹谷君はちゃんと生きている。
無事を確かめたくて、檻の間から顔を入れてくんくんしていると、竹谷君が私の顔を捕まえてわしわしと撫でた。
「お前、助けに来てくれたんだな」
口だって切れて痛いだろうに、彼はにっこり笑って褒めてくれた。
私は安堵で泣きそうになった。
「八左エ門!!!」
洞窟内に足音が響いて四人が駆けこんできた。
みんな軽く怪我をしているようだ。
それほど数多くの山賊を相手にしてきたということだろう。
先頭を走って来た鉢屋君が竹谷君を見て、「なんだ、案外元気そうだな」なんて言った。
そんな皮肉を言ってはいるけど、安心した表情は隠せていなかった。
「ああ、おかげさまでな」
竹谷君も強がりを言っているけど、その笑顔は安堵を湛えていた。
彼もまた檻の中でどれだけ不安な思いをしたかわからない。
それを思って、私は一層竹谷君の無事を嬉しく思った。
尾浜君と久々知君が檻の鍵を探している間、不破君が寄って来て私の顔を手拭いで拭いてくれた。
「ポン太、怪我してない?」
「わふ?」
その手拭いは真っ赤で、私はそのとき初めて自分のやったことに気が付いた。
怒りで我を忘れていたとはいえ、こんな惨いことを……
私はポン太に申し訳なく思った。
体を貸してもらった上に、こんなことをさせてしまった。
「ポン太?」
不破君が私の顔を覗き込んだ。
その時、檻が開いて竹谷君が尾浜君に肩を借りながら出てきた。
ふらふらしているが、応急の手当てのおかげで血も止まってきている。
空が明るくなってきたのを確認してきた久々知君が「急ぐぞ」とみんなに声を掛ける。
夜明け前に学園に帰らなければいけない。
その帰り際に、鉢屋君が思い出したかのように声を上げた。
「おっと、忘れるところだった」
みんな鉢屋君を振り返る。
「え?何を?」
すると、彼はにやりと笑みを浮かべて、懐から焙烙火矢を取り出した。
「呼ばれて飛び出てどっかーん☆山賊殲滅作戦の仕上げだ」
それを聞いた竹谷君は割と真剣な顔で言った。
「三郎、お前―――――センスねえな」
その一声が聞こえた瞬間、私は我を取り戻した。
利きすぎる鼻にむっとした血の匂いが充満している。
目の前には怯えきった男の顔があったが、私はそれにかまうことなく一目散に檻の方へ駆けた。
聞き間違えるわけがない。
「わんわんわん!!!」
竹谷君!!!
「ポン太!」
竹谷君は檻の中で辛そうに身体を起していた。
酷い怪我だけど、竹谷君はちゃんと生きている。
無事を確かめたくて、檻の間から顔を入れてくんくんしていると、竹谷君が私の顔を捕まえてわしわしと撫でた。
「お前、助けに来てくれたんだな」
口だって切れて痛いだろうに、彼はにっこり笑って褒めてくれた。
私は安堵で泣きそうになった。
「八左エ門!!!」
洞窟内に足音が響いて四人が駆けこんできた。
みんな軽く怪我をしているようだ。
それほど数多くの山賊を相手にしてきたということだろう。
先頭を走って来た鉢屋君が竹谷君を見て、「なんだ、案外元気そうだな」なんて言った。
そんな皮肉を言ってはいるけど、安心した表情は隠せていなかった。
「ああ、おかげさまでな」
竹谷君も強がりを言っているけど、その笑顔は安堵を湛えていた。
彼もまた檻の中でどれだけ不安な思いをしたかわからない。
それを思って、私は一層竹谷君の無事を嬉しく思った。
尾浜君と久々知君が檻の鍵を探している間、不破君が寄って来て私の顔を手拭いで拭いてくれた。
「ポン太、怪我してない?」
「わふ?」
その手拭いは真っ赤で、私はそのとき初めて自分のやったことに気が付いた。
怒りで我を忘れていたとはいえ、こんな惨いことを……
私はポン太に申し訳なく思った。
体を貸してもらった上に、こんなことをさせてしまった。
「ポン太?」
不破君が私の顔を覗き込んだ。
その時、檻が開いて竹谷君が尾浜君に肩を借りながら出てきた。
ふらふらしているが、応急の手当てのおかげで血も止まってきている。
空が明るくなってきたのを確認してきた久々知君が「急ぐぞ」とみんなに声を掛ける。
夜明け前に学園に帰らなければいけない。
その帰り際に、鉢屋君が思い出したかのように声を上げた。
「おっと、忘れるところだった」
みんな鉢屋君を振り返る。
「え?何を?」
すると、彼はにやりと笑みを浮かべて、懐から焙烙火矢を取り出した。
「呼ばれて飛び出てどっかーん☆山賊殲滅作戦の仕上げだ」
それを聞いた竹谷君は割と真剣な顔で言った。
「三郎、お前―――――センスねえな」
