長編 1ミリ上空の日々
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不破雷蔵は木々の隙間を駆け抜けながら、努めて冷静になれと自分に言い聞かせる。
今は八左エ門を助けるために、敵を引きつけることさえ考えれば良い。
何も悩むことは無い。
斬りかかって来る刀を避け、冷静に敵の動きを読む。
いつだったか、図書委員長の中在家長次先輩が言っていたことを思い出す。
「相手が次にどこを狙っているかを考えるな。………目を見ろ」
いつものようにもそもそ喋っていて、聞きとるのに苦労したけど、先輩は確かにそう仰っていた。
確か、きり丸と怪士丸は本棚の整理をしてたんだっけ。
「目を見ろ、か」
雷蔵はその言葉を胸に、忍刀を構えなおした。
その直後、少し離れた所から破裂音がした。
パァン!!!
「なっ!!?」
雷蔵は音のした方へ振り返る。
そこに勘右衛門が右腕を庇ってしゃがみ込んでいるのが目に入った。
「な!!!」
まさか山賊が―――――火縄銃を?
こいつら、そんなものまで持っていたのか?
次には三回銃声が響き、寸での所で勘右衛門をかすめる。
敵方も奇襲相手に手こずって冷静さを欠いているらしい。
出鱈目に撃ってきている。
雷蔵は勘右衛門を守るように身をかがめ、辺りに目を凝らした。
とにかく、火縄銃をなんとかしなければ危険すぎる。
「勘右衛門、怪我の深さは?」
周囲を警戒しながら、雷蔵は小声で問いかける。
すると、勘右衛門が「掠ったくらいだよ」と返事をした。
強がってはいるが、火縄銃の弾が当たった痛みは相当なものだろう。
堪えるような声色だ。
雷蔵は懐から苦無を出し、自分たちを囲んでいる敵を素早く見回す。
一体、どの方角から撃ってきた?
火縄銃を持っている人数は?
流れ弾に当たるのを恐れたのか、山賊たちは取り囲むようにして後ずさる。
これでは、格好の的だ。
敵が木陰から出て来て、銃の狙いを定める前に仕留めなければいけない。
勝負はその一瞬だ。
暫くの睨み合いの末、敵が木陰から姿を現した。
火縄銃を持っている。
雷蔵はそれを視界の隅に捉えると、反射神経で敵の額を苦無で打ち抜いた。
すると山賊たちは動揺したのか、一斉に飛びかかって来た。
いくら雷蔵が鍛錬を積んでいても、この人数は相手にできない。
そう判断し勘右衛門を振りかえると、彼は米神に筋を浮かべて立ちあがっているところだった。
「このぼんくらども、一丁前に火縄銃なんか使いやがって……」
勘右衛門が完全にキレている。
それを見た雷蔵は、逆に山賊たちを哀れに思った。
普段穏やかな勘右衛門の逆鱗に触れたらどうなるか、………それは友人だけが知る恐怖だ。
*
一方、館の中を駆ける三郎は次第に焦っていた。
いくら広いと言っても城ほどではないこの館。
隠し部屋や屋根裏部屋もないこの館のどこを探しても、八左エ門が見当らないのだ。
先ほど、外で銃声が上がったことも三郎の心を焦らせた。
山賊どもが火縄銃まで持っているとは予想外だ。
それにいくら忍術学園で訓練しているとはいえ、人である以上体力は限られている。
あいつら一体、八左エ門をどこにやった?
最悪の展開を頭から振り払い、三郎は館を駆け抜ける。
今は八左エ門を助けるために、敵を引きつけることさえ考えれば良い。
何も悩むことは無い。
斬りかかって来る刀を避け、冷静に敵の動きを読む。
いつだったか、図書委員長の中在家長次先輩が言っていたことを思い出す。
「相手が次にどこを狙っているかを考えるな。………目を見ろ」
いつものようにもそもそ喋っていて、聞きとるのに苦労したけど、先輩は確かにそう仰っていた。
確か、きり丸と怪士丸は本棚の整理をしてたんだっけ。
「目を見ろ、か」
雷蔵はその言葉を胸に、忍刀を構えなおした。
その直後、少し離れた所から破裂音がした。
パァン!!!
「なっ!!?」
雷蔵は音のした方へ振り返る。
そこに勘右衛門が右腕を庇ってしゃがみ込んでいるのが目に入った。
「な!!!」
まさか山賊が―――――火縄銃を?
こいつら、そんなものまで持っていたのか?
次には三回銃声が響き、寸での所で勘右衛門をかすめる。
敵方も奇襲相手に手こずって冷静さを欠いているらしい。
出鱈目に撃ってきている。
雷蔵は勘右衛門を守るように身をかがめ、辺りに目を凝らした。
とにかく、火縄銃をなんとかしなければ危険すぎる。
「勘右衛門、怪我の深さは?」
周囲を警戒しながら、雷蔵は小声で問いかける。
すると、勘右衛門が「掠ったくらいだよ」と返事をした。
強がってはいるが、火縄銃の弾が当たった痛みは相当なものだろう。
堪えるような声色だ。
雷蔵は懐から苦無を出し、自分たちを囲んでいる敵を素早く見回す。
一体、どの方角から撃ってきた?
火縄銃を持っている人数は?
流れ弾に当たるのを恐れたのか、山賊たちは取り囲むようにして後ずさる。
これでは、格好の的だ。
敵が木陰から出て来て、銃の狙いを定める前に仕留めなければいけない。
勝負はその一瞬だ。
暫くの睨み合いの末、敵が木陰から姿を現した。
火縄銃を持っている。
雷蔵はそれを視界の隅に捉えると、反射神経で敵の額を苦無で打ち抜いた。
すると山賊たちは動揺したのか、一斉に飛びかかって来た。
いくら雷蔵が鍛錬を積んでいても、この人数は相手にできない。
そう判断し勘右衛門を振りかえると、彼は米神に筋を浮かべて立ちあがっているところだった。
「このぼんくらども、一丁前に火縄銃なんか使いやがって……」
勘右衛門が完全にキレている。
それを見た雷蔵は、逆に山賊たちを哀れに思った。
普段穏やかな勘右衛門の逆鱗に触れたらどうなるか、………それは友人だけが知る恐怖だ。
*
一方、館の中を駆ける三郎は次第に焦っていた。
いくら広いと言っても城ほどではないこの館。
隠し部屋や屋根裏部屋もないこの館のどこを探しても、八左エ門が見当らないのだ。
先ほど、外で銃声が上がったことも三郎の心を焦らせた。
山賊どもが火縄銃まで持っているとは予想外だ。
それにいくら忍術学園で訓練しているとはいえ、人である以上体力は限られている。
あいつら一体、八左エ門をどこにやった?
最悪の展開を頭から振り払い、三郎は館を駆け抜ける。
