長編 1ミリ上空の日々
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夜が明け、眩しい太陽の光が降り注ぐ学園の片隅。
私はこそこそと草むらの中を移動している。
忍術学園の生徒たちのなかに今のところ私を見た者はいない。
時々、私の気配かなにかを察知する敏感な子もいるけど、ただの気のせいくらいにしか感じていない。
だからこれまではどうどうと生徒の中を歩き回っていたのだけど、昨夜のことがあり何だか怖くなってしまった。
昨夜、山田先生の言葉で三人は納得したようだけど、油断はできない。
きっと乱太郎たちは昨夜のことをは組で話し、さらに別の学年へと話は伝わる。
学園中に話が広まったとき、誰も山田先生の言葉を疑わなければいいのだけど……。
賢い上級生はもしかしたら不審に思うかもしれない。
山田先生と土井先生の会話も気になるが、今の私にそれをかまっている余裕はなかった。
はあ。
いつもならこの時間、一緒に授業を聞いたりしている頃なのに……。
私は昨日までの幽霊ライフを思い返してため息をつく。
それに今日みたいに天気のいい日は、図書室の窓際でまどろむのも気持ちが良い。
(委員長の中在家君は、図書室のルールに厳しいから、私も細心の注意を払う)
くノ一教室はお昼休み、恋の話で持ちきりで、私も興味津々で聞き耳を立てたり……。
職員室で先生方の井戸端会議に耳を傾けるのも中々楽しいなあ。
まあ、ほとんどが自分の組の自慢話だけど。
それに放課後の委員会活動を見学するのも面白い。
この間なんて学級委員長委員会でお饅頭を懸けてモノマネ大会をやっていた。
もちろん優勝は五年ろ組・鉢屋三郎。
彼は最早、モノマネというより本物だ。
ちなみに鉢屋君は、伝子さんになりきって下級生を追い回していた。むしろそれがやりたかったのが本音だろうし。
尾浜君はそんな鉢屋君を笑顔で殴って叱っていたっけ……。
こうして考えていると、私は毎日幽霊として充実した生活を送っていたのだなと思った。
しかし、こんな風になったのも、あの泥棒二人組のせいだ。
この恨み―――どうしてくれよう。
そういえば、呪ったり祟ったりできるのかな?
そんなことを考えていた矢先のこと。
私が隠れている草むらが「ガサガサ」と突然揺れ始めた。
っ!!!
驚きで硬直する。
すると草むらが左右に掻き分けられて、ある生徒が顔を覗かせた。
太くて立派な眉、どんな切り方をしたのか訊ねたくなるようなボサボサ頭。
極めつけは「おほー」という間の抜けた声。
五年ろ組、竹谷八左エ門である。
「見つけたぞ!」
彼は足がすくんで動けない私を見るなり叫んだ。
私はただ口をぽかんと開けて、竹谷君を見上げている。
え、み、見つかってしまった!?
どうしてだかはわからないけど、竹谷君には私が見えている。
それに「見つけたぞ!」って、まさか、私を学園から追い出すために探していたんじゃ………!?
竹谷君がぐっと手を伸ばして来る。
その手は、一直線にこちらに向かっていた。
お、お助け!!!
私はこそこそと草むらの中を移動している。
忍術学園の生徒たちのなかに今のところ私を見た者はいない。
時々、私の気配かなにかを察知する敏感な子もいるけど、ただの気のせいくらいにしか感じていない。
だからこれまではどうどうと生徒の中を歩き回っていたのだけど、昨夜のことがあり何だか怖くなってしまった。
昨夜、山田先生の言葉で三人は納得したようだけど、油断はできない。
きっと乱太郎たちは昨夜のことをは組で話し、さらに別の学年へと話は伝わる。
学園中に話が広まったとき、誰も山田先生の言葉を疑わなければいいのだけど……。
賢い上級生はもしかしたら不審に思うかもしれない。
山田先生と土井先生の会話も気になるが、今の私にそれをかまっている余裕はなかった。
はあ。
いつもならこの時間、一緒に授業を聞いたりしている頃なのに……。
私は昨日までの幽霊ライフを思い返してため息をつく。
それに今日みたいに天気のいい日は、図書室の窓際でまどろむのも気持ちが良い。
(委員長の中在家君は、図書室のルールに厳しいから、私も細心の注意を払う)
くノ一教室はお昼休み、恋の話で持ちきりで、私も興味津々で聞き耳を立てたり……。
職員室で先生方の井戸端会議に耳を傾けるのも中々楽しいなあ。
まあ、ほとんどが自分の組の自慢話だけど。
それに放課後の委員会活動を見学するのも面白い。
この間なんて学級委員長委員会でお饅頭を懸けてモノマネ大会をやっていた。
もちろん優勝は五年ろ組・鉢屋三郎。
彼は最早、モノマネというより本物だ。
ちなみに鉢屋君は、伝子さんになりきって下級生を追い回していた。むしろそれがやりたかったのが本音だろうし。
尾浜君はそんな鉢屋君を笑顔で殴って叱っていたっけ……。
こうして考えていると、私は毎日幽霊として充実した生活を送っていたのだなと思った。
しかし、こんな風になったのも、あの泥棒二人組のせいだ。
この恨み―――どうしてくれよう。
そういえば、呪ったり祟ったりできるのかな?
そんなことを考えていた矢先のこと。
私が隠れている草むらが「ガサガサ」と突然揺れ始めた。
っ!!!
驚きで硬直する。
すると草むらが左右に掻き分けられて、ある生徒が顔を覗かせた。
太くて立派な眉、どんな切り方をしたのか訊ねたくなるようなボサボサ頭。
極めつけは「おほー」という間の抜けた声。
五年ろ組、竹谷八左エ門である。
「見つけたぞ!」
彼は足がすくんで動けない私を見るなり叫んだ。
私はただ口をぽかんと開けて、竹谷君を見上げている。
え、み、見つかってしまった!?
どうしてだかはわからないけど、竹谷君には私が見えている。
それに「見つけたぞ!」って、まさか、私を学園から追い出すために探していたんじゃ………!?
竹谷君がぐっと手を伸ばして来る。
その手は、一直線にこちらに向かっていた。
お、お助け!!!
