天狗の遊び
可愛いらしい天狗は私を組伏せて笑う。
「あれ程の怪我でここまでこれた子は初めてだよ~!いっつもは一つと数えるまもなく僕に捕まっちゃったり、向こうの崖から落っこちて死んじゃうのに。すごいねぇ~!!」
あどけない笑みを浮かべて彼はつらつらと恐ろしい事を言う。
「でも残念!捕まっちゃったね~!!」
「……そんな怖い顔しなくても、痛い事とかは何もしないよぉ!…多分ね。」
殺される事を覚悟し、ギュッと唇を噛み締める。何をせんとも恐怖が襲いくる。
「殺されると思ってるの??僕が、君を??……………………そんなことするワケないじゃ~ん!!
もっと、も~っと楽しい事だよぉ」
そう言いながら私の髪を鋤く。
身体を倒し、耳元で囁く。
「ほら、可愛い可愛いお嬢さん、僕と楽しいお遊び、しよ??」
屈託のない笑顔を近づけて、迫ってくる。
抵抗する間もなく、彼の足は私の足を押し広げる。
私はいやいやをするように身を捩った。
「抵抗する気?無駄だってわかってるクセに。」
幼子のような愛くるしい容姿とはかけ離れた腕力に微塵も抵抗できない。
袂に手を滑り込ませまさぐる。
髪を撫で付けながら、いい子、いい子……と囁いてくる。
腹部から徐々に下に滑らせる手は滑らかに曲を描いた。
いやっいやっ、と身を捩るもすぐに押さえつけられる。
「まだ抵抗するのぉ??…………しょうがないなあ~……」
彼は懐から取り出した丸薬を口に含み、笑って私の顎を押さえ付ける。
強引に引き寄せた唇を割って熱いものがぬぐぬぐと口内をまぐわう。上顎や舌の付け根を執拗に追い回され、手足に力が入らなくなってきた。…………身体が熱い。
にんまりとした笑みを湛え、彼の瞳は煌々と輝いていた。
「じゃ、始めようか♪」
「楽しい、楽しい、お遊びを♪」
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