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サプライズ

「トシィィ誕生日おめでとぉぉぉ!!」

鬼嫁を片手に真っ裸で羽目を外している近藤

土方の誕生日だから今日くらい盛大に祝おうと宴を開いてくれたらしい

前方では瓶をマイク代わりに持っている近藤が

「勲、お妙さんの為に一曲歌いますッ!!」

とラブソングを大きな声で歌い、隣で山崎が誰の誕生日だと思ってるんですかァァァとツッコミを入れている

周りを見渡すとあちこちに酒の瓶が転がり、近藤と同様に酔っぱらってる奴が殆どだ

明日の仕事に差し支えが無ければいいと心配になる土方を余所に沖田もかなり呑んでいた

「おい、お前は未成年だろうがァァァ!!」

「なんでィ土方コノヤロー」

「なんだじゃねェんだよ!もう止めとけよ」

抱き抱えている鬼嫁を奪い取ろうとしても離さないので諦めると

「土方さんが条件のんだら呑むの止めてもいいですぜ」

「…条件って何だよ」

飽きれたように聞き返すと手に持っている酒を目の前に突き付けてきた

「残り全部土方さんが呑むなら止めまさァ、呑まないなら俺が一気しやす」

「なッ…」

酒が弱いのもあるが仕事に支障が出ないように大して呑んでいなかったというのに意外な条件に顔をしかめる

「どうするんですかィ?まあ、酒呑めない土方さんが無理して呑まなくてもいいですがねィ」

更に呑もうとしている沖田の腕を掴み、未成年に呑ませる訳にもいかないので渋々承諾した

いざ、瓶を渡されても戸惑ってしまう

「呑まないんですかィ?」

「…いや、呑む」

瓶をそのまま口付けて一気に飲み干そうとするが三分の一程度の量しか減っていない

「土方さん、まだ残ってやすぜ」

「嗚呼、わかっ…てる」
頬が火照ってるのがわかる
やはり土方は酒が弱いと実感する

また少しずつ飲み始めた土方に沖田はニヤッと微笑むと、酒を奪って自ら口に含んだ

「お、おい…んぅ」

唇が深く重なりアルコールが口に入ってきた

離れては、また新しい酒を口移され頭がクラクラする

「っは…総悟みん、な見て…んっ」

「酔っ払いしかいねェから大丈夫でさァ」

気にも止めていないかのように口内を掻き回す沖田がズボン越しに太腿に触れた

「ッ!ちょ…総…」

酔っ払いとはいえ、大勢いるなかでこれ以上事を進められたらと土方は焦り出す

相変わらず太腿辺りを弄っている沖田は酒を絶えず呑ませ続け、土方が抵抗しなくなるとようやく解放してやった

荒い呼吸を繰り返す土方の腕を掴み、体を支えながら立ち上がる

「歩けやすかィ?」

「はぁ…む、無理」

「寄りかかっていいんで、部屋までいきやすぜ」

力なく項垂れる土方を支え歩き始めるが、自分よりも大きい人を運ぶのは思いの外大変だ

柱にぶつかりながらやっとの事で部屋まで連れて行くと、手際良く布団を敷き土方を寝かせてやる

「俺行きやすけど、しっかり休みなせェよ」

眠たそうにしている土方を襲ってしまいたい衝動に駆られるがここは我慢

「も…行くのか?」
「ええ、まだ向こうに用事があるんで」

沖田の事だからこのまま事に及ぼうとするのだとばっかり思っていた土方は酔っているながらに拍子抜けだった

「期待してるんですかィ?」
「…っ!そんな訳…」

火照ってる頬がより紅潮しているのが愛しくて堪らない

「冗談ですぜ。じゃ、おやすみなせェ」

振り返ることなく出て行った沖田

酔っているからか一人でいる事に淋しさを感じ横になると足で何かを踏んだ感触

「…なんだ?」

手で探ると原因はポケットの中にあるものだ

入れた記憶がないのにと不思議に思い、取り出すと丁寧に包装された箱が出てきた

土方の物だと確信はないが不本意ながらも開けてみることにした

出てきたのはシンプルなデザインの財布とメッセージカードらしきものが一枚

カードを見ると手書きで"土方さん、誕生日おめでとうございます"
と書いてある

見違える訳がない、沖田の字

宴会を開いてくれたのも嬉しかったが、何より沖田の予想外のプレゼントが嬉しかった

こんな風に祝って貰えるなら誕生日も悪くない

「そうご…ありがと…な」

財布を握りしめたまま、襲ってくる睡魔に耐えられず眠りについた

end
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