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大切な存在


朝日が差し込み、いつもの生活リズムで目を覚ませば隣で眠っていた筈の相手は既に居なくて


部屋にはいつも通り自分だけ


昨夜の情事の倦怠感で気怠い躯を無理矢理起こし、隊服に袖を通して仕事の支度をする


そうしている間も頭をよぎるのは、憎たらしい部下の事ばかり心底嫌になるもんだ


(あの野郎…どういうつもりで…)


考えれば、それだけ溜め息が漏れて重たい気持ちになっていく


俺と総悟が躯の関係を持つようになったのが半年前の新年会か何かの時だった


珍しく潰れるまで酒を呑んでいた俺はその時の記憶は曖昧だ


覚えているのは翌日の朝俺の部屋で、隣に眠る総悟と腰の鈍痛、そして二人して裸だった事


ご無沙汰だったとはいえ男に、ましてや弟のように可愛がってきた総悟に手を出してしまったと動揺は隠せない


だが、何か引っ掛かる


手を出したのは自分の筈なのに、何故自分の腰がこんなにも鈍い痛みをしているのかと


訳が分からないまま、取り敢えず着流しを羽織ると隣に寝ていた総悟が起きていて『躯大丈夫ですかィ?』なんて言うから疑惑は確信に変わった

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