rain
雨が降り始めて一時間は経った頃、ずぶ濡れになった土方はもう一つ思い当たる場所を思い出しそこに向かっていた
近すぎて頭にはなかった屯所から割と近い空き地
雑草が生い茂り、人の手が加えられないその場所に時折沖田が行っていたと山崎から聞いた事がある
「今度こそ居ろよ」
最後の可能性を願う気持ちで足早に空き地へ向かう
雨でべた付く隊服も気にならない
走り続けてようやく現地が見えるくらいまでくると、土方は漸く安堵の声を漏らした
探し続けていた沖田がいる
「総悟ッ!!」
大きな声で名前を呼ぶとこちらに気がついたのか沖田が振り向く
随分と雨に濡れながら草村の中にしゃがみ込む沖田の腕の中には小さな子猫がいた
それも大分弱っている
「…土方さん」
力なさげに名前を呼ばれ、傍まで寄っていく
「1日も帰ってこないで何やってんだよ!!」
「チッ、山崎のヤロー」
「おい今チッって聞こえたぞ」
弱々しくそっぽ向く沖田も雨でずぶ濡れだ
一本だけ持っていた折り畳み傘を沖田に差してやり、腕の中を覗き込む
「随分と弱ってんな」
近すぎて頭にはなかった屯所から割と近い空き地
雑草が生い茂り、人の手が加えられないその場所に時折沖田が行っていたと山崎から聞いた事がある
「今度こそ居ろよ」
最後の可能性を願う気持ちで足早に空き地へ向かう
雨でべた付く隊服も気にならない
走り続けてようやく現地が見えるくらいまでくると、土方は漸く安堵の声を漏らした
探し続けていた沖田がいる
「総悟ッ!!」
大きな声で名前を呼ぶとこちらに気がついたのか沖田が振り向く
随分と雨に濡れながら草村の中にしゃがみ込む沖田の腕の中には小さな子猫がいた
それも大分弱っている
「…土方さん」
力なさげに名前を呼ばれ、傍まで寄っていく
「1日も帰ってこないで何やってんだよ!!」
「チッ、山崎のヤロー」
「おい今チッって聞こえたぞ」
弱々しくそっぽ向く沖田も雨でずぶ濡れだ
一本だけ持っていた折り畳み傘を沖田に差してやり、腕の中を覗き込む
「随分と弱ってんな」