幼馴染はゲイでした
柔らかい感触が唇に伝わる。すぐ離れなければと思うのに触れ合う熱に惑わされたのか離れられない。
拒めずにいる俺の唇の隙間を滑っとした熱い感覚が伝う。
「総.....ッ、ん」
名前を呼んで止めようと開いた口に潜り込む沖田の舌。歯列をなぞり口腔内を蹂躙する。
逃げようとする俺の後頭部を掴み、逃げ惑う舌に沖田の舌が絡んで離さない。
「ちょ...ッ...んぅ」
巧みに動き回る舌に翻弄されて力が抜けていく。正直気持ちいい。完全に沖田のペースに飲まれている。
力無く体を押しやる腕は大した抵抗にもならなくて、小柄な体の何処にこんな力があるのだろう。
互いの唾液が混じってくちゅくちゅと卑猥な水音を立てて、飲み込みきれない液が口の端から伝う。キスなんて初めてでもないのに、恥ずかしかった。
「んっ...ぁ...ふ」
上顎をなぞられ、舌を甘く吸われる。次第に下半身にも集まる熱。それに気付いたのは俺だけではないようで、沖田はクスッと笑うと唇を離した。
「は......はぁ...総悟」
酸素を求めて大きく息をする。
「俺に無闇に触るからでィ。...嫌だったら抵抗して」
そう言ってベッドから降りて来る沖田は完全に情欲に濡れた男の顔で、逃げるように後退りすれば背にベッドが当たり、これ以上下がれない。
沖田は更に距離を詰めると、あろう事かスウェットの上から股間に触れた。
「...総悟、何で...」
「言ったろィ?嫌だったら蹴るなりなんなりして逃げて」
言いながら白くて綺麗な手は性器を揉むような動きをする。
「...ッ、出来るわけねえだろ」
沖田を蹴るだなんてとんでもない。ましていつもより弱っているのに。
抵抗を示さない俺に沖田の手は止まらない。
「ぁ...総悟」
下着の中に潜り込んだ手に直に性器を握られ声が漏れる。まさか沖田に性器を触られるとは数日前の俺は思いもしなかっただろう。
握った手は緩慢に性器を擦る。人から与えられる刺激は自慰では得られない快楽を否が応にも拾った。
「うっ...は...総悟、だめだって...ッ」
侵入した手を掴んで止める。今ならまだ冗談で流してやれる。これ以上間違ったら以前のような友人関係には戻れなくなってしまう気がして怖かったのだ。
「アンタは甘いんでさァ。早く俺を拒絶しろよ!気持ち悪ィって突き放せよ!」
強い口調とは裏腹に悲痛に響く沖田の声。虚勢を張っているのは伝わってきて苦しくなるんだ。本当に突き放してしまったら、もう一緒にいる事すら出来ないだろう。
沖田を受け入れるか、拒絶して離れていってしまうか。苦渋の決断を突き付けられているのかもしれない。
「お前がしたいようにしてくれ」
悩んだ末に口から出たのは沖田の行為を受け入れるという選択。拍子抜けしている沖田の手を下着からやんわりと抜くと、自らベッドに上がると向き合うように座り首に手を回した。