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May


すらすらと黒板に文字を書き綴り、教科書を読んではまた書く、その繰り返し

銀八の時と違って間が少なく、全体的にゆとりがない

「…質問はあるか?」

一通り説明を終えた後、土方は毎度のように訪ねる

誰も口を開かないのを確認すると、号令を掛けさせて教室から出ていった

土方の抜けた後の教室はある話題で持ちきりになっていた

それは"土方の彼女について"だった

話を切り出してきた女子生徒によると、土方が綺麗な女性と二人でいるのを見かけたらしい

普段だったら特別興味を持つことはなかっただろうが、相手が自分の姉であれば話は別

クラスで一人だけ名前で呼ばれている理由は二人の関係を表していたのかもしれない

「…あのヤローむかつくぜィ」

考えれば自然と声になって発していた

「本当ずりぃよな、先生は!!俺なんかケツ毛ぼうぼうだしさぁ」

傍にいた山崎はビクッと震えたが近藤はいい女を捕まえた土方を羨ましがるだけで後は何も言わない

沖田はこの空間が居心地悪かった

姉にも土方にも裏切られたようなそんな気持ち

込み上がるモヤモヤを抑制出来そうにない

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