April
「沖田さん、お帰りなさい」
部活に顔を出せば、休憩中の山崎に声を掛けられる
渋々隣に腰を下ろし、辺りを見回すと近藤が仮入部の1年生に稽古をつけていた
「今年も結構入部しそうですねィ」
去年も入部希望者は多かったが、今年はそれ以上の人数がいるようにも見える
「きっと、沖田さんが全国大会で優勝したからですよ」
山崎の言うとおり沖田は剣道の伸びが早く、いつの間にか近藤を超え全国まで上り詰めた
突きを得意とし、数々の高校生を破ってきた
そんな沖田に憧れて入部を希望する者も少なくない
「ふーん。俺は近藤さんさえ居ればいいけどねィ」
はっきりいって沖田は新入部員に興味はない
剣道が好きなのもあるが近藤と共に剣道をやりたかっただけに過ぎない
「ちょ、沖田さんん!!俺も数に入れて下さいよ!!」
「お前は地味に床でも拭いてな」
涙目で喚きながら何処かへ行った山崎
心底弄りがいのある奴だ
其処へ山崎と入れ替わるように、新入生が沖田の目の前までやってくる
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