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May





土方が作った夕飯を二人で食べリビングのソファーに腰掛ける。

「料理出来ないと思ってやしたよ」

手際良く料理をする土方は予想外だった。手慣れた様子で調理をしている姿までは良かった。最後のトッピングが無ければ。

「学校でも出来ねェと思われてるよ」

苦笑する土方は煙草に火をつけると紫煙を吐き出した。

「先生はマヨネーズに恨みでもあるんですか?あれじゃ犬の餌でィ」

「何が犬の餌だ!マヨネーズは何にでも合うんだよ」

折角カツ丼とか作ってくれたのに、大量のマヨネーズをかけていたのには驚愕だった。これも泊まりに来なければ知らない事実だったかもしれない。幸い沖田の食事には掛けられる前に抑止したのだが。

「学校でもそうやって食ってるんですかィ?」

「気味悪がられるからやらねェ」

「俺には嫌がられると思わないんで?」

「家でまで食事に気を使いたく無かっただけだ。言いふらすなよ?」

「へい」

一つ秘密を共有出来たようで嬉しかった。

それから他愛もない話をしながらゲームをした。お互い負けず嫌いな性格もあり熱中してしまう。女子高生から人気のある土方を一人で独占しているのは嫉妬されるに違いない。

気付けば時計の針は零時を回っていて忘れていたかのように睡魔が襲う。

開きにくくなった目を擦れば土方は笑った。

「そろそろ寝るか」

「...何処で寝ればいいんで?」

当然ながらベッドは一つしかない。
大の男が一緒の布団で寝るには狭過ぎる。

「嫌じゃなかったらベッドで寝ろよ。俺はソファーで寝るから」

少し考えた仕草を見せた後土方は口を開く。

「だったら先生がベッドで寝て下せェ」

家主そっちのけで布団で寝るのは居た堪れない。

「変に気を使わんでいい。お前はすぐ風邪引くから布団で寝ろ」

土方は半ば強引に沖田を強引に担ぐとベッドへと落とした。

「何するんでィ」

簡単に運び込まれてしまう体格差にショックを受ける沖田であるも、布団を掛けられれば大人しくなる。

「今は一人で寝れるようになったんだろ?」

悪戯っぽく微笑む土方にむっとした。
子供扱いは嫌だ。

「いつの話をしてんでィ」

グイッと腕を引き土方を布団に巻き込んだ。

「おわッ」

「俺が寝るまでここに居て」

おふざけは無しで真剣に目を見て言う沖田にやっぱ寂しいんじゃねえかと布団に居座る土方。

「...何もしないで下せェよ?」

右隣りに横たわる土方に対して冗談を言ってみる。

「しねえよ。馬鹿」

くだらないやりとりを楽しむ。一緒に居ると居心地が良い。

「おやすみなさい」

土方の体温に匂いに股間が誤作動しかけたのを沖田は隣に居るのが山崎だと想像して誤魔化した。


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