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変化


再び目が覚めた沖田は何処となく違和感を感じた

躯が異様に身軽な事、周りの景色が嫌に大きく見える事、そしてなにより自分の足が猫だか犬のようになっていた事

急激な変化に夢の中にでもいるような気さえしてしまう

ベンチを見れば液体まみれの自らの隊服

今頃行方不明になった沖田を近藤や土方は捜しているだろうと、短くなった足で懸命に屯所まで駆ける

見慣れた景色でさえも別世界に来てしまったようで困難だったが、躯が小さくなったお陰で幾度の隙間を潜り抜けた為か、かえって近道となった

走り抜ける事数分、屯所の塀に登り敷地内を見渡す

やはり、捜索してくれているようで屯所内は騒がしかった

(…土方さん何処にいるんでィ)

沖田はいつもサボる時に寝ている縁側が見える場所まで歩く

そこにはいつに無く優しげな表情で膝の上の猫を撫でている土方の姿

膝の上でなんか寝かせて貰った事はないし、あんな表情も向けられた事がない

沖田は膝の上の小さな猫に嫉妬心すら芽生えた

それから山崎がやってきて、いつの間にか子猫は姿を眩ましていた

山崎が去っていった後、土方はますます険しい表情になる

「…何処いっちまったんだよ、総悟」

ぽつりと呟いた言葉が、動物になってしまった所為かはっきりと聞き取れた

思わずにやけてしまいそうになるのを堪えながら、塀を降りて土方の傍まで寄っていく

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