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変化



部屋に取り残された土方と沖田。気まづい雰囲気が残されたままだった。

「ったく、妙なもん作りやがって」

最初に口を開いたのは土方だった。
独り言のように呟かれた言葉に俺は反応しなかった。

「総悟、さっきは悪かった。お前が邪魔だなんて思っちゃいねえ。戻って良かったと思ってる」

立ち往生してる俺に申し訳なさそうに声をかけてくる。

そして後ろから伝わる温もりに包まれた。

「慰めの言葉なら要りやせんよ」

前に回された腕から抜け出そうとするも、より強い力で抑制されて逃げ出せない。

「アンタも仕事でしょ?早く行けよ」

強がるのが精一杯。また冷たい言葉を放たれたら心が折れてしまうから。

「お前が元に戻れるか気掛かりなのと、立場的にも仕事も回さなきゃいけねえ。いっぱいいっぱいだったんだよ。悪気はねえんだ」

先程とは違い、優しい口調で話す土方。

「後な。勘違いしてそうだから言うが、俺は猫のお前より人間の総悟のが好きだ」

然りげ無く好きと言われて胸が締め付けられる。同時に見透かされていたと思った。

「...俺が部屋行くと嫌がるじゃねえか」

なんだかんだで理由をつけられ寝る前には部屋を追い出されるのを思い出し苦笑する。

「俺だって自制してんだよ。お前が部屋にいたら触れたくなんだろ」

「アンタ俺に触りたいんですかィ?ついにセクハラかよ」

「否定はしねえ」

「たまには夜一緒に寝てもいい?」

仕方ねえなと、頷き土方は同意した。

猫になった事で変わった、まだ初々しい頃の俺たちの変化だった。



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