Lost
助かる!!
絶対に間に合わせて見せる!!
だが、涙が止まらない
いつも強気な土方の弱々しさが沖田の不安を駆り立てていく
「…俺の、前…で泣くなん…てな」
苦しそうに言葉を紡ぐ土方
土方の前でなんて泣いた事がない
「喋んないで下せェ」
沖田が制しても話をし続ける
「なぁ…覚え、てるか?近…ど……さんの道場で初め…て会って」
「黙って下せェ」
「お…前、俺の事……嫌いだって……」
「黙れよ!!」
つい、言葉を荒げれば土方は何故か微笑した
ただ、話しを辞めるつもりはないらしく話し出そうとする土方に沖田は大人しく諦める
「…今…も、まだ嫌い…か?…ずっ…と……総悟には…煩く…いっ…て悪か…たな」
弱々しく差し出された手を両手で包むように握る
「んな事冗談でも言わないで下せェ!!……なんで俺なんか庇ったんでィ!!」
「わから…ねェよ…お前…の姉貴…も……守っ…やれなかっ…たんだ、…総悟だけは…間に合っ…てよかっ…た」
土方の目からは涙が落ちた
沖田自身も涙が止まらない
握っている土方の手から熱が奪われていくのを感じた
この温もりが物語っている
もう、長くはないと
「土方さん……俺、アンタの事ずっと嫌いって言い続けました…けど……本当は…好きですぜ」
「明日……は雪…でも…降りそ…だ」
やめてくれ…
姉上も居なくなって、この人まで居なくなってしまったら
これ以上俺から誰も奪っていかないで
嫌だよ、土方さん
ずっと嫌いだった
後から現れた癖に大切なものを何もかも簡単に奪ってしまう
近藤さんも姉上も
でもいつからか土方さん、アンタも大切な存在になっていた
早く追い付きたかった
少しでも気にかけて欲しくて悪戯ばかりしたし、見ているところでは仕事もサボった
無理し過ぎる土方さんを見てられなくて、危険な目に合わせたくなくて、副長を辞めさせたかった
近藤さんと同じくらい守りたかった
俺がもっとしっかりしていたら、こんな事には……
絶対に間に合わせて見せる!!
だが、涙が止まらない
いつも強気な土方の弱々しさが沖田の不安を駆り立てていく
「…俺の、前…で泣くなん…てな」
苦しそうに言葉を紡ぐ土方
土方の前でなんて泣いた事がない
「喋んないで下せェ」
沖田が制しても話をし続ける
「なぁ…覚え、てるか?近…ど……さんの道場で初め…て会って」
「黙って下せェ」
「お…前、俺の事……嫌いだって……」
「黙れよ!!」
つい、言葉を荒げれば土方は何故か微笑した
ただ、話しを辞めるつもりはないらしく話し出そうとする土方に沖田は大人しく諦める
「…今…も、まだ嫌い…か?…ずっ…と……総悟には…煩く…いっ…て悪か…たな」
弱々しく差し出された手を両手で包むように握る
「んな事冗談でも言わないで下せェ!!……なんで俺なんか庇ったんでィ!!」
「わから…ねェよ…お前…の姉貴…も……守っ…やれなかっ…たんだ、…総悟だけは…間に合っ…てよかっ…た」
土方の目からは涙が落ちた
沖田自身も涙が止まらない
握っている土方の手から熱が奪われていくのを感じた
この温もりが物語っている
もう、長くはないと
「土方さん……俺、アンタの事ずっと嫌いって言い続けました…けど……本当は…好きですぜ」
「明日……は雪…でも…降りそ…だ」
やめてくれ…
姉上も居なくなって、この人まで居なくなってしまったら
これ以上俺から誰も奪っていかないで
嫌だよ、土方さん
ずっと嫌いだった
後から現れた癖に大切なものを何もかも簡単に奪ってしまう
近藤さんも姉上も
でもいつからか土方さん、アンタも大切な存在になっていた
早く追い付きたかった
少しでも気にかけて欲しくて悪戯ばかりしたし、見ているところでは仕事もサボった
無理し過ぎる土方さんを見てられなくて、危険な目に合わせたくなくて、副長を辞めさせたかった
近藤さんと同じくらい守りたかった
俺がもっとしっかりしていたら、こんな事には……