graduation
桜の蕾も膨らみ暖かな風に包まれた晴天の中、長かったようで短く思える3年間が幕を閉じる
卒業証書を受け取り、長い話を聞いて、もう歌う事のないだろう校歌に定番の卒業ソング
3年間ですらあっと言う間に過ぎてしまうんだから、卒業式の1時間ちょっとの時間なんてわけもない
卒業式という高校生として最後の登校だと言うのに、早急に帰宅していく者達
その者達とは対照に3Zの風紀委員のメンバーは屋上にいた
卒業証書の筒を持ち、一向に泣き止む様子を見せない近藤に他のメンバーは呆れかえっている
「ちょっ…落ち着けって近藤さん」
泣きながら肩を抱いてくる近藤に土方は抵抗の色を見せていた
「近藤さん、そろそろ解放して貰えると助かりまさァ」
同じく近藤に抱きつかれていた沖田も肩に回る手を人差し指でつつく
「うぅ…わ、悪い…っく…お妙さぁぁぁぁん!!」
二人を解放した近藤は屋上の柵を掴んで叫び出す
寂しくて泣いているのかと思えば、結局同じクラスだった女の事
こっぴどく振られてしまったんだろう
土方と沖田は顔を見合わせて溜め息を漏らした
「ところで土方さん、なんで第2ボタンだけないんですかィ?」
学ランの第2ボタンが無いという事は女にあげたんだろうが、土方を狙う女子は多かったので一人に渡すような真似はしない筈
「あぁ、銀八に取られたんだよ。そういうお前も着いてないじゃねェか」
沖田の学ランは第2ボタンどころか一つも着いていなかった
卒業証書を受け取り、長い話を聞いて、もう歌う事のないだろう校歌に定番の卒業ソング
3年間ですらあっと言う間に過ぎてしまうんだから、卒業式の1時間ちょっとの時間なんてわけもない
卒業式という高校生として最後の登校だと言うのに、早急に帰宅していく者達
その者達とは対照に3Zの風紀委員のメンバーは屋上にいた
卒業証書の筒を持ち、一向に泣き止む様子を見せない近藤に他のメンバーは呆れかえっている
「ちょっ…落ち着けって近藤さん」
泣きながら肩を抱いてくる近藤に土方は抵抗の色を見せていた
「近藤さん、そろそろ解放して貰えると助かりまさァ」
同じく近藤に抱きつかれていた沖田も肩に回る手を人差し指でつつく
「うぅ…わ、悪い…っく…お妙さぁぁぁぁん!!」
二人を解放した近藤は屋上の柵を掴んで叫び出す
寂しくて泣いているのかと思えば、結局同じクラスだった女の事
こっぴどく振られてしまったんだろう
土方と沖田は顔を見合わせて溜め息を漏らした
「ところで土方さん、なんで第2ボタンだけないんですかィ?」
学ランの第2ボタンが無いという事は女にあげたんだろうが、土方を狙う女子は多かったので一人に渡すような真似はしない筈
「あぁ、銀八に取られたんだよ。そういうお前も着いてないじゃねェか」
沖田の学ランは第2ボタンどころか一つも着いていなかった
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