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天災と凡夫の話 出会い

「……誰だお前は」
「誰だとは随分だね。君がこの私、ネクロマンシーの父ドクターアルフレッドを蘇らせたんだろう?」
「…………俺が蘇らせようとしたのはさくらだ。何だお前は」
「うん?……なるほどなるほど、よく見ると随分と可愛らしい身体だ。この体の持ち主を蘇らせるつもりだったんだねぇ。うんうん。しかしこの体、なかなか上手に修復できているが頭に打撃痕がある。これが死因だね。多分事故じゃない……他殺かな。殺されてしまった彼女との感動の再会!とかそういう予定だったのかい?」
「いや、殺したのは俺だが」
「えっ」
「さくらは脳の病気で自我次元領域との接続がうまくいかなくなっていた。だから接続をやり直すために一度殺して、蘇らせた」
「ええー……そんなパソコン再起動するみたいなノリで人殺しちゃったの君?」
「パソコン再起動?いってる意味が分からないな。治療のために必要だったからそうしただけだ。……いや、お前にこんな話をする意味はないか。お前を彼女から引き剥がしもう一度やり直す。今度こそ治療を完遂する。俺に治せない患者がいるはずがない」
「えっちょ、ちょっとまって。えーと、あれだよあれ」
「なんだ」
「あー、うん。あれだよあれ。君、今回失敗した原因分かってるのかい?それを解明しないでやり直してもきっとうまくいかないよ」
「………」
「だ、だからね?もっと準備してからやり直した方がいいんじゃないかな?せっかくネクロマンシーの第一人者である私がいるんだ、いろいろと教えてあげよう」
「………あんた確か最期は自殺じゃなかったか。今更何か未練でもあるのか?」
「わたしはただ世界がどうなったか知りたいんだ。だからもうちょっと時間を……」
「いいぞ」
「え?!あっさり?!」
「たしかにさっきの提案は俺にとっても利益のあるものだったしな。それに、知りたいという欲求は理解できる」
「そ、そうかありがとう……」
「ただしこの個室から出ることは許さない……さくらの死体が使われてるところを見られるのは……困るからな。本や新聞なんかは持ってきてやる」
(こいつ死体のちょろまかしまでやってやがったな……)

*幾日かが過ぎる。過ちは次第に日常となっていく。
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