圧倒的、悪意
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『大丈夫そうだった…?』
「おう」
携帯をいじっている爆豪くんは制服を着ているので、私はお兄ちゃんの部屋に行き部屋着を持ってくる。
『これお兄ちゃんのなんだけど、身長も爆豪くんと変わらないから良かったら着て。
今日は疲れただろうから、お風呂浸かる?』
「どっちでも良い」
んー、とりあえずそしたら一応お湯張ろうかな。
私は浴槽を軽く洗い、疲労回復の効果がある入浴剤を入れて、お湯を張る。
数分してお湯の準備ができた音が流れる。
『ゆっくりお風呂入ってきてね〜
新しい歯ブラシも出してあるから使ってね』
爆豪くんをお風呂場に送り出して、ソファーにボスッと倒れ込む。
今日は本当疲れたな…。
少しうとうとしてしまい、起きていなきゃと思った時には、まぶたの重さには勝てなくて眠りについてしまっていた。
「……ぃ…おい」
よく知った声は私を眠りから徐々に覚まさせた。
『つめた…』
頬に何か冷たいものが触れ、それを拭いながら目を開ける。
『あれ、爆豪くん。
髪乾かさなかったの…?』
先程の冷たかったものは爆豪くんの髪の毛から落ちた滴だった。
「すぐ乾くだろ」
そう言ってタオルで頭をガシガシ拭いている。
ちょっとまってて、と言ってドライヤーを持ってくる。
『爆豪ここに座って』
ポンポンとソファーを叩き座ってもらえるように促す。
しぶしぶと爆豪くんは座ってくれたので、私はソファーの後ろに立ち、ドライヤーの電源を入れる。
『こんなに綺麗な髪なのにもったいないよ』
少しでも爆豪くんが癒されればいいなと思って歌を紡ぐ。
私が爆豪くんの髪に触れると、少し肩を震わせたが、怒ったりはしていないので大丈夫ということだろう。
『うん!乾いた!
お兄ちゃんの部屋使ってくれていいからね、玄関から1番近い部屋だよ!』
「……さんきゅ」
終わり!と頭をぽんぽんと叩いて、ドライヤーのコードをまとめる。
『私もお風呂入るから、寝てて大丈夫だからね〜』
と爆豪くんに声をかけ、お風呂場に向かう。
お風呂に浸かりながら、ついつい長風呂をしてしまった。
私は髪の毛を乾かして、脱衣所を出る。
リビングに爆豪くんはいなかったので、寝たんだと思った。
お母さんとお父さんに挨拶しないと…。
和室への襖がなんだか重く感じた。
ゆっくりと和室に入り、お母さんとお父さんの前に座る。
『…今日、ヴィランに遭遇したの。
あんなに近くで初めて悪意を感じて、正直とっても怖かった。
お母さんとお父さんは、あんな世界でいつも戦っていたんだね。
私、まだまだ弱いけど、雄英で頑張って強くなるから…!だから見守っていて…!』
涙を流しながら、自分が何を感じたのかどうなっていきたいのか、お母さんとお父さんに話す。
どんどん、溢れてくる涙は底を知らないのか止まることはなかった。