圧倒的、悪意
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ピッピッピっという規則正しい電子音が聞こえて、私はゆっくりと目を開ける。
『ここは…』
「!!目覚めたか、ここは病院だよ。
君は吐血後、倒れた際に頭を打ったので病院に搬送されたんだよ」
隣から声が聞こえたので、横を見るとトレンチコートを着た人が椅子に座っていた。
『相澤先生と13号先生はどうなったんでしょうか!!』
バッと上半身を起こす。
「命に別状なしだ。
君が治療をしたそうだね、それがあったから2人の命も無事だった。
君も立派なヒーローだな」
そう言って私は安心のあまり泣いてしまった。
良かった、2人とも生きていてよかった…!!!
「君は白雪さんのお子さんだね。
僕は警察の塚内。君の両親とも面識があったんだよ」
『そう、なんですね…』
じっと顔を見ると、確かに見覚えがある顔の人だった。
「君のお兄さんにも連絡したんだが、今は海外だそうだね。
すぐ帰ってくるそうだが、今日はさすがに便がなく、帰って来れないそうだ。
病院にいることもできるがどうする?」
『…大丈夫です、帰れます』
涙を拭って塚内さんを見つめる。
「分かった、何かあればすぐに警察に連絡してくれ。
ではお大事に」
病室から出ていく塚内さん。
私の枕の隣にある椅子には制服とカバンなどまとまって置いてあった。
携帯がチカチカと光っていたので、携帯を開くとかなり通知がきていた。
メッセージアプリを開くと、新しいグループに追加されていた。
1-A全体のグループのようだ。
私が参加すると、[白雪サナがグループに参加しました]というメッセージが流れる。
すると、ポコンポコンと次々私を心配するメッセージが流れる。
1人ずつ返事をしていたら間に合わないくらいだ。
[白雪サナ]今目が覚めました。みんな心配かけちゃったみたいでごめんなさい。私は元気だよ!
と返信して携帯を閉じる。
するとブーブーと長い振動がする。
もう一度、携帯を開くと[爆豪勝己からの着信]と表示されていた。
病室を出て、携帯を耳に当てる。
『もしもし、爆豪くん。
大丈夫だった??どうしたの?』
「お前こそ大丈夫なんかよ…」
『うん、今さっき目覚めたところ』
廊下の椅子に座りながら、パタパタと足を遊ばせる。
「お前今日は家帰んのか?」
『うん、軽症だし、もう家に帰るよ』
「そしたらはよ病院でろや」
爆豪くんのこの電話の意図が読み取れない。
心配して電話をかけてきてくれたのかと思ったけど、どうやら違うようだ。
『うん、この電話切ったら出るよ??』
「おう」
なんだったんだろうか?再び病室に入り、制服に着替えてから、ナースセンターに向かい挨拶をする。
病院の外に出るとよく見知った顔の人がいた。
『爆豪くん、どうしたの?
やっぱり爆豪くんも怪我したの??』
私は小走りで爆豪くんに近づいて安否を確かめる。
「俺が怪我するわけねぇだろ!
お前、家に1人なんだから帰り危ねぇだろうが」
ヴィラン遭遇後だから、爆豪くんは気遣ってくれているのだろう。
『ありがとう…!』
「はやく行くぞ」
私たちは並んで帰路についた。