圧倒的、悪意
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そこには13号というスペースヒーローがいた。
災害救助でめざましい活躍をしているという。
「僕の個性はブラックホール。
どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」
「その個性でどんな災害からでも人を救い出すんですよね!」
デクくんが鼻息をあらげ、興奮したようにいう。
「しかし簡単に人を殺せる力です。
みんなの中にもそのような個性がいるでしょう」
そういうとワイワイとしていたみんなの雰囲気が一変する。
個性がヒーローらしい、ヴィランらしいというものは私はないと思っている。
使う人によって、活用する方法によって大きく左右されるものだと思う。
「君たちの力は人を傷つけるためにあるのではない。
助ける為にあるのだと心得て帰って下さいな」
そう言ってペコリとお辞儀をするとみんなが拍手をして、13号のスピーチにうんうんと頷き、称賛の声を上げる。
なんだか嫌な感じがして、ぶるっと体を震わせるが周りを見ても特に変わりがないようだった。
「そんじゃあまずは……
ひとかたまりになって動くな!!!!!
13号!生徒を守れ!!!」
横の手すりに腰掛けていた相澤先生は下を見つめ、私たちに大きな声で呼びかけた。
かなり本気な声と目から、訓練でないことはすぐに理解した。
「なんだありゃ!また入試ん時みたいなもう始まってるパターン?」
「動くな!あれは、ヴィランだ!!!」
私はその声を聞いて飴をくわえた。
ヴィランたちはボソボソと話しているが、なにを話しているかいまいち聞こえづらい。
「子どもを殺せば来るのかな?」
その声だけはしっかり私の耳に入ってきた。
それはしっかりとした悪意。
こんなに間近でヴィランと遭遇し、悪意を向けられているのは初めてだ。
両親のことがちらつき、手足が震える。
「先生!侵入者センサーは!?」
「もちろんありますが…」
校舎と離れた訓練場、そして少人数のクラスがいる時間割、反応しない侵入センサー。
これは……
『用意周到な奇襲だ……』
訓練の時とは違う、これは本番だ。
「13号!避難開始!
上鳴お前は個性で連絡を試せ!!」
「先生も戦うんですか!?
イレイザーヘッドの戦闘スタイルは的の個性を消してからの捕縛だ、正面戦闘は…」
「一芸だけではヒーローは務まらん
13号!任せたぞ!」
そういうと相澤先生がヴィランに突っ込んでいく。
その姿が両親と重なってしまい、胸がざわつく。