委員長決め
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優しいところあると思うんだけどなあ…。
でも今のは本当いじわるだ!
口直しでパスタをパクパク食べているとウゥー!と警報が鳴る。
「なんだ!?」
『何?警報?』
立ち上がってキョロキョロするとセキュリティ3が突破され、屋外に避難しろという放送が流れた。
すると生徒たちが一斉に出口に走って向かってくる。
その人の波に私は揉まれてしまう。
すると切島くんもたまたま流れてきて、向かい合わせになる。
『これはやばいね…』
「そうだな…皆さんストップ!
落ち着いて!ゆっくり!!」
切島くんが後ろにいる人たちに向かって手を上げてパニックを落ち着かせようとしている。
しかしそれも虚しく、人が押し寄せてくる。
踏ん張っていた私だったが、さすがに身長も小さいということもあって、踏ん張りが効かなくなり切島くんの胸元に飛び込んでしまう。
『切島く、ん!ごめん!踏ん張りきかな…い!』
後ろからの圧力が凄すぎて、ぎゅむぎゅむと切島くんに体を押し付けてしまう。
ピシャリと切島くんは固まってしまった。
「切島、そこ変わってくれ!!」
いつの間にか隣に流されてきた、上鳴くん。
『上鳴くん!大丈夫?』
「俺はなんとか!だけど切島が大丈夫じゃないな!」
切島くんは相変わらず固まっている。
『切島くん、大丈夫?』
制服をギュッと握ると、ハッとしたようにこちらを向く。
「だだだだだ大丈夫だぜ!!?」
語尾が裏返り、顔が真っ赤になってしまった切島くん。
切島くんが正気に戻ったかと思うと、横から人の流れがあり、また私は流されてしまった。
『ひええ…』
踏ん張っても意味がないと思い、そのまま流されていると腕を掴まれ、グッと引かれた。
ボフッと何かにあたり、何だ?と思って上を見ると爆豪くんだった。
『爆豪くん!ありがとう!』
「おめぇ、ヒーロー志望ならあれくらい流されんな」
ギンと鋭い目つきで私を見下げる爆豪くん。
『私も踏ん張ったんだけど、身長小さいからさすがに無理だった…。
助けてくれてありがとう!』
先程の場所より圧迫感はないが、こちらも人が多くて息がしにくくなる。
頑張って息をしていると、爆豪くんが私の手首を掴み、そのまま爆豪くんの背後に移動させられる。
爆豪くんの後ろに壁があったため、私の横に片手をついてスペースを作ってくれる。
『息しやすい…ありがとう爆豪くん!』
「目の前で失神なんざされても困るからな」
チッと顔を横に向ける爆豪くん。
何だか砂糖のような甘い匂いがする。
どこからだろう?
クンクンと嗅いで何が匂いの元なのか探る。
ふと横に伸びている爆豪くんの手を見つめて匂いを嗅ぐ。
「あ??お前なにしてやがんだ?」
『爆豪くんって何か香水つけてる?
飴みたいな美味しそうな匂いがする…』
何だろう?と思って爆豪くんの顔を見つめるとちげーわ!!!!と言ってバッと顔を逸らされてしまった。
その時、飯田くんが出口に張り付き、この騒ぎはマスコミのせいだと解明して、このパニックはおさまった。
チッと舌打ちして爆豪くんが去って行ってしまった。
「サナちゃーん!!!大丈夫だった!?」
上鳴くんが手を振って私の無事を確認しに来てくれる。
切島くんは相変わらず顔を真っ赤にしている。
『うん、爆豪くんが助けてくれて…』
「切島に爆豪もラッキースケベかー!
羨ましいわ!」
と瀬呂くんがボロボロになりながら合流した。
『ラッキースケベ…?』
とは何なんだろうか……。
「いやーそれにしても非常口飯田すごかったな!!!」
「非常口飯田て!!!!!」
ぶふ!っと笑っている瀬呂くんを隣にして、あの甘い匂いをまた嗅ぎたいと思っている私がいた。
あの後、警察が到着し、マスコミは撤退した。
あの時の飯田くんの行動により、デクくんは飯田くんを委員長に推薦し、飯田くんが立ち上がり挨拶をする。
私はデクくんの優しさと飯田くんの行動力に拍手をした。
放課後帰ろうと支度をしていると、テーブルに綺麗に畳まれた私のハンカチと、まだ開封していない飴玉がたくさん入ったの袋が置かれる。
顔を上げるとそこには爆豪くんがいた。
昨日のカレーのお礼とかだろうか?
ただ無言でこちらを見て、踵を返して教室から出て行こうとした爆豪くん。
私は嬉しさのあまり、カバンに飴玉を突っ込んで爆豪くんを追いかけた。
『爆豪くーん!一緒にかーえろ!』
「(え!!!サナちゃん、爆豪と急接近!?)」
「(さっきのラッキースケベでなんかあったんじゃねえーの?)」
「(ぶ!!!!)」
「(うわ!切島鼻血出てんぞ!!!)」