戦闘訓練
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『うん!完成!』
二皿カレーを盛り付け、小さいサラダも付ける。
テーブルにカレーを置き、爆豪くんにどうぞーと声をかける。
あ、これお兄ちゃんに送ったあげよと写真を一枚撮る。
音がした為、爆豪くんがなんだとこちらを見る。
『海外にいるお兄ちゃんに写真送ってあげようと思って!』
「アニキがいるんか」
椅子を引いて座る爆豪くん。
『そう、ヒーロースーツ作ってるんだよ』
私も向かい合わせの椅子に座って、いただきます!と手を合わせる。
爆豪くんも無言だが軽く手を合わせている。
『ん〜スパイスカレー久々、おいしい!
口に合う??』
「辛さ足んねぇ」
『え!!!!爆豪くんって、本当に辛党なんだね!?』
パクパクと食べ進めてくれている様子を見ると、不味いわけではないようで安心した。
「こんなん辛いって言わんわ」
ひょいひょい食べていくのは、流石男の子というべきか。
『あ、おかわりする??』
入れるよ、と席を立とうとすると、いいと手で制され、爆豪くんが席を立つ。
意外とお口に合ったんだろうか?
それともただお腹が空いていただけだったんだろうか?
『そんなにお腹減ってたの?』
「あ?訓練後に授業あんだから普通に腹減るだろ」
まあ、そうだよね。
私もかなりお腹すいていたし。
でも…と爆豪くんが口を開く。
「味は悪くねぇ」
『良かったぁ!
スパイスカレーって多めに作った方が味が美味しくなるからお兄ちゃんいる時に作りたいんだけど、お兄ちゃんスパイスカレー苦手でね…
私が作ったものは無理に食べようとするから、なかなか作れなくてね…私1人の時に大量に作るのもさ〜』
軽い愚痴のようにぽろっと口からこぼすと、爆豪くんは興味がなさそうな顔をしている。
『ごちそうさまでした!』
すると爆豪くんは立ち上がって、食器を流しに持っていこうとするので私が慌てて取り上げる。
『爆豪くんはお客様!
お呼ばれしている身なんだから、ソファでゆっくりしていてください!!』
グイグイとソファまで押すと、仕方がなさそうに爆豪くんはソファに座った。
爆豪くんは、意外と気遣い屋さんと…。
意外な一面を今日だけで沢山見ている気がする。
私は歌いながら食器を洗っていく。
食器を全て洗い終わって、時計を見ると19時を過ぎたところだった。
あ、爆豪くんの親御さんもご飯作って待っているかも…。
悪いことしちゃったかな…。
『爆豪くーん、時間遅くなってきたよー
ん?』
ソファを後ろから覗き込むと反応がない。
なんだろうと思い、ソファの前に座る。
目を閉じて軽いうたた寝をしているようだった。
お腹いっぱいで眠くなっちゃったのかな?
疲れているだろうし、寝かせてあげた方がいいかな?
でも親御さんもご飯作って待ってるかもしれないし…。
うーんうーんと悩んでいると、爆豪くんの眉間にシワが寄った。
『あ!爆豪くん起きた?
もうそろそろいい時間なんだけど、親御さんご飯作って待ってるかと思うんだけど…』
「うっせぇ…いいからもう少し寝かせろ。
………あと、さっきのもっかい歌え」
眉間にシワを寄せたまま、爆豪くんは答える。
さっきの…??
あ、洗い物の時のかな…?
小さく歌い始めると、だんだんと眉間に刻まれたのシワがなくなり、小さい寝息が聞こえる。
少しってどれくらい寝るんですかね?
私の喉を酷使させるっていう魂胆でしょうか…?
いつ起こせばいいのか、歌をいつやめていいのか分からず、これで合っているのか?と思いながら歌い続ける。
爆豪くんのシワが刻まれていないのは大丈夫な証拠だと思い、そのままゆったりと歌い続ける。
かと言ってそれ以上何もすることがないので、私は歌いながら爆豪くんを観察する。
爆豪くんっていつも目がつり上がっていたり、眉間にシワが刻まれているから分かりにくいけど、整った顔してるんだなあ。
髪の毛も爆破の個性みたく、ツンツンだけど硬いのかな?
凄い気になってしまい、うずうずする手を抑えられなく、衝動のまま爆豪くんの髪を触ってしまった。
え!!!!衝撃!!!!
こんなにツンツンと硬そうな髪なのに、触ってみるとサラサラふわふわなのだ。
凄い不思議だ…と思いながらふわふわ優しく触れたり、サラサラと指を通したりする。
すると手首をバッと掴まれ、びっくりする。
「人の寝込みを襲うなんていい度胸してんじゃねぇか」
『襲ったりなんてしてません!
髪の毛ツンツンしてるから、どんな感触なんだろーな?って思っただけで…!』
あん?と爆豪くんはニヤりと悪い顔をしている。
すると爆豪くんの携帯が鳴り始める。
この長さからして電話のようだ。
チッと舌打ちして、爆豪くんが携帯を開く。
「勝己ー!!!!!!!!!アンタ連絡なしにどこいんのよーー!!!!!何時に帰ってくんのか連絡してって、メール何度もしたでしょうがーー!!!!!」
爆豪くんが携帯から耳を離しているため、部屋全体に音声が響き渡る。
す、凄い大きい声。
「うっせー!!!!ババアー!!!!!!
もう帰るわ!!!!!!!何度もメールしつこいんだわ!!!クソが!!!!」
捨て台詞を吐くとブチッと電源ボタンを押して通話を終了した爆豪くん。
『爆豪くんのお母さんってパワフルだね…』
度肝を抜かれてしまった。
爆豪くんはお母さん似なのかな…?
「チッ…お前携帯よこせ」
『え、私の携帯を人質にするとか?
やめて、私爆豪くんが泣いたとか言いふらすこと絶対しないから!』
それだけは勘弁して!とお願いすると爆豪くんがワナワナ震えていた。
「だから泣いてねぇわ!クソが!……ほらよ」
ぽーいと投げられた携帯を見ると爆豪勝己と登録されていた。
メッセージアプリにも赤い表記があり、友達追加されたようだ。
『これって!!!』
「オメェがカレー食いたいと思ったら、作れ。
辛ェやつなら食ってやってもいい」
嬉しい気持ちでいっぱいになって満面の笑みを浮かべる。
『やったー!!!嬉しい!!
また一緒にカレー食べよーね!!
お母さん心配してるよね、こんな時間までありがとうね!』
爆豪くんは自分のカバンを肩にかけて玄関に向かう。
駅まで送ると言ったら、いらんわと言われてしまった。
『じゃあ、また来てね!
おやすみなさい!』
エレベーターが来て、バイバイ!と手を振る。
「おう」
たったそれだけの返事。
手も振り返してくれない、でも今日のこの数時間には彼の優しさが沢山詰まっていた気がする。
胸がいっぱいだ!
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[サナちゃんの愛しいお兄ちゃんだよ]カレー美味しそうだね!!お兄ちゃんもサナちゃんの手料理食べたすぎて干からびる…。
てか向かいにお皿あるけど、誰なの??友達?だよね?お兄ちゃんの食器セット使うって事は男???そんなわけないか、お兄ちゃんの考えすぎだよね?
[白雪サナ]でもこれお兄ちゃんの苦手なスパイスカレーだよ?
同じクラスで、今日お友達になった爆豪くんだよ。男の子だよ。
あとお兄ちゃんアプリの名前変えた方がいいよ?職場の人とかビジネス関係の人にも見られてるって思うとこっちが恥ずかしいよ…
[サナちゃんの愛しいお兄ちゃんだよ]男…????!男は全員狼だから!!!!お兄ちゃん以外の男には半径2メートルの距離あけて接してってあれほど言ってるのに!!!!
俺は名前全然恥ずかしくないから!!
[白雪サナ]爆豪くんは心根の優しい良い子だよ。
知りもしないくせに、そうやってお友達を否定しないで。
[サナちゃんの愛しいお兄ちゃんだよ]不在着信
[サナちゃんの愛しいお兄ちゃんだよ]不在着信
[サナちゃんの愛しいお兄ちゃんだよ]不在着信
[サナちゃんの愛しいお兄ちゃんだよ]サナちゃんごめん…お兄ちゃんがわるかったです…駄目な兄をゆるして…サナちゃんが天使的に可愛いから365日心配してるんだよ…
[白雪サナ]分かった、許すね。私そろそろ寝るね。明日もお仕事頑張ってね、おやすみ。
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