戦闘訓練
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
静かになったかな?とそろりと扉を開けるとデクくんが立ち尽くしていた。
『デクくん!今日はかっこよかったよ!
また明日ね!明日まだ腕痛いようだったら治癒するから!』
「ふあ!?!!白雪さんんん!!
ま、またね!?!」
私は言い捨てのように走り去って言った為、びっくりしていたのだろう。
『爆豪くん!待って!
あ、オールマイト先生、さようなら!』
爆豪くんの姿を捉え、こちらに歩いてくるオールマイトに挨拶をする。
「少年少女の青春って素晴らしいな!!」
とオールマイトは静かにグッジョブサインを掲げた。
『爆豪くん』
「……んだよ」
はい、とハンカチを差し出す。
「んなもんいらん」
軽くはたかれ、拒否されたので腕を組んで爆豪くんの目の前に立ち、優しく目元を拭う。
「なにすんだよ、クソが…!」
はたかれそうになったが、それをパシっと止める。
『無理やり止めるのは体に悪いんだよ。
流れるものは流れるし、無理やり止めたものはどこか自分の悪いものになってしまうの。
私見ないから、誰にも言わないし。
だから知っているのはこのハンカチだけだよ、貸してあげる』
小さく微笑んで、無理やりハンカチを爆豪くんの手に握らせ、前を向いてゆっくりと歩き出す。
お節介上等だよ。
爆豪くんは嫌なことは嫌だと態度でも言葉でも示す人間だ。
だからこんなことをされて嫌だったらはっきりと拒絶するはずだ。
どうやら大丈夫みたいだ。
五分ほど何も喋らず、ただ2人で歩くという時間が流れる。
時々聞こえるのは微かな水音、鼻をすする音。
それはとても素敵な音だ。
成長することができる、素敵なチャンスの音。
泣くことは決して悪いことなんかじゃない。
悪いものを出さないと、心のダムは決壊し、体まで蝕んでしまう。
私は安らぎを感じて欲しいと思い、小さく歌を紡ぐ。
何分か歌った所で、おい、と後ろから声がかかる。
「個性使って俺のご機嫌取ろうとすんのはやめろ」
『え、私今個性使っていないはずなんだけど…』
振り返ると、は?というような何とも言いがたい表情の爆豪くんがいた。
「んだそれ…」
そういうと爆豪くんはかなり早歩きを始めた為、ガシッと腕を掴んだ。
『今の歌は爆豪くんに少しでも安らぎとかを感じて欲しいなって気持ちを込めて歌ったんだけど、どう感じたの?ねえ!教えて?』
興味津々と言った表情で爆豪くんの腕を押さえつける私に爆豪くんは苦虫を潰したような顔をしていた。
「ぜってぇ教えんわ!つか、手ェはなしやがれ…」
『あ、ねえ爆豪くん。
食べ物だったら何が好き?』
「あ???」
答えたら離してくれんのかという顔をする爆豪くん。
「……辛いモン」
『分かった!今夜はスパイスたっぷりカレーをご馳走するから我が家に来て!』
もうすぐ駅だというところだったがルートを変え、私の家に向かう。
「は!?何なんだよ、おめぇはよ!!」
『良いから良いから!
戦闘訓練でお腹すいたでしょ?あと泣いた後にはお腹いっぱいご飯食べないと!』
「泣いてねぇわ!!!」
ぎゃーぎゃー騒ぐ、爆豪くんの腕をしっかりと掴み私の家まで連れて来た。
『やっと大人しくなったね』
「オメェが離さねぇからな」
流石にマンション内で騒ぐというのは迷惑行為として爆豪くんの中にあるらしい。
これをいうとまたキレられそうだ。