戦闘訓練
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場所を移して第二戦目。
私と尾白くんと透ちゃんのIグループだ。
私たちはヴィラン側、中に核をセッティングするところからのスタートだ。
みんなで個性の把握と軽い作戦会議をする。
『透ちゃんの個性は透明化で、尾白くんは攻撃防御に活用できる尻尾か…
そうしたら伏兵として透ちゃんはここの部屋に隠れて…あとは、核を守る要役と上がってきたヒーローを拘束と報告する役が必要かな』
「白雪さんの個性は歌なんだっけ?」
『そう、身体強化とか対象に触れて治癒とか…』
私の個性を説明していると、実技試験の時ギミックを動かさなくさせたことを思い出した。
『あと成功するか分からないけど、対象を停止させることができるかも…』
「凄い!そうしたら白雪ちゃんは核手前の三階廊下か階段辺りにいてもらった方がいいかな?」
核は4階の北側広間に設置した。
『そうだね、轟くんとあの大きい…障子くん?を見つけ次第、拘束。
無線で状況報告かな』
「私ちょっと本気出すわ!!
手袋もブーツも脱ぐわ!」
そう言って手袋とブーツを脱ぐ透ちゃん。
透ちゃんの個性は透明化の為、衣服を身につけていない。
つまりは……。
「『……うん。』」
なんとも言えない表情をして、尾白くんと顔を見合わせた。
『こちら3階特に異常なし』
《こちら核フロア、異常なし》
透ちゃんは声を出すと敵に位置がバレる為、基本は尾白くんとの通信になる。
私は飴を舐め、身体強化の歌をかなり歌ったので準備は万端だ。
ヘッドセットはどうやら歌にしか反応しないようで、歌を歌うとベルトのスピーカーで流れるようだった。
無線で話している声も拡声されないのは、とてもありがたい…
しかし、あの大きい障子くんの個性がイマイチ分からない。
体力テストの握力でかなりの数値を叩き出していたところを見ると、力がかなり強いようだ。
腕を複数持っているというパワー系の個性?
轟くんはコスチュームの通り、氷系の個性だろうか。
どれくらいの氷を作れるのか分からないが、強個性には変わりがないので、用心するべきだ。
廊下を見回って見ていると、目の前にネズミがおり、何やら不思議な動きをしていた。
何かに怯えている…?
おかしいと思い、周囲を警戒すると一気に空気が冷えるのを感じる。
く!!!足元!
思わずジャンプするとみるみるうちに、床も壁も全てが凍りついた。
『こちら3階フロア、全体凍りついた!
私は回避できたけど、2人とも無事??!』
《ごめん、白雪さん。
足まで凍っちゃってる…抜けるかもしれないけど、満足に戦えなさそうだ…
葉隠さんも返事がないけど、凍っちゃっているみたい…》
凄く落胆している尾白くんの声が届き、周りを見渡す。
上も凍りついたってことね…、クラスメイトの個性の威力を把握していない、この状況でいわゆる初見殺しプレー。
知っていても避けられたか、避けた後が大変だなあ…。
ビル全部を凍りつかせるということはかなりの個性の力だ、勿論これが全力というわけではないだろう。
すると階段を上ってくる音が聞こえる。
一階、二階とスルーしてくるということは探索系の能力があるということだろう。
『多分、障子くんには探索能力があると思う。
この様子だと人の配置からして核の場所もバレてるんじゃないかな、これから戦闘に入るから通信できないと思う』
一方的に尾白くんと透ちゃんに状況を伝え、確保テープの準備をする。
戦闘で負かすのは、轟くんであれ障子くんも厳しいと思う。
だから私は一瞬の隙をついて、確保するしかない。
あの個性が成功しますように…。
ザッという足音と共に轟くんが現れた。
「お前…」
まさかあの個性で動けたものがいるなんて、思ってもいなかったのだろう。
探索系の能力がいるということで、隠れて奇襲を仕掛けることは無理だと考えた。
なので、真正面から仕掛けることに決めた。
とりあえず、触られちゃダメだ。
きっとすぐに凍らされてしまう。
集中するんだ!と短くふーっと息を吐く。
轟くんが驚きを見せている、この僅かな間に攻撃を仕掛ける。
轟くんの後ろは階段だ、まずは落とす!!!
私はカンフーの構えから一気に間合いを詰め、右足で足払いをする。
轟くんはそれをひょいと避けるがそれが狙いだ。
下段で足払いをした足をそのまま遠心力を利用して上段に切り替え、つまり轟くんの頭を狙い、見事にヒットする。
きっとこれは私を甘く見ていた為、ヒットしたものだと思う。
しかし、そのまま後ろに倒れてくれるかと思いきや、バック転で階段の踊り場に着地しようとしている。
させるか!!!
私はそのまま勢いをつけ、かかと落としをくらわそうとするが、何か嫌な感じを察して、階段の端に手をかけ方向転換する。
案の定、轟くんは大きい氷柱を私にめがけて発動してきた。
『こわ、氷漬けにされるところだった』
「時間の無駄だぞ、どのみちお前だけで何ができるんだ」
また掌を向けてきて個性を発動しようとする轟くん。
『そんなの!やってみないと分からないよ!!』
プルスウルトラだ!!!
私は方向転換をしながら轟くんへ向かって跳ぶ。
その間に止まれ!と念じながら歌う。
ベルトのスピーカーから歌が流れる。
どうだ!?!
轟くんは驚いたような表情をしていた、私は馬乗りになることに成功し、捕獲テープをすぐ取り出す。
ウェストを測る時みたいにテープを轟くんの背中に通そうとしたその時、私の手首が冷たくなった。
それとほぼ同時に「核確保〜!!!ヒーローチームWIN!!!」という放送が流れた。