戦闘訓練
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「わーたーしーがー!普通にドアから来た!!」
HAHAHA!と笑いながらオールマイトが教室へ入ってくる。
さすがナンバーワンヒーロー、体つきもオーラも完全にスーパーヒーローそのものだ。
教室内もガヤガヤと賑やかになる。
無理もない、ヒーローを志す人にとってオールマイトは実在する伝説のような存在なのだ。
私のナンバーワンヒーローは両親であったが、勿論オールマイトも小さい頃からカッコいいと思っていたので、目の前にして心が高鳴る。
「ヒーロー基礎学はヒーローの素地を作るために様々な訓練を行う課目だ!!
今日はこれ!戦闘訓練!!!」
オールマイトがBATTLEとかかれたプレートを私たちに見せ、みんな気合いが入った顔付きになった。
「そして…コレ!
入学前に送ってもらった個性届けと要望に沿ってあつらえた…コスチューム!!」
教室前の壁がずるずると動き、そこには番号が振り分けられたコスチュームが並べられていた。
おおお!と、はやる気持ちを抑えきれずに、思わず立ち上がってしまう。
「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ!!」
そうオールマイトが言うと、はーい!!!と良い返事をしてみんな立ち上がり、各々のコスチュームを取り出す。
『私のコスチュームは…これか』
手にコスチュームを持ち、着替えるために更衣室に向かった。
このコスチュームは被服控除というシステムで作られた。
入学前に個性届けと身体情報を提出すると学校専属のサポート会社がコスチュームを用意してくれるという素晴らしい物だ。
私の兄もヒーローコスチュームを作っているが、兄がデザインし製造も殆ど携わっている為、完全オリジナルブランドでお値段もかなり高い。
しかも海外のヒーローも御用達の為、ネームが結構売れているという…。
私のコスチュームも作る作ると駄々をこねてうるさかったが、仕事の方に集中してほしいときっぱり断った。
ロッカーの中にブレザーをかけて、コスチュームの箱を開ける。
『え…なにこれ……?』
首元の襟の下には水色に下の方に白のラインが一本入ったショートタイ、大きく空いた胸元部分、袖口近くにベルトが二本ついているシフォンの半袖パフスリーブ、ふわふわとした太ももあたりまでのスカート、下着を見せない為の白のペチコート、白の編み上げブーツ、イヤホンタイプの黒のヘッドセット、簡易スピーカーがついたベルトに、武器や飴などが入れられる肩掛けのショルダーバック。
いわゆる、アイドルの衣装のようなものが箱の中には入っていた。
私が要望したどおりのものは、水色基調、個性を拡張できる道具、小物や武器が入るバッグくらいだ。
動きやすいという要望は却下されてしまったの??
コスチュームを両手で持ち呆然としていると、動きやすそうなカッコいいコスチュームを着た響香ちゃんがひょこっと顔を出す。
「うわ!アイドルみたいなコスチュームだね!
これってサナが要望したの?」
『ううん、なんだか違う人のを持ってきちゃったのかなってくらい想像と違った…
要望を詳しく書かなかったからかな…』
恥ずかしいなあと思って、コスチュームに顔を埋めてしまう。
「私も要望しっかり書かなかったせいで、パツパツスーツんなったよ…」
隣から話しかけられて見ると、そこには可愛らしいボブヘアーの女の子がいた。
『凄い可愛くて似合ってるけど…!
あ、私白雪サナ!あなたは?』
「そうかな…ありがとう…!
あ、そういえば名前言ってなかった!
麗日お茶子って言うんよ!よろしく!」
照れながら挨拶をしてくれたお茶子ちゃんはとても可愛らしかった。
『お茶子ちゃんね、よろしく!
いや、でもこれはちょっと恥ずかしすぎるね…』
話をしながらコスチュームを着てみたけれど、かなり恥ずかしい。
「サナちゃん本当のアイドルみたい!
めっちゃかわええー!」
お茶子ちゃんが騒ぐとみんなが何々?と集まってくる。
『みんなあまり見ないで…視線がいたたまれない…』
誰も見ないでくださいと、響香ちゃんの後ろに隠れる。
「えー!めちゃくちゃ可愛いのに〜!
アタシ、芦戸三奈!よろしくー!」
「私、葉隠透!サナちゃんめっちゃ可愛いね!」
「私、蛙吹梅雨、梅雨ちゃんと呼んで」
クラスメイトの女の子たちが次々と自己紹介してくれる。
『私、白雪サナ!よろしくね!
でも、このコスチュームは本当恥ずかしいよ…褒めてくれてありがとう…』
褒めてもらって嬉しいものの、羞恥心が勝ってしまい気分がどうも上がらない。
「あら、サナさんとっても可愛らしいコスチュームじゃないですか!」
ロッカーで隠れていて百ちゃんのコスチュームはよく見えていなかったが、着替え終わったようで私の隣に立った為、今はよく見ることができる。
百ちゃんのナイスバディが惜しみなく表現されているコスチュームだった。
「ヤオモモのコスチューム、すっご!!!!!!
あんた本当に高1!?!」
前にいた響香ちゃんが振り返り、百ちゃんのコスチュームを見て驚く。
「は、発育の暴力…」
「凄すぎる…」
みんな口々に呟いて、口をあんぐり開けてしまっている。
『胸元から個性の出現をさせるから、そんな感じのコスチュームなんだね…
それにしても、セクシーすぎてこっちが恥ずかしい…』
私の大きくあいた胸元が全然あいていないように見えてしまうから、これまた不思議だ。
「そんなこと気にしませんわ!
コスチュームは自分の個性が一番引き出せるように、サポート会社の方が作ってくれていますのよ!」
「それはそうだけど、そこまで行くとちょっとサポート会社の陰謀を感じるよ…」
バーン、と胸に手を当てて堂々と立つ百ちゃんを見ていたら、私のコスチュームはまだ全然平気だなと思えてきてしまっていた。
「あ!ねえちょっとみんなで写真撮らない!?」
そう言って三奈ちゃんが携帯を取り出す。
「記念だしいいね!パパッと撮って早くグラウンド向かおう!」
鏡の前にみんな入るように並んで、私と梅雨ちゃんと透ちゃんと響香ちゃんは少し中腰になる。
「はい、チーズ!
…いい感じに撮れた!授業終わったらみんな連絡先教えて!1-A女子のグループ作成しようよ!」
「いいね!それ!大歓迎!」
みんな最終準備をして、駆け足でグラウンドβに向かった。