体力テスト
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残りの種目も無事に終わり、ついに結果発表の時が来た。
私の順位は多分、中盤あたりだろうか…。
自己評価的には中間あたりにいるような感触だが、全員のテストの様子を見たわけではないのでいまいち確信が持てない。
「ちなみに除籍はウソな。
君らのやる気を最大限に引き出す、合理的虚偽」
そう言ってニヤっと相澤先生は笑った。
空気が一瞬で固まり、はぁー!!!?っとみんなが騒ぎ出す。
「あんなのウソに決まっているじゃない…
ちょっと考えれば分かりますわ」
そう百ちゃんは呆れ顔で言った。
いや…あの時の顔は本気だったと思うんだけど…。
私はうーん、と唸りながら相澤先生を見つめていた。
ちなみに私の順位は9位だった。
まずまずといったところ…。
私の本気を見せるためには、もっと上を目指さないとなあ…。
うし、頑張ろ!と掌を強く握りしめた。
今日は初日で緊張していたのもあって疲れたなあ…。
自分の下駄箱からローファーを取り出し、履いて爪先を鳴らす。
「あ!白雪ちゃん!帰んの?」
横から話しかけられ、そちらを向くと上鳴くんと赤い髪の男のがいた。
『うん、帰るよ〜上鳴くん。
あなたは同じクラスだよね?私白雪サナ、宜しくね!』
「俺、切島鋭児郎!宜しくな!」
ニッと人懐っこい笑顔を浮かべた切島くん。
『宜しくね〜!』
「なあなあ、せっかくだし駅まで一緒に帰ろうぜ!」
私の隣にローファーを落として上鳴くんが並ぶ。
『いいよ〜!帰ろ〜』
切島くんも靴を履いて、3人で歩きだした。
『2人の個性って何なのー?
今日の体力テストで個性の活用って結構できた?』
「俺は帯電!今回、全然活用できないから順位も悪かった…」
「俺は硬化だぜ!俺も今回はそんなに個性をガッツリは使わなかったな」
上鳴くんはバチバチっと電気を発電させ、切島くんは右手をジャキンと硬化させながら答えてくれる。
『2人とも良い個性だね!
でも電気を体に流すと、普段動かせていない固まってる筋肉を動かすことができるっていうし、少なからず活用はできているのかもね?
硬化は確かに今回あまり使うことなかったと思うけど、対人は強そうだね…!
切島くん、確か私の一個上の順位だったし、普段から凄く身体鍛えてるんだね!』
思ったことを伝えると驚いたような顔をする2人。
「白雪ちゃんってただテスト受けるだけじゃなくて、ちゃんと観察とか考察していて、すごいな!」
「俺も頭で考えんのとか苦手だから、そういうのすげぇと思う!!
白雪の個性ってなんだ?」
何だかそんな良い反応を貰えると思っていなかったので、こちらがびっくりしてしまう。
『みんなの個性が凄くて色々考えちゃうだけだよ〜!
私の個性は歌だよ!今回は身体強化の歌をメインで活用したの』
「へぇ〜!歌っていう個性はいいな!」
個性の話をメインに駅までの道を歩く私たち。
『切島くんって凄い鍛えてると思うんだけど、オススメの筋トレメニューとかないかな?
もっと鍛えたくて…』
「おお!俺で良ければ教えるぜ!!!」
『いいの?じゃあメモするね』
今回の体力テストで本格的に体を鍛えたいと思った私は、かなり鍛えていると思った切島くんにオススメの筋トレメニューを聞く。
「てか連絡先交換して、教えれば良くね??
白雪ちゃん、連絡先教えてよ!」
「まあ確かにそれもそうだな!」
上鳴くんが携帯を振って見せる。
『そうだね!そしたら、これ私の連絡先』
携帯を操作して、メッセージアプリの交換コードを表示させる。
2人と連絡先を交換したところでちょうど駅に着く。
「お、あっという間に着いたな。
白雪ちゃんってどこ住んでんの?」
『あ、私電車乗らないんだ。
駅を越えた方に住んでるの!』
改札の前で定期を探す2人はバッと私を見つめた。
「ええ!!!!めっちゃいいじゃん!!」
「通学超楽じゃねぇか…羨ましいぜ!」
『確かに通学は楽だね〜
ほぼ一人暮らしみたいなものだから、気軽に遊び来てね!』
兄も全然帰ってこないので、実質一人暮らしなんじゃないかと思う。
「「ええ!!!!!?」」
『どしたの?
あ、嫌なら全然!無理にではないからね!』
駅に声が響いてしまうくらい、2人は大きな声をあげた。
さすがに今日初めて会った人に、遊びに来てって言ったのは冗談でも駄目だったかな。
「いや、全然嫌とかじゃないんだけど!!…むしろ行きたすぎるんだけど…」
「俺、心配になるわ…」
ぶんぶんぶんと顔の前で手を振る上鳴くんに、頭を抱えている切島くん。
『うーん、よく分からないけど…
全然うちはウェルカムだからね!それじゃあ、2人ともまた明日!』
2人をいつまでも改札前で拘束するのも申し訳ないので私から手を振り、送り出す。
「また明日!」
と2人はホームに向かって歩きだした。
「(白雪って無自覚に凄いこと言うな…
あれはかなり心配になるレベルだな…)」
「(それな…白雪ちゃん、可愛いから心配だわ…)」