体力テスト
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握力、立ち幅跳び、反復横跳び、と4種目まで終了した。
うん、まずまずかなあ…。
全て数値は高めの記録を出せていると思う。
普通の高校だと私の記録は多分トップレベルだろうが、ここはヒーロー科だ。
みんな自分の個性を生かし、大記録を出している。
このテストでは、身体強化をするくらいしか個性の使い道がない。
となると、やっぱり普段の身体能力も高める必要があるなあ。
掌を握り締め、日々の筋トレを頑張ろうと決意した。
次の種目はボール投げになり、ボブカットの女の子が無限という数値を叩き出した。
『無限かあ、すごい…』
個性は触れた物を浮遊させる?重力操作?とかなのかな。
「すっげぇよな、無限って…。
俺全然、高い数字だしてないよ、やばい…」
『あ、上鳴くん。
私も一個も大記録出してないよ…』
彼方までふわふわと飛んでいくボールを見つめながら、遠い目をしている上鳴くん。
「いや、白雪ちゃん、凄かったって!
俺より全然良い数値取ってんじゃん!」
『うーん、でもさすがヒーロー科って感じだよね。
私もっと筋トレしようと思った!』
入学初日からこんなに刺激的なことになるとは思わなかった。
腕を組み、やる気に満ち溢れた表情をする私。
「白雪ちゃん、そんな細いのにどこに筋肉ついてんの…?」
『え!ひどい!
これでも結構鍛えてるんだよ?』
触る?と腕を差し出すと上鳴くんがピシャリと固まってしまった。
『あれ、大丈夫??』
おーい、と上鳴くんの顔の前で手を振り、意識を戻そうとすると周りがザワザワし始めたので、何が起きたのかと前を見つめる。
「抹消ヒーロー
イレイザー・ヘッド!」
視ただけで人の個性を抹消できる個性らしい。
目を酷使すら能力だからあんなに目が血走っていたのかな…、お兄ちゃんが徹夜した時みたいだったもん…。
と思って観察していると相澤先生は目薬をさしていた。
うーん、やっぱり…。
お兄ちゃんの姿と重なってしまい、今度先生にアイマスクでもプレゼントしようかなと考えていた。
少し場違いなことを考えてしまっていたが、何やら今テストをしている男の子と相澤先生の様子がおかしい。
斜め前にいた爆豪くんが、除籍宣告だろ、と言う。
あの子が今最下位なのかな…?
確かに種目で目立った感じはなかったから、個性が分からなかったけど…。
でも私はこれから何かが起こりそうな気がして、一歩前に出て男の子をじっと見つめる。
先程は40m程度の数値だったかと思うが、2投目は700m近く飛んだ。
すっごい…!!!
でも…、負担が大きい個性…?
痛そうに右腕を押さえており、観察すると指が腫れ上がっていた。
右にいた爆豪くんがプルプルと震え出し、何だ?と思って右を向くと、テストをしていた男の子に走り出した。
「どーいうことだ!!コラ!ワケを言えデク!てめぇ!!」
デクくん、っていうんだ〜、あの子。
爆豪くんがデクくんに突っ込んでいく様子を見つめていると、相澤先生が布のようなものを使って爆豪くんを拘束する。
「炭素繊維に特殊合金の鋼線を編み込んだ
捕縛武器だ。
何度も個性を使わせるな、俺はドライアイなんだ」
ドライアイ…!そういえばお兄ちゃんもドライアイだって言ってたな、今度何が効くのか聞いてみよう…。
相澤先生が個性を解くと、髪がぶわっと元に戻る。
個性を使っている間は髪が逆立つようだ。
これって隠さないと個性を使っている瞬間って事が分かるってことだよね…。
こういうのも考慮してヒーロースーツを考えたりする人もいるんだろうなあ。
考えることって勉強になるな〜!
相澤先生を見つめ、色々考えていると、痛そうな顔をしながらデクくんが前から歩いてきた。