第四話『助けられました』
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◆
クロが目覚める数日前のことである。御殿にキュウゾウとヒョーゴが帰って来たとかむろ衆から知らせを受けたテッサイは二人を出迎えた。そこでキュウゾウが抱えていたクロを受け取った。
「ご苦労だった。しばし休まれよ。御前には伝えておく」
そう言い残してテッサイはウキョウの下へとクロを運ぶために担架に乗せ、かむろ衆へ行けと命じようとしたとしたところで背後に刺さる視線を感じ、振り返った。
キュウゾウがじっとこちらを見ていた。
「どうされた、キュウゾウ殿?」
「連れていくのか」
「無論。若の命令、だからな」
「………………」
ウキョウの命と言われてもキュウゾウは横たわるクロから目を離そうとしなかった。
監視担当のかむろ衆から彼はクロと斬り合いをしていたと聞いていた。その途中に割り込んだ形で捕縛したのだと。
驚くことに二刀流の強き剣士であるキュウゾウの刀二本のうち、一本を彼女に折られたのだとも。愛刀である刀をやられるなど、ましてや折った相手は女だ。悔しくないわけはない。
彼女がまだ生きているのならば剣士として再戦を望む彼の気持ちもサムライであるテッサイには分からないわけではないのだ。
しかし自分等はアキンドに拾われたサムライだ。主君に仕え、主君のために動くのが道理である。
「もうアイツは若の女になる運命だ。諦めろ」
「………………」
ヒョーゴに諭され、黙ったままのキュウゾウを尻目にテッサイはウキョウの下へと向かった。
クロが目覚める数日前のことである。御殿にキュウゾウとヒョーゴが帰って来たとかむろ衆から知らせを受けたテッサイは二人を出迎えた。そこでキュウゾウが抱えていたクロを受け取った。
「ご苦労だった。しばし休まれよ。御前には伝えておく」
そう言い残してテッサイはウキョウの下へとクロを運ぶために担架に乗せ、かむろ衆へ行けと命じようとしたとしたところで背後に刺さる視線を感じ、振り返った。
キュウゾウがじっとこちらを見ていた。
「どうされた、キュウゾウ殿?」
「連れていくのか」
「無論。若の命令、だからな」
「………………」
ウキョウの命と言われてもキュウゾウは横たわるクロから目を離そうとしなかった。
監視担当のかむろ衆から彼はクロと斬り合いをしていたと聞いていた。その途中に割り込んだ形で捕縛したのだと。
驚くことに二刀流の強き剣士であるキュウゾウの刀二本のうち、一本を彼女に折られたのだとも。愛刀である刀をやられるなど、ましてや折った相手は女だ。悔しくないわけはない。
彼女がまだ生きているのならば剣士として再戦を望む彼の気持ちもサムライであるテッサイには分からないわけではないのだ。
しかし自分等はアキンドに拾われたサムライだ。主君に仕え、主君のために動くのが道理である。
「もうアイツは若の女になる運命だ。諦めろ」
「………………」
ヒョーゴに諭され、黙ったままのキュウゾウを尻目にテッサイはウキョウの下へと向かった。