第二話『狙われました』
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
◆
「見つけたぞ!」
大声が響き、歩く人々がそちらを見れば、ひょっとこの仮面を付け腰に刀を差した男が走り寄ってきてクロを指さした。
「失礼ですが、どちら様でしょうか?」
『ウキョウの命で捕まえにきた』という男達からの襲撃を受けて以来、退けてはまた襲われるといったことが連日続くようになった。
今も第三層にて宿泊先の主であるアキンドから自身で行けばよいのに何故か急な買い出しを頼まれて渡されたリストをもとに買い物をしているところである。彼らはどんな状況でも見境なく襲ってくるのだ。
怪訝な顔をした店主から品物を受け取ったクロは『こいつ知り合い?』と聞かれるも『知りません』と首を振った。
「ウキョウ様の命令だ。来てもらおうか」
「またウキョウ様ですか。しつこいですね」
ウキョウという名前を聞いた瞬間、店主は事の状況を察しクロへ同情の目を向けた。
「うわあ。災難だな……アンタ」
「もうコレが、何回目か忘れるほどです」
「ご愁傷さまだ」
『助けてやれないが、持っていけ』と店主におまけを渡された。ありがとうございます、と一礼し、受け取るクロにひょっとこ面の男は無視をするな!と両手を上げて憤っていた。
「全く追うこっちの身にもなってくれよ。何度も何度も何度も言うが、そろそろ諦めたらどうだ」
「お断りします。むしろ」
そちらが諦めてください、と突っぱねるとその場で高く跳躍し、人混みを軽々と飛び越え、すかさず雑踏の中に紛れていった。
「おお、すげえな」
「大道芸人かな?」
「くっそ、猿かアイツは!?」
『待ちやがれ!クソアマ!』と後ろの方から罵詈雑言を浴びせられたが、当然それを無視して人混みをすいすいとすり抜け下層へと向かった。
宛のない放浪の旅にて(クロが自覚していないだけのときもあるが)見に覚えのない罪で追われたり、クロの戦いを見て勝負を挑んできたりなどで戦闘になることは少なくはなかったが『お前を欲しい』という理由だけでこれほど頻繁に襲われるようになるのは初めてだった。
一体己のどこに執着する要素があるのかと考えたがすぐにどうでもいいことだと思考を打ち消す。狙われる身になったことは間違いない。
こう危険となればと虹雅渓に滞在するのもそろそろ潮時なのかもしれないとクロは思った。ここで出てまた別の、アキンドが作った街へ行こう。
そのためにも、今大事なのは捕まらないように身を潜め、虹雅渓から出ることだ。
容姿を隠すために路地裏に捨ててあったローブを身にまとい、物乞い達に紛れ、時折場所を変えては追ってくるサイボーグやサムライくずれをやり過ごした。
「見つけたぞ!」
大声が響き、歩く人々がそちらを見れば、ひょっとこの仮面を付け腰に刀を差した男が走り寄ってきてクロを指さした。
「失礼ですが、どちら様でしょうか?」
『ウキョウの命で捕まえにきた』という男達からの襲撃を受けて以来、退けてはまた襲われるといったことが連日続くようになった。
今も第三層にて宿泊先の主であるアキンドから自身で行けばよいのに何故か急な買い出しを頼まれて渡されたリストをもとに買い物をしているところである。彼らはどんな状況でも見境なく襲ってくるのだ。
怪訝な顔をした店主から品物を受け取ったクロは『こいつ知り合い?』と聞かれるも『知りません』と首を振った。
「ウキョウ様の命令だ。来てもらおうか」
「またウキョウ様ですか。しつこいですね」
ウキョウという名前を聞いた瞬間、店主は事の状況を察しクロへ同情の目を向けた。
「うわあ。災難だな……アンタ」
「もうコレが、何回目か忘れるほどです」
「ご愁傷さまだ」
『助けてやれないが、持っていけ』と店主におまけを渡された。ありがとうございます、と一礼し、受け取るクロにひょっとこ面の男は無視をするな!と両手を上げて憤っていた。
「全く追うこっちの身にもなってくれよ。何度も何度も何度も言うが、そろそろ諦めたらどうだ」
「お断りします。むしろ」
そちらが諦めてください、と突っぱねるとその場で高く跳躍し、人混みを軽々と飛び越え、すかさず雑踏の中に紛れていった。
「おお、すげえな」
「大道芸人かな?」
「くっそ、猿かアイツは!?」
『待ちやがれ!クソアマ!』と後ろの方から罵詈雑言を浴びせられたが、当然それを無視して人混みをすいすいとすり抜け下層へと向かった。
宛のない放浪の旅にて(クロが自覚していないだけのときもあるが)見に覚えのない罪で追われたり、クロの戦いを見て勝負を挑んできたりなどで戦闘になることは少なくはなかったが『お前を欲しい』という理由だけでこれほど頻繁に襲われるようになるのは初めてだった。
一体己のどこに執着する要素があるのかと考えたがすぐにどうでもいいことだと思考を打ち消す。狙われる身になったことは間違いない。
こう危険となればと虹雅渓に滞在するのもそろそろ潮時なのかもしれないとクロは思った。ここで出てまた別の、アキンドが作った街へ行こう。
そのためにも、今大事なのは捕まらないように身を潜め、虹雅渓から出ることだ。
容姿を隠すために路地裏に捨ててあったローブを身にまとい、物乞い達に紛れ、時折場所を変えては追ってくるサイボーグやサムライくずれをやり過ごした。