独居房での再会
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一行を乗せた護送船は、ナルビナ城塞へ。繋がれた状態で荷物は全て没収され、奥へ連れて行かれた。入り口で手枷は外され、意識を失ったままのヴァンはバルフレアに投げ出された。仕方なくバルフレアは担ぎ直すと奥へ歩き出した。
此処はナルビナ城塞地下牢…
一度入れられたら脱出不可能と言われている場所。
所々の天井からは砂が流れ落ち、底床には落ちてきたものなのか砂があった。
そして一部の天井からは青空が見え、そこからは太陽の光が降り注いでいた。
地下牢といっても要塞の基部を閉じ込めただけ。行動はその範囲なら制限されることなく囚人は比較的自由に動ける状態だった。
「抜け道を探してくるわ」
「...わかった」
相棒のフランの言葉にバルフレアは頷く。ヴィエラ族であるフランは鼻が利くし、一人で歩かせても問題ないと知ってたからだ。そこまでは良かった。だが、彼の想定の斜め上を行く者がいた。
「私も付いていく」
そのセリフを放ったのはミアだった。
はぁ?とバルフレアはミアの思わぬ言葉に怪訝な顔を浮かべた。
「お前な」
「フランは良いのに私は駄目なの?」
「...え~とな、ミア」
こっちの心配ごとなんてわかっていないだろう純粋な瞳で見上げてくるミア。
彼女をどう納得させればいいか、言いよどむバルフレア。そんな彼に助け船をだしたのは相棒だった。
「彼は貴女の事心配してるのよ」
「そうなの?」
フランの言葉に驚きの声を上げたミアはバルフレアを見る。当の彼は深くため息をつき頭を抱えこんだ。
「...っ...あーそうだよ!此処はごろつき共が沢山いるんだぞ。少しは女って自覚持て!」
「大丈夫だって!!私強いもん」
「だからな!!」
いがみ合う二人を制止したのはフランだった。
「いいんじゃないかしら別に。それに一人で行動するわけじゃないし」
フランの一言でそれもそうだなと思ったのは建前。
実際はこれ以上言っても時間の無駄だと理解したからだ。
ミアの説得を諦めたバルフレアは「気をつけろよ」と言い残し奥へ消えていった。
「さぁ行きましょ」
フランに声をかけられるまで、ミアは彼の後ろ姿を何故か追っていた。
*
「フラン。当てはあるの?」
迷うことなく突き進むフランに思わずミアは口を出した。
「ミストの流れを追ってるのよ」
「す...すごい!」
キラキラ瞳を輝かせるミアにフランは笑みをこぼした。
「ヴィエラ族はミストに敏感なのよ」
フランはある扉の前に立ち止まった。
「ここね」
「この先って独居房じゃない?」
外への抜け道がまさかこんなとこにあるのか?と内心驚くミア。だが、フランがそうだと言うならそうなのだろうと自己完結させた。
「流石に私の力では開かないわ」
「ん...じゃあどうするの?」
「開けられるのを待つしかないわね。
とりあえず、一旦戻りましょうか」
独居房に続く扉だけあって強力な魔法がかけられてるらしい。一刻も早く抜け出したい所だが、フランの意見にミアは頷いた。
そして来た道を戻り開けた場所に戻ると、何故か闘技場では3人のシーク族に対してヴァンとバルフレアが殴り合いをしていた。
「何やってるのかしらね?」
「さぁ?」
呆れた表情を浮かべるフランに思わずミアは苦笑した。横目で見つつ二人は階段を降り闘技場に繋がる入り口へ行った。着く頃には決着はついていて、ヴァン達が手をパタパタと付いたものを落とすように叩いていた。一段落したと思いきや、帝国兵が姿を現した。咄嗟に上から覗いて見えない位置に一行は動いた。上の様子を伺うと、帝国兵の間から柄の悪そうなバンガ族が顔を覗かせた。それを見たバルフレアは瞬時に顔を顰めた。どうやら彼は賞金稼ぎらしく空賊であるバルフレアの首をしつこく狙っているらしいのだ。フランが入り口に固く降ろされてる鉄格子を魔力で少し持ち上げたことでヴァン達は闘技場を脱出した。途端、新たな足音を鳴らしてやって来るものがいた。それを見たミアは怒りを押し殺し低い声で呟いた。
「ジャッジ!!」
「ジャッジってなんだ?」
「なんだ、知らないのか?」
不思議そうに首を傾げるヴァンを見てバルフレアはわかりやすく説明し始める。
「アルケイディアの法と秩序の番人を名乗る連中さ。
その正体は、帝国を支配するソリドール家の武装親衛隊で、帝国軍の実質的な指揮官ってわけだ。
ったく…裁判官ってより処刑人だぜ」
「でも、なんでジャッジマスターがここに」
「さぁーな。」
こんな場所にいったい何の用事があるのだろうか…
現れた彼の背中ではためくマントをミアはじっと見つめるのだった。
*
じっと様子を見ていた彼らはジャッジの一行が独居房に向かうことを知る。彼らについていけば抜け道にたどり着くとわかり、バレないように追いかけることにした。途中、囚人から取ったものが置いてある場所を見つけ、荷物を取り戻す。そして、ようやく独居房への侵入に成功するのだった。
この時、ミアは知らなかった。まさかその先で思わぬ人物と再会するとは...
此処はナルビナ城塞地下牢…
一度入れられたら脱出不可能と言われている場所。
所々の天井からは砂が流れ落ち、底床には落ちてきたものなのか砂があった。
そして一部の天井からは青空が見え、そこからは太陽の光が降り注いでいた。
地下牢といっても要塞の基部を閉じ込めただけ。行動はその範囲なら制限されることなく囚人は比較的自由に動ける状態だった。
「抜け道を探してくるわ」
「...わかった」
相棒のフランの言葉にバルフレアは頷く。ヴィエラ族であるフランは鼻が利くし、一人で歩かせても問題ないと知ってたからだ。そこまでは良かった。だが、彼の想定の斜め上を行く者がいた。
「私も付いていく」
そのセリフを放ったのはミアだった。
はぁ?とバルフレアはミアの思わぬ言葉に怪訝な顔を浮かべた。
「お前な」
「フランは良いのに私は駄目なの?」
「...え~とな、ミア」
こっちの心配ごとなんてわかっていないだろう純粋な瞳で見上げてくるミア。
彼女をどう納得させればいいか、言いよどむバルフレア。そんな彼に助け船をだしたのは相棒だった。
「彼は貴女の事心配してるのよ」
「そうなの?」
フランの言葉に驚きの声を上げたミアはバルフレアを見る。当の彼は深くため息をつき頭を抱えこんだ。
「...っ...あーそうだよ!此処はごろつき共が沢山いるんだぞ。少しは女って自覚持て!」
「大丈夫だって!!私強いもん」
「だからな!!」
いがみ合う二人を制止したのはフランだった。
「いいんじゃないかしら別に。それに一人で行動するわけじゃないし」
フランの一言でそれもそうだなと思ったのは建前。
実際はこれ以上言っても時間の無駄だと理解したからだ。
ミアの説得を諦めたバルフレアは「気をつけろよ」と言い残し奥へ消えていった。
「さぁ行きましょ」
フランに声をかけられるまで、ミアは彼の後ろ姿を何故か追っていた。
*
「フラン。当てはあるの?」
迷うことなく突き進むフランに思わずミアは口を出した。
「ミストの流れを追ってるのよ」
「す...すごい!」
キラキラ瞳を輝かせるミアにフランは笑みをこぼした。
「ヴィエラ族はミストに敏感なのよ」
フランはある扉の前に立ち止まった。
「ここね」
「この先って独居房じゃない?」
外への抜け道がまさかこんなとこにあるのか?と内心驚くミア。だが、フランがそうだと言うならそうなのだろうと自己完結させた。
「流石に私の力では開かないわ」
「ん...じゃあどうするの?」
「開けられるのを待つしかないわね。
とりあえず、一旦戻りましょうか」
独居房に続く扉だけあって強力な魔法がかけられてるらしい。一刻も早く抜け出したい所だが、フランの意見にミアは頷いた。
そして来た道を戻り開けた場所に戻ると、何故か闘技場では3人のシーク族に対してヴァンとバルフレアが殴り合いをしていた。
「何やってるのかしらね?」
「さぁ?」
呆れた表情を浮かべるフランに思わずミアは苦笑した。横目で見つつ二人は階段を降り闘技場に繋がる入り口へ行った。着く頃には決着はついていて、ヴァン達が手をパタパタと付いたものを落とすように叩いていた。一段落したと思いきや、帝国兵が姿を現した。咄嗟に上から覗いて見えない位置に一行は動いた。上の様子を伺うと、帝国兵の間から柄の悪そうなバンガ族が顔を覗かせた。それを見たバルフレアは瞬時に顔を顰めた。どうやら彼は賞金稼ぎらしく空賊であるバルフレアの首をしつこく狙っているらしいのだ。フランが入り口に固く降ろされてる鉄格子を魔力で少し持ち上げたことでヴァン達は闘技場を脱出した。途端、新たな足音を鳴らしてやって来るものがいた。それを見たミアは怒りを押し殺し低い声で呟いた。
「ジャッジ!!」
「ジャッジってなんだ?」
「なんだ、知らないのか?」
不思議そうに首を傾げるヴァンを見てバルフレアはわかりやすく説明し始める。
「アルケイディアの法と秩序の番人を名乗る連中さ。
その正体は、帝国を支配するソリドール家の武装親衛隊で、帝国軍の実質的な指揮官ってわけだ。
ったく…裁判官ってより処刑人だぜ」
「でも、なんでジャッジマスターがここに」
「さぁーな。」
こんな場所にいったい何の用事があるのだろうか…
現れた彼の背中ではためくマントをミアはじっと見つめるのだった。
*
じっと様子を見ていた彼らはジャッジの一行が独居房に向かうことを知る。彼らについていけば抜け道にたどり着くとわかり、バレないように追いかけることにした。途中、囚人から取ったものが置いてある場所を見つけ、荷物を取り戻す。そして、ようやく独居房への侵入に成功するのだった。
この時、ミアは知らなかった。まさかその先で思わぬ人物と再会するとは...