逃亡先での出会い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「仲間がいたぞ!」
ホッとできたのは一瞬。
飛び降りた現場でたちまちミア達はぞろぞろと来た帝国兵士に囲まれる。
「面倒が増える日だな...」
気だるそうに青年は銃を構える。
「なんか...その...すみません」
ミアは彼の反応に苦笑しつつも手に持つ剣を構えた。
*
彼らのお陰もあり無事に帝国兵を倒す。少年は大丈夫?とアマリアに近寄り、自己紹介を始めた。
「俺はヴァン!で…こっちはバルフレアにフランだ」
銀髪の少年…ヴァンは青年をバルフレアと、そして彼の隣にいる綺麗な長い銀色の髪を一つに結んでいるヴィエラをフランと紹介した。
「お前らは?」
ヴァンの口から出たなりげない一言。無意識に発したのかもしれない。しかし、彼の言動にアマリアは思わず顔を顰める。一方、隣りにいたミアはというと全く気にする素振りを見せなかった。
「...アマリア」
「ミアと言います」
一通り挨拶を終えると、ヴァンの懐から光が溢れる。驚いたヴァンはその現況を懐から取り出した。その取り出したものにアマリア達は顔を顰めた。何故なら、彼が持っている魔石は二人が良く知る物だったからだ。
「盗んだのね」
詰め寄るアマリアにヴァンはただ「おう!」と返事をするだけだった。その後魔石をめぐり言い合うヴァンとバルフレア。状況を察するに、どうやら彼らは王宮に忍び込みたまたま居合わせてしまったようだ。
「ミア...どうするの?」
「彼らと同道しましょう」
「でも、彼らは盗賊よ」
「逃げきるには人手が欲しいの。わかって」
彼らを横目に見て、アマリアは彼らに聞こえない声でミアに尋ねた。ミアの予想外の言葉にたまらず反論するが、彼女の言い分はごもっともだったためアマリアは言いかけた言葉を飲み込んだ。
*
道中、素っ気無く冷たく彼らに当たるアマリア。そんな彼女を見てなのか、もともとの性分なのか、ミアは間を取り持つかのように気さくにヴァン達に声をかけるのだった。
「なぁ?アイツ機嫌悪いのか?」
「うーん...半分はヴァンのせいかもね?」
ヴァンの目線の先には一人スタスタと前を歩くアマリア。ヴァンは彼女の後ろ姿になにか感じ取ったらしく首をかしげる。ミアはそんな彼の問いに冗談混じりで答えたのだ。
「なんでだよ!」
「盗みを覚える前に他のことを覚える必要があるんじゃないか?」
声を上げるヴァンに、バルフレアは溜め息混じりに言う。そんな二人を横目にミアはアマリアの背中を見つめた。
ミアには手を取るかのようにアマリアの感情が伝わってきた。彼女一人とてつもなく重たい重責を持っているのだから、怖いに違いないし、とてつもなく不安なのだろう。皆の前では、凛々しくあるべき姿をするアマリア。だが、時折悲しげに左にはめてる指輪を眺めてたりする。そんな彼女を見るとミアは胸が締め付けられる感覚を覚えるのだ。何か声をかけてあげたい。でもその言葉がミアには見つからなかったのだ。
「何を悩んでるのかしら?」
突然声をかけられたことで思わずミアは思考を戻した。そして顔を上げると真紅の瞳を向けるフランがいた。
「...なんでもないよ」
フランを見てミアはゆっくりと首を振る。そして、アマリアの元へ逃げるかのように足早に歩くのだった。
*
順調に水道を進んで行く一行。出口付近でブシュファイアを退けたとこまでは良かった。だが、待ち構えられていたらしく戦闘が終わった途端沢山の帝国兵が出てきて囲まれてしまった。その中には、帝国から来た執政官ヴェイン・ソリドールの姿もあった。彼を見たアマリアは血相を変え、内なる感情をぶちつけそうな勢いで飛び出そうとした。
「やめときな...」
そんな彼女を制止させたのはバルフレアだった。ぐっと拳を握りしめアマリアは留まった。そんな彼女の手をミアは優しく包み込んだ。ハッとしてアマリアが顔を上げると哀しげに微笑むミアの姿があった。
「ミア??」
「ゴメン。
私が無力じゃなかったらアマリアにこんな思いさせなかったのに...」
「ミアのせいじゃない。」
アマリアは首を振り彼女の手を握り返すのだった。