裏切り
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戦艦シヴァの通路を歩く一行。
一番後方では、手械に繋がれたアーシェ。その隣にはウォースラがいた。
「ラバナスタに戻ったら、市民に殿下の健在を公表しましょう。
あとは自分が帝国との交渉を進めます。
ラーサーの線を利用できると思います。
彼は話がわかるようです。信じてみましょう」
「今さら誰を信じろというの」
ウォースラの言葉に一言ただ突きつけると彼に目をくれることなく前に歩いていった。
「ダルマスカのためです」
ウォースラは失意が籠められたアーシェの背中に呟いた。
そんな二人の少し前をミアはトボトボと歩いていた。だから二人の会話は彼女の耳に入ってきた。
「信じてみましょうか...」
一人ポツリと嘆かれた言葉。その言葉に隣で手に嵌められたものを鬱陶しそうに見て歩いていたバルフレアが反応した。
「ん...?」
「信じてみた結果がこれだよ。
ホントやになっちゃう」
ミアは自嘲気味に小さく笑い飛ばした。
誰にも聞かれていないと思っていたのだが、ふと横を見ると眉を顰めるバルフレアがいて、ミアは顔を引きつらせた。
「あ〜...聞こえちゃった?」
「...心の声がダダ漏れだな」
溜息混じりに吐かれた言葉。彼の態度がいつも通り。そんな彼にミアは救われた気がした。
「ねぇ?いつから気づいてた?」
「なんのことだ?」
「とぼけないでよ。ウォースラのことだよ。」
「オグルエンサに現れたときだな。
シュトラールを飛ばしてきたんだぜ...それなのにアイツは待っていたかのようにその場にいた。
疑いはするだろ?」
つらつらと述べられる言葉。ミアはただ黙ってその言葉を聞いていた。
「そういうミアだって、心の底では疑ってたんじゃないか?」
「...そうだね。」
俯きながらミアは口を開いた。そして少し間を置くと顔を上げ前を向いた。
「でも、信じたかった。ずっと同じ志でやってきた仲間だし、師匠だしね。
だからこそ、ショックだし今もとても胸が苦しいよ」
想いを述べたミアは隣りにいる彼を見上げた。ミアの目に映ったのは彼の首元に残っている赤い筋だった。それが痛々しげに見えてミアは顔を歪めた。そんな彼女の表情に気づいたバルフレアが目を細めた。
「なんちゅう顔してんだよ」
「だって...怖かったんだもん。
バルフレアに剣が突きつけられたとき、心臓が止まるかと思った。
わざと気の触ることを言って挑発してさ」
「はぁ...
そう言うお前もな人の事言えねぇーぞ」
盛大に溜息を吐かれたミアは身におぼえがなく顔を顰める。その表情を見て、わかってないのかとバルフレアは呆れ返る。
「コッチがどれだけ冷や汗かかされたと思ってるんだ?
ギースを形相な目で睨めつけて...
一歩間違えたらお前なぁ」
「あー...あれはつい。カッとなっちゃって」
「たく...無鉄砲な行動をするなとあれほど」
「そういうバルフレアだってカッとなってたじゃん。
らしくなかったよね...
あの時何言われたの?」
予想外のミアからの言い返し。しっぺ返しを食らったバルフレアは押し黙った。
ミアの澄んだ碧色の瞳が今は怖く思えた。心の奥底を見透かされているように思えたから。
「まさかここで仕返しがくるとは...」
「それで??」
「ただ、楽しみに大人しく待ってるんだなって言われただけさ」
溜息混じりに吐かれた言葉はミアにとっては意味深な台詞。ミアが困惑するには十分だった。
「どういうこと?」
「...知るか」
「イヤイヤ。知らない人がカッとなるわけないでしょう」
しらばっくれる彼にミアは苦笑いした。が、ミアは寂しそうな表情を浮かべ彼の横顔を見上げるのだった。
一体、彼は何を抱え込んでいるのだろうか?
ドクター・シド...
破魔石...
何が貴方をそんな表情にさせるのだろうか?
踏み込んでは行けない領域。
彼自身もそれを望んていない。
だけど、それでも貴方のことをもっと知りたいと思ってしまうのはダメですか...
一番後方では、手械に繋がれたアーシェ。その隣にはウォースラがいた。
「ラバナスタに戻ったら、市民に殿下の健在を公表しましょう。
あとは自分が帝国との交渉を進めます。
ラーサーの線を利用できると思います。
彼は話がわかるようです。信じてみましょう」
「今さら誰を信じろというの」
ウォースラの言葉に一言ただ突きつけると彼に目をくれることなく前に歩いていった。
「ダルマスカのためです」
ウォースラは失意が籠められたアーシェの背中に呟いた。
そんな二人の少し前をミアはトボトボと歩いていた。だから二人の会話は彼女の耳に入ってきた。
「信じてみましょうか...」
一人ポツリと嘆かれた言葉。その言葉に隣で手に嵌められたものを鬱陶しそうに見て歩いていたバルフレアが反応した。
「ん...?」
「信じてみた結果がこれだよ。
ホントやになっちゃう」
ミアは自嘲気味に小さく笑い飛ばした。
誰にも聞かれていないと思っていたのだが、ふと横を見ると眉を顰めるバルフレアがいて、ミアは顔を引きつらせた。
「あ〜...聞こえちゃった?」
「...心の声がダダ漏れだな」
溜息混じりに吐かれた言葉。彼の態度がいつも通り。そんな彼にミアは救われた気がした。
「ねぇ?いつから気づいてた?」
「なんのことだ?」
「とぼけないでよ。ウォースラのことだよ。」
「オグルエンサに現れたときだな。
シュトラールを飛ばしてきたんだぜ...それなのにアイツは待っていたかのようにその場にいた。
疑いはするだろ?」
つらつらと述べられる言葉。ミアはただ黙ってその言葉を聞いていた。
「そういうミアだって、心の底では疑ってたんじゃないか?」
「...そうだね。」
俯きながらミアは口を開いた。そして少し間を置くと顔を上げ前を向いた。
「でも、信じたかった。ずっと同じ志でやってきた仲間だし、師匠だしね。
だからこそ、ショックだし今もとても胸が苦しいよ」
想いを述べたミアは隣りにいる彼を見上げた。ミアの目に映ったのは彼の首元に残っている赤い筋だった。それが痛々しげに見えてミアは顔を歪めた。そんな彼女の表情に気づいたバルフレアが目を細めた。
「なんちゅう顔してんだよ」
「だって...怖かったんだもん。
バルフレアに剣が突きつけられたとき、心臓が止まるかと思った。
わざと気の触ることを言って挑発してさ」
「はぁ...
そう言うお前もな人の事言えねぇーぞ」
盛大に溜息を吐かれたミアは身におぼえがなく顔を顰める。その表情を見て、わかってないのかとバルフレアは呆れ返る。
「コッチがどれだけ冷や汗かかされたと思ってるんだ?
ギースを形相な目で睨めつけて...
一歩間違えたらお前なぁ」
「あー...あれはつい。カッとなっちゃって」
「たく...無鉄砲な行動をするなとあれほど」
「そういうバルフレアだってカッとなってたじゃん。
らしくなかったよね...
あの時何言われたの?」
予想外のミアからの言い返し。しっぺ返しを食らったバルフレアは押し黙った。
ミアの澄んだ碧色の瞳が今は怖く思えた。心の奥底を見透かされているように思えたから。
「まさかここで仕返しがくるとは...」
「それで??」
「ただ、楽しみに大人しく待ってるんだなって言われただけさ」
溜息混じりに吐かれた言葉はミアにとっては意味深な台詞。ミアが困惑するには十分だった。
「どういうこと?」
「...知るか」
「イヤイヤ。知らない人がカッとなるわけないでしょう」
しらばっくれる彼にミアは苦笑いした。が、ミアは寂しそうな表情を浮かべ彼の横顔を見上げるのだった。
一体、彼は何を抱え込んでいるのだろうか?
ドクター・シド...
破魔石...
何が貴方をそんな表情にさせるのだろうか?
踏み込んでは行けない領域。
彼自身もそれを望んていない。
だけど、それでも貴方のことをもっと知りたいと思ってしまうのはダメですか...