"暁の断片"を手に入れた一行は来た道を戻る。
後方を歩いていたミアは隣にいた人物に何気ないことを投げかけた。

「ねぇ...バルフレアはこれからどうするの？」

「ん...そうだなぁ」

聞かれたことにバルフレアは顎に手を当て少し考え込む。

「まぁ...本業に戻るかねぇ〜」

そう言うと彼は天井を見上げた。それはまるで空に焦がれているようだった。

「結局...今回は何も得られなかったしな」

肩をすくめ小さくため息つくバルフレア。そんな彼を見てミアはたまらず苦笑した。

「だよね〜」

「ミアはどうすんだ？
流石に直ぐには復興を宣言したりはしないんだろ？」

「したら帝国に滅ぼされちゃうからね...
まぁ地下に潜ってまた考えますかね」

ミアはこれからの事に思い馳せる。が、ここである事に気づく。

そういえば、ウォースラの再興の手段は何だったのだろう？

ふと足を止めるミア。そんな彼女を見てバルフレアも足を止めた。

「帝国はどう動くかな...」

「さぁーな...まぁ流石に外出て飛空艇で待ち伏せはないだろ。
あるとしたら"ヤクト"を出たあとだな」

「それはないでしょ！
この場所は流石にバレてないはずだしね」

否定し笑うミア。だったが、ホントにそう思うか？と真剣な表情をするバルフレアを見て、ミアの笑顔は消えた。
再び歩き出すバルフレア。彼の背を追うようにミアも慌てて歩き出す。

「え...？どういうこと？」

「外に出て帝国兵達が待ち伏せして構えていても、俺は驚きはしないがな」

そう言ったバルフレアが見つめる先には、アーシェの隣にピタリとつく将軍がいた。

何気ない彼の言葉...

その言葉は彼の予想を超える形で具現化されるなんてこの時二人は考えても思わなかった。