裏切り
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「再びお目通りがかなって光栄ですな、殿下」
リヴァイアサンのデッキに連行された一行の前に現れたのはジャッジ・ギースだった。
「先日は実にあわただしく、ご退艦なさったので、我々に無礼があったのではないかと、心を痛めておりました」
皮肉とも取れる言葉をアーシェに向けるギース。
そんな彼を睨めつけながらも結んでいた口をアーシェは開いた。憤りを抑えた低い声で。
「痛む心があるというの...本題に入りなさい」
「破魔石を引き渡していただきたい」
「破魔石って…」
"破魔石"の単語に反応したパンネロは、ラーサーからこの前貰った石を背中に慌てて隠す。が、ギースはその言葉を切り捨てるように一喝するのだった。
「そのような模造品ではない」
その低い声にパンネロは体を震わせ怯えた。そんな彼女を横目にギースは話を続ける。
「我々が求めているのは…
覇王レイスウォールの遺産である"神授の破魔石"だ」
"神授の破魔石"...
聞き覚えのない言葉にアーシェは怪訝な顔をする。近くにいたミアに目線を動かすと、彼女もピンときていない表情をしていた。
その表情を見て悟ったギースは肩をすくめる。そしてアーシェの背後に佇む人物に目を向けるのだった。
「まだ話していなかったのかね...
アズラス将軍」
「殿下、"暁の断片"を。あれが破魔石です」
ギースの口から紡がれた名前。
嘘だと願いたかった。だが、本人はアーシェの背後から彼女に囁いた。
神授の破魔石が暁の断片だと。
確実にウォースラは帝国と裏で繋がっていたのだ。
「どうして!!ウォースラ!!」
「何故だウォースラ!」
アーシェの表情は蒼白しただ彼を見つめた。ミアは目に涙を溜めて叫び、彼女の言葉と重なるようにバッシュも叫んだ。
「帝国は戦って勝てる相手ではないっ!
ダルマスカを救いたければ現実を見ろ!」
彼らの悲痛な叫び声は、ウォースラに一蹴される。
「今まで頑張ってきたのに!
どうして!!どうして...」
ミアはウォースラの胸ぐらを掴み彼の体を揺らした。そんな彼女を引き剥がすのではなくウォースラは黙ってそれを受け入れた。
やがて彼女の手は彼の身体から離れ、自身の身体の方に力なく落ちた。
「信じてたのに...」
ミアは、項垂れ肩を落とす。
頭の中が真っ白になった気分だ。
「ミア....」
ただウォースラは彼女の名前を呼ぶしか出来なかった。
「アズラス将軍は、懸命な取引を選んだのですよ。
わが国は"暁の断片"を引き換えに、アーシェ殿下の即位とダルマスカ王国の復活を認めます」
一人、その光景を楽しむような口ぶりでギースは言った。
ミアはその言動にピクリと反応した。
「いかがですか?
たかが石ころ一つで、滅びた国がよみがえるのです」
「ふざけないで...
そんなの名前だけ。私達が目指していた再興とは違う」
何も今は考えることは出来ない。だが、確実にこれは違うと言い切れる。
そんな取引で復活しても、どうせ帝国の占領下の中にあるのだ。
帝国に支配され続ける??そんなのまっぴらゴメンだ。
唇を噛み締め、涙が目に溜まったままじっとミアは愉快そうに笑うギースを睨めつけた。
「で、あんたの飼い主が面倒を見てくださるわけだ」
膠着状態に口火を切るように皮肉の籠もった言葉をバルフレアは投げつけた。
その言葉にギースは眉間にシワを寄せた。バルフレアの言葉が気に障ったのだろうか。先程と雰囲気が一変。ギースは腰に刺していた剣を引き抜くと躊躇なく彼の首元に突きつけた。
「彼をダルマスカの民とお考えなさい。
殿下が迷えば迷うほど、民が犠牲になる...
彼は最初の一人だ」
この光景にミアは息を呑んだ。ギースが突きつけた剣の先が彼の首に切筋をつけ、その箇所から血が出ていたからだ。
「まわりくどい野郎だな、ええ?」
だがそんなのどこ吹く風。バルフレアは気にする様子も無くギースを睨め返した。
「...ッ!ヤメて!!」
「アーシェ!」
持っていた“暁の断片"をどうすればいいか...未だに躊躇していたアーシェ。そんな彼女を動かしたのは悲痛な声を出し、今にも涙の雫が流れそうなミア。そして珍しく"お前“ではなく名前を力強く呼んだヴァンだった。
悔しげにアーシェは握っていた"暁の断片"を差し出されたギースの掌に置いた。
「結構!」
それを満足気にうけとったものを見つめ、ギースは剣を仕舞う。
「王家の証が、神授の破魔石であったとは...
ドクター・シドが血眼になる訳ですな」
「今なんつった!」
ギースの言葉にピクリと反応したバルフレアは先程の飄々としていた態度とは一変。別人のように豹変しギースに食いつくように憤りを顕わにする。
そんな彼を石から目線を移したギースは何か良いものを見つけたように楽しげにほくそ笑んだ。
「ほぉ?なるほど...やはり貴様か。
これは他にもいい手土産が出来たものだ」
取り押さえられたバルフレアをただギースは愉快そうに見つめ目を細めた。
バルフレアはただ唇をギュと噛みしめることしか出来なかった。
そんな彼にギースは近づき、耳元で何か囁く。それを聞いたバルフレアは殺気だしカッと目を見開くと、怒りの色が入り混じった瞳で彼を睨めつけた。
その反応に満足したギースは目線をウォースラに移した。
「アズラス将軍、ご一行をシヴァへ
数日でラバナスタへの期間許可が下りる」
ウォースラに指示をだし一行に背を向けた。
そして、帝国兵に手械を嵌められ一行はシヴァへ連行されるのだった。
リヴァイアサンのデッキに連行された一行の前に現れたのはジャッジ・ギースだった。
「先日は実にあわただしく、ご退艦なさったので、我々に無礼があったのではないかと、心を痛めておりました」
皮肉とも取れる言葉をアーシェに向けるギース。
そんな彼を睨めつけながらも結んでいた口をアーシェは開いた。憤りを抑えた低い声で。
「痛む心があるというの...本題に入りなさい」
「破魔石を引き渡していただきたい」
「破魔石って…」
"破魔石"の単語に反応したパンネロは、ラーサーからこの前貰った石を背中に慌てて隠す。が、ギースはその言葉を切り捨てるように一喝するのだった。
「そのような模造品ではない」
その低い声にパンネロは体を震わせ怯えた。そんな彼女を横目にギースは話を続ける。
「我々が求めているのは…
覇王レイスウォールの遺産である"神授の破魔石"だ」
"神授の破魔石"...
聞き覚えのない言葉にアーシェは怪訝な顔をする。近くにいたミアに目線を動かすと、彼女もピンときていない表情をしていた。
その表情を見て悟ったギースは肩をすくめる。そしてアーシェの背後に佇む人物に目を向けるのだった。
「まだ話していなかったのかね...
アズラス将軍」
「殿下、"暁の断片"を。あれが破魔石です」
ギースの口から紡がれた名前。
嘘だと願いたかった。だが、本人はアーシェの背後から彼女に囁いた。
神授の破魔石が暁の断片だと。
確実にウォースラは帝国と裏で繋がっていたのだ。
「どうして!!ウォースラ!!」
「何故だウォースラ!」
アーシェの表情は蒼白しただ彼を見つめた。ミアは目に涙を溜めて叫び、彼女の言葉と重なるようにバッシュも叫んだ。
「帝国は戦って勝てる相手ではないっ!
ダルマスカを救いたければ現実を見ろ!」
彼らの悲痛な叫び声は、ウォースラに一蹴される。
「今まで頑張ってきたのに!
どうして!!どうして...」
ミアはウォースラの胸ぐらを掴み彼の体を揺らした。そんな彼女を引き剥がすのではなくウォースラは黙ってそれを受け入れた。
やがて彼女の手は彼の身体から離れ、自身の身体の方に力なく落ちた。
「信じてたのに...」
ミアは、項垂れ肩を落とす。
頭の中が真っ白になった気分だ。
「ミア....」
ただウォースラは彼女の名前を呼ぶしか出来なかった。
「アズラス将軍は、懸命な取引を選んだのですよ。
わが国は"暁の断片"を引き換えに、アーシェ殿下の即位とダルマスカ王国の復活を認めます」
一人、その光景を楽しむような口ぶりでギースは言った。
ミアはその言動にピクリと反応した。
「いかがですか?
たかが石ころ一つで、滅びた国がよみがえるのです」
「ふざけないで...
そんなの名前だけ。私達が目指していた再興とは違う」
何も今は考えることは出来ない。だが、確実にこれは違うと言い切れる。
そんな取引で復活しても、どうせ帝国の占領下の中にあるのだ。
帝国に支配され続ける??そんなのまっぴらゴメンだ。
唇を噛み締め、涙が目に溜まったままじっとミアは愉快そうに笑うギースを睨めつけた。
「で、あんたの飼い主が面倒を見てくださるわけだ」
膠着状態に口火を切るように皮肉の籠もった言葉をバルフレアは投げつけた。
その言葉にギースは眉間にシワを寄せた。バルフレアの言葉が気に障ったのだろうか。先程と雰囲気が一変。ギースは腰に刺していた剣を引き抜くと躊躇なく彼の首元に突きつけた。
「彼をダルマスカの民とお考えなさい。
殿下が迷えば迷うほど、民が犠牲になる...
彼は最初の一人だ」
この光景にミアは息を呑んだ。ギースが突きつけた剣の先が彼の首に切筋をつけ、その箇所から血が出ていたからだ。
「まわりくどい野郎だな、ええ?」
だがそんなのどこ吹く風。バルフレアは気にする様子も無くギースを睨め返した。
「...ッ!ヤメて!!」
「アーシェ!」
持っていた“暁の断片"をどうすればいいか...未だに躊躇していたアーシェ。そんな彼女を動かしたのは悲痛な声を出し、今にも涙の雫が流れそうなミア。そして珍しく"お前“ではなく名前を力強く呼んだヴァンだった。
悔しげにアーシェは握っていた"暁の断片"を差し出されたギースの掌に置いた。
「結構!」
それを満足気にうけとったものを見つめ、ギースは剣を仕舞う。
「王家の証が、神授の破魔石であったとは...
ドクター・シドが血眼になる訳ですな」
「今なんつった!」
ギースの言葉にピクリと反応したバルフレアは先程の飄々としていた態度とは一変。別人のように豹変しギースに食いつくように憤りを顕わにする。
そんな彼を石から目線を移したギースは何か良いものを見つけたように楽しげにほくそ笑んだ。
「ほぉ?なるほど...やはり貴様か。
これは他にもいい手土産が出来たものだ」
取り押さえられたバルフレアをただギースは愉快そうに見つめ目を細めた。
バルフレアはただ唇をギュと噛みしめることしか出来なかった。
そんな彼にギースは近づき、耳元で何か囁く。それを聞いたバルフレアは殺気だしカッと目を見開くと、怒りの色が入り混じった瞳で彼を睨めつけた。
その反応に満足したギースは目線をウォースラに移した。
「アズラス将軍、ご一行をシヴァへ
数日でラバナスタへの期間許可が下りる」
ウォースラに指示をだし一行に背を向けた。
そして、帝国兵に手械を嵌められ一行はシヴァへ連行されるのだった。