戦艦リヴァイアサン
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暫く走ると、目の前の脇道から見覚えのある人物が現れた。向こうの二人も彼らの存在に気づき立ち止まる。
「ヴァン...」
目に涙を浮かべパンネロはヴァンの胸に飛び込んだ。そんな彼女を安心させようとヴァンは強く抱きしめた。
「ごめん、もう大丈夫...」
そんな二人も横目に見つつ、パンネロをここまで連れてきたラーサーは冷静に周りを見渡した。
「ギースが気付きました。早く脱出を」
ラーサーが全員に呼びかけると、今度はウォースラの方へ視線を移した。
「アズラス将軍ですね。僕と来て下さい。
先回りして飛空艇を押さえましょう」
声をかけられたウォースラはたまらず顔を顰めた。まさか、彼からそう言われるとは思わなかったからだ。
「正体を知った上で逃がすのか?」
そんなウォースラの声を受けつつ、ラーサーは彼の隣に立つアーシェとバッシュに視線を向けた。
「アーシェ殿下
貴方は存在してはならない筈の人です
貴方やローゼンバーグ将軍が死んだ事にされていたのは...何かが歪んでいる証拠です。
今後貴方がたが行動すれば、もっと大きな歪みが見えて来るように思います。
だから行って下さい。
隠れた歪みを明らかにして下さい。
私はその歪みを斜して帝国を守ります。」
「......わかりました」
力強く言うラーサーに、少し疑問を感じるようだが、アーシェはゆっくりと頷いた。
「どうもな、ラモン」
ヴァンはわざとらしくラーサーの偽名を出して笑った。ラーサーは帝国の人物だ。憎むべき相手かもしれないが、ここまでパンネロを守ってくれた。そんなラーサーに怒るなんて気は更々無かった。
「あの時はすみません。」
ラーサーは、ヴァンに頭を下げる。そして視線をヴァンからパンネロに移し懐からあるものを取り出した。
「パンネロさん。これ、お守りがわりに」
ラーサーがパンネロに手渡したのは、人造破魔石だった。そして彼女に優しく微笑むと、ウォースラに向き直った。
「行きましょう」
ラーサーの言葉にウォースラは頷いた。
「私も行く」
別方向に行こうとする二人に声をかけたのはミアだった。
「お前は殿下を...」
「大丈夫。殿下はバッシュが守ってくれるから。それに、私がいたほうが準備できるでしょ?」
ウォースラの言葉をミアは遮る。ミアの揺るがない瞳に、ウォースラはわかったと折れるのだった。
「後は頼む」
「後は宜しくね」
二人の頼みにバッシュは強く頷いた。そして一行は二手に別れた。
*
ラーサーに先導される形で走るで、ミアとウォースラは別のポートに向かう。ラーサーの後ろ姿を見て、ミアは頼もしく思った。そして、帝国にもこんな人があるのだなと本来憎むべき敵であるのに何故かラーサーをそういう目で見れなかった。
「ミアさんは、僕の行動どう思いました?」
いつの間にか、ミアの隣にいたのかラーサーが彼女に声をかける。唐突な投げ掛けに、ミアは思っているとこをそのまま述べた。
「正直驚いた...
でも、それよりもラーサーの言葉が胸に響いたよ」
正体を知りながら、自分達を逃がそうとするラーサーの行動には確かに疑問を抱いた。だが、その裏に隠された彼の真意にミアは胸を打たれた。
この年で、こんなに自分の国の事を想い、考えてるなんて...
果たして、自分がラーサーと同じ年だったらこんな行動を出来るのだろうかとラーサーに感服してしまったのだ。
「私が、ラーサーくらいの年の時って何してたかな??」
ボソリと呟いたミアの言葉に反応したのはウォースラだった。
「大丈夫だ。今と変わらない」
「それっていい意味?悪い意味??」
「両方さ」
口角を上げるウォースラ。からかわれたとミアは頬を膨らませ、睨めつける。が、ミアのそんな顔はウォースラにとってどこ吹く風であった。
「お二人さん、そろそろ着きます」
ラーサーの言葉で、ミアは今の状況を思い出し、表情を引き締め直すのだった。
発着ポートにたどり着く。そこにあったのは、護送艦のアトモスだった。それを見た瞬間、ミアはとある人物の事が頭に思い浮かんだ。
アトモス...トロイ船じゃないかよ
脱出用の船がこれだと知ったら、きっと彼はげんなりするに違いない。バルフレアがいかにも言いそうな言葉を思い浮かべ、ミアは一人苦笑するのだった。
「では、僕はこれで...」
「助かった...」
「ありがとね!ラーサー」
立場上、いつまでもここにいる訳にはいかないラーサー。そんな彼に二人は感謝した。背を向けるラーサーを見て、ミアはこのまま育ってほしいと思わずにはいられなかった。
「ミア、俺は殿下達を呼びに行ってくる。後は頼んだぞ」
「りょーかい」
ウォースラが呼びに出ていったあと、ミアは一人操縦席に座った。
「出力よし...航路もよし」
後は皆が帰ってくるのを待つだけだとミアは、ゆっくりと息を吐き座席に凭れかかった。
早く帰ってこないかな...
腕を組み頭上へ。軽く背筋を伸ばすように腕を伸ばした。そんな彼女の耳に慌ただしい足音が聞こえてきた。
「ミア...戻ったぞ」
「お疲れさま、ウォースラ...」
ミアが後ろを向くと、ウォースラを先頭に次々と皆が入ってきた。
「全員乗った??」
「私で最後だ。ミア」
「りょーかい!」
ミアの返答に返事したのはバッシュだった。それにミアは軽く頷く。そして、体の向きを戻した。
「??ミアが動かすのか!?」
操縦席に座るミアを後ろからヴァンは覗き込んだ。
「...そうだよ。これくらいなら私でも動かせるからね」
ヴァンの問いに答えながら、ミアは手先を止めずにアトモスをゆっくりと動かし始める。
「早く早く!全開!!」
焦るパンネロの声。そんな彼女をミアは見て、安心させようとミアは微笑んだ。
「落ち着いて...大丈夫だから」
「ミアの言うとおりよ。それより皆屈んで」
ミアの考えにフランは賛同。そして、アトモスが外に出る前に屈むように言った。全ては他の艦艇に乗ってる兵士にバレないようにするためだ。案の定、外に出た途端、別の艦艇とすれ違った。
「アトモスが速いスピード出してたらバレてたでしょ?」
すれ違った後、ミアは後ろを向きパンネロに話しかけた。そんなミアにパンネロは頷く。それを確認すると隣りにいるアーシェの方に目線を向けた。
「とりあえず、ビュエルバに向かいます。いいですか?」
「...はい」
アーシェの許可が降りたのを確認すると、ミアは前を向いた。設定した通りの航路に合わせてミアはアトモスを動かすのだった。
「ヴァン...」
目に涙を浮かべパンネロはヴァンの胸に飛び込んだ。そんな彼女を安心させようとヴァンは強く抱きしめた。
「ごめん、もう大丈夫...」
そんな二人も横目に見つつ、パンネロをここまで連れてきたラーサーは冷静に周りを見渡した。
「ギースが気付きました。早く脱出を」
ラーサーが全員に呼びかけると、今度はウォースラの方へ視線を移した。
「アズラス将軍ですね。僕と来て下さい。
先回りして飛空艇を押さえましょう」
声をかけられたウォースラはたまらず顔を顰めた。まさか、彼からそう言われるとは思わなかったからだ。
「正体を知った上で逃がすのか?」
そんなウォースラの声を受けつつ、ラーサーは彼の隣に立つアーシェとバッシュに視線を向けた。
「アーシェ殿下
貴方は存在してはならない筈の人です
貴方やローゼンバーグ将軍が死んだ事にされていたのは...何かが歪んでいる証拠です。
今後貴方がたが行動すれば、もっと大きな歪みが見えて来るように思います。
だから行って下さい。
隠れた歪みを明らかにして下さい。
私はその歪みを斜して帝国を守ります。」
「......わかりました」
力強く言うラーサーに、少し疑問を感じるようだが、アーシェはゆっくりと頷いた。
「どうもな、ラモン」
ヴァンはわざとらしくラーサーの偽名を出して笑った。ラーサーは帝国の人物だ。憎むべき相手かもしれないが、ここまでパンネロを守ってくれた。そんなラーサーに怒るなんて気は更々無かった。
「あの時はすみません。」
ラーサーは、ヴァンに頭を下げる。そして視線をヴァンからパンネロに移し懐からあるものを取り出した。
「パンネロさん。これ、お守りがわりに」
ラーサーがパンネロに手渡したのは、人造破魔石だった。そして彼女に優しく微笑むと、ウォースラに向き直った。
「行きましょう」
ラーサーの言葉にウォースラは頷いた。
「私も行く」
別方向に行こうとする二人に声をかけたのはミアだった。
「お前は殿下を...」
「大丈夫。殿下はバッシュが守ってくれるから。それに、私がいたほうが準備できるでしょ?」
ウォースラの言葉をミアは遮る。ミアの揺るがない瞳に、ウォースラはわかったと折れるのだった。
「後は頼む」
「後は宜しくね」
二人の頼みにバッシュは強く頷いた。そして一行は二手に別れた。
*
ラーサーに先導される形で走るで、ミアとウォースラは別のポートに向かう。ラーサーの後ろ姿を見て、ミアは頼もしく思った。そして、帝国にもこんな人があるのだなと本来憎むべき敵であるのに何故かラーサーをそういう目で見れなかった。
「ミアさんは、僕の行動どう思いました?」
いつの間にか、ミアの隣にいたのかラーサーが彼女に声をかける。唐突な投げ掛けに、ミアは思っているとこをそのまま述べた。
「正直驚いた...
でも、それよりもラーサーの言葉が胸に響いたよ」
正体を知りながら、自分達を逃がそうとするラーサーの行動には確かに疑問を抱いた。だが、その裏に隠された彼の真意にミアは胸を打たれた。
この年で、こんなに自分の国の事を想い、考えてるなんて...
果たして、自分がラーサーと同じ年だったらこんな行動を出来るのだろうかとラーサーに感服してしまったのだ。
「私が、ラーサーくらいの年の時って何してたかな??」
ボソリと呟いたミアの言葉に反応したのはウォースラだった。
「大丈夫だ。今と変わらない」
「それっていい意味?悪い意味??」
「両方さ」
口角を上げるウォースラ。からかわれたとミアは頬を膨らませ、睨めつける。が、ミアのそんな顔はウォースラにとってどこ吹く風であった。
「お二人さん、そろそろ着きます」
ラーサーの言葉で、ミアは今の状況を思い出し、表情を引き締め直すのだった。
発着ポートにたどり着く。そこにあったのは、護送艦のアトモスだった。それを見た瞬間、ミアはとある人物の事が頭に思い浮かんだ。
アトモス...トロイ船じゃないかよ
脱出用の船がこれだと知ったら、きっと彼はげんなりするに違いない。バルフレアがいかにも言いそうな言葉を思い浮かべ、ミアは一人苦笑するのだった。
「では、僕はこれで...」
「助かった...」
「ありがとね!ラーサー」
立場上、いつまでもここにいる訳にはいかないラーサー。そんな彼に二人は感謝した。背を向けるラーサーを見て、ミアはこのまま育ってほしいと思わずにはいられなかった。
「ミア、俺は殿下達を呼びに行ってくる。後は頼んだぞ」
「りょーかい」
ウォースラが呼びに出ていったあと、ミアは一人操縦席に座った。
「出力よし...航路もよし」
後は皆が帰ってくるのを待つだけだとミアは、ゆっくりと息を吐き座席に凭れかかった。
早く帰ってこないかな...
腕を組み頭上へ。軽く背筋を伸ばすように腕を伸ばした。そんな彼女の耳に慌ただしい足音が聞こえてきた。
「ミア...戻ったぞ」
「お疲れさま、ウォースラ...」
ミアが後ろを向くと、ウォースラを先頭に次々と皆が入ってきた。
「全員乗った??」
「私で最後だ。ミア」
「りょーかい!」
ミアの返答に返事したのはバッシュだった。それにミアは軽く頷く。そして、体の向きを戻した。
「??ミアが動かすのか!?」
操縦席に座るミアを後ろからヴァンは覗き込んだ。
「...そうだよ。これくらいなら私でも動かせるからね」
ヴァンの問いに答えながら、ミアは手先を止めずにアトモスをゆっくりと動かし始める。
「早く早く!全開!!」
焦るパンネロの声。そんな彼女をミアは見て、安心させようとミアは微笑んだ。
「落ち着いて...大丈夫だから」
「ミアの言うとおりよ。それより皆屈んで」
ミアの考えにフランは賛同。そして、アトモスが外に出る前に屈むように言った。全ては他の艦艇に乗ってる兵士にバレないようにするためだ。案の定、外に出た途端、別の艦艇とすれ違った。
「アトモスが速いスピード出してたらバレてたでしょ?」
すれ違った後、ミアは後ろを向きパンネロに話しかけた。そんなミアにパンネロは頷く。それを確認すると隣りにいるアーシェの方に目線を向けた。
「とりあえず、ビュエルバに向かいます。いいですか?」
「...はい」
アーシェの許可が降りたのを確認すると、ミアは前を向いた。設定した通りの航路に合わせてミアはアトモスを動かすのだった。