戦艦リヴァイアサン
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「連行しました」
戦艦リヴァイアサンの発着ポートに連行された一行。ミアは目の前にいる人物を見て目に涙をためた。
「アマリア...」
無事で良かったと安堵したのだ。一方のアマリアも驚きの表情でミアを見た。その表情は柔らかかった。だが、その隣にいる人物の正体に気づくと一気に表情が険しくなった。
「殿下...」
アマリアがキツく睨めつける先にいたのはバッシュだったのだ。ズンズンとバッシュの目の前まで歩いたアマリアは手を上げる。が、それは振り下ろされることは無かった。
「どいて...ミア」
バッシュを守るかのようにミアが立ち塞がったからだ。
「いくら貴女のご命令でも、退きません」
先程、安堵した表情を見せあっていた二人が今は睨み合っていた。険悪なムード。一悶着あるかに思われたが、それはある人物により水を刺されるのだった。
「君達、いささか頭が高いのではないかな。
旧ダルマスカの王女...
アーシェ・バナルガン・ダルマスカ殿下の御前であるぞ?」
「こいつが!?」
ヴァンがたまらず声を上げた。まさか、オンドール侯爵により自殺を発表された筈の王女が目の前の人物とは思わなかったからだ。一方のバルフレアとフランも二人で顔を見合わせていた。薄っすらとだが、その王女なのではと予感は感じ取っていた。が、まさかと流していたのだ。だから、流石の二人もそれが事実だと耳にして、動揺を隠しきれなかったのだ。
「もっとも、身分を証明するものは無いのでね
...今は反乱軍の一員にすぎない」
「解放軍です」
ギースのギスギスとした言い方。ミアはその言い方にたまらず唇を噛み締めた。そんな彼女の気持ちを代弁するかのように低い声でアーシェは訂正した。アーシェもミアと同じような厳しい表情。そして俯いてしまった。
そんな彼女にギースは気を止めることなく話を続けた。
「執政官閣下はダルマスカの安定のため、旧王族の協力を望んでおられる。
だが、証拠も無く王族の名をかかげ、いたずらに治安と人心を乱す者には、例外なく処刑台があてがわれましょう」
「誰がヴェインの手先になど!!」
アーシェはギースの台詞を振り払うように、怒鳴りつけた。
「亡きラミナス陛下から預かったものがある。
万一の時には私からアーシェ殿下に渡せと命じられた。
ダルマスカ王家の証し...黄昏の破片
殿下の正統性を保証するものだ。私だけが在り処を知っている」
「待て!父を殺しておきながら何故私を!
生き恥をさらせと言うのか!」
バッシュの台詞に、アーシェがまたも怒鳴り散らす。冷静になったミアは、バッシュの言葉にあれ?と記憶を呼び起こした。
確かその証は...
ミアはヴァンの方を振り向く。ヴァンは突然振り返ったミアを不思議そうに見つめ返した。ヴァンを見た後、ゆっくりとミアは視線を前方に戻すのだった。
ヴァンが盗んだやつだよね...
「それが王家の義務であるなら」
アーシェの言葉に淡々とバッシュは返した。
「いい加減にしろよ。お前と一緒に処刑なんてイヤだからな」
一部始終を見ていたヴァンは遂に啖呵を切る。助ける為にバッシュは必死になってるのにあまりにも自己中心的な彼女に流石に腹がたったのだ。
「黙れ!」
そう言われたヴァンは、ん?と違和感を覚える。そして自身のポケットに入れていた物を取り出した。それはヴァンが王宮で盗んだ女神の魔石だった。それはオレンジ色の光を放っていた。
「ヴァン、それは…!」
バッシュはヴァンの手にある魔石を見るとまさか...と驚きの声を上げた。
「王宮の宝物庫で...」
バッシュの考えは確信へと変わり、ミアを見る。ミアは苦笑いを浮かべていた。
「おいおい...」
げんなりした顔でバルフレアが覗き込む。そんな中、ギースの高笑いした声が響き渡った。
「はっはっはっ!けっこう!
もう用意してありましたか。
手回しの良い事だ」
ヴァンが手に持っていた女神の魔石は、実はダルマスカ王家の証...黄昏の破片だったのだ。
ギースは気分揚揚でヴァンの前に手を差し出した。その手は早く渡せと催促していた。
「やめなさい!」
止めさせようとアーシェが声を上げる。が、後ろに控えていた二人の兵士に動きを押させられてしまう。
選択を迫られたヴァンは周りを見渡す。バルフレアは顎で促し、フランとミアは頷いていた。その反応を見たヴァンは取るべき選択を決める。
「約束しろよ、処刑はなしだ」
ヴァンは持っていた黄昏の破片をギースに手渡した。
「ジャッジは法の番人だ。
連行しろ、アーシェ殿下だけは別の部屋へ」
もう用済みだとギースは背を向けた。ガクリとうなだれるアーシェは一人別の場所へ連れて行かれてしまう。それをただ見てる事しかできないミアはたまらず拳を握りしめる。その彼女の瞳は諦めた色をしていなかった。何かを絶対にやり遂げようとする力強い目だった。
戦艦リヴァイアサンの発着ポートに連行された一行。ミアは目の前にいる人物を見て目に涙をためた。
「アマリア...」
無事で良かったと安堵したのだ。一方のアマリアも驚きの表情でミアを見た。その表情は柔らかかった。だが、その隣にいる人物の正体に気づくと一気に表情が険しくなった。
「殿下...」
アマリアがキツく睨めつける先にいたのはバッシュだったのだ。ズンズンとバッシュの目の前まで歩いたアマリアは手を上げる。が、それは振り下ろされることは無かった。
「どいて...ミア」
バッシュを守るかのようにミアが立ち塞がったからだ。
「いくら貴女のご命令でも、退きません」
先程、安堵した表情を見せあっていた二人が今は睨み合っていた。険悪なムード。一悶着あるかに思われたが、それはある人物により水を刺されるのだった。
「君達、いささか頭が高いのではないかな。
旧ダルマスカの王女...
アーシェ・バナルガン・ダルマスカ殿下の御前であるぞ?」
「こいつが!?」
ヴァンがたまらず声を上げた。まさか、オンドール侯爵により自殺を発表された筈の王女が目の前の人物とは思わなかったからだ。一方のバルフレアとフランも二人で顔を見合わせていた。薄っすらとだが、その王女なのではと予感は感じ取っていた。が、まさかと流していたのだ。だから、流石の二人もそれが事実だと耳にして、動揺を隠しきれなかったのだ。
「もっとも、身分を証明するものは無いのでね
...今は反乱軍の一員にすぎない」
「解放軍です」
ギースのギスギスとした言い方。ミアはその言い方にたまらず唇を噛み締めた。そんな彼女の気持ちを代弁するかのように低い声でアーシェは訂正した。アーシェもミアと同じような厳しい表情。そして俯いてしまった。
そんな彼女にギースは気を止めることなく話を続けた。
「執政官閣下はダルマスカの安定のため、旧王族の協力を望んでおられる。
だが、証拠も無く王族の名をかかげ、いたずらに治安と人心を乱す者には、例外なく処刑台があてがわれましょう」
「誰がヴェインの手先になど!!」
アーシェはギースの台詞を振り払うように、怒鳴りつけた。
「亡きラミナス陛下から預かったものがある。
万一の時には私からアーシェ殿下に渡せと命じられた。
ダルマスカ王家の証し...黄昏の破片
殿下の正統性を保証するものだ。私だけが在り処を知っている」
「待て!父を殺しておきながら何故私を!
生き恥をさらせと言うのか!」
バッシュの台詞に、アーシェがまたも怒鳴り散らす。冷静になったミアは、バッシュの言葉にあれ?と記憶を呼び起こした。
確かその証は...
ミアはヴァンの方を振り向く。ヴァンは突然振り返ったミアを不思議そうに見つめ返した。ヴァンを見た後、ゆっくりとミアは視線を前方に戻すのだった。
ヴァンが盗んだやつだよね...
「それが王家の義務であるなら」
アーシェの言葉に淡々とバッシュは返した。
「いい加減にしろよ。お前と一緒に処刑なんてイヤだからな」
一部始終を見ていたヴァンは遂に啖呵を切る。助ける為にバッシュは必死になってるのにあまりにも自己中心的な彼女に流石に腹がたったのだ。
「黙れ!」
そう言われたヴァンは、ん?と違和感を覚える。そして自身のポケットに入れていた物を取り出した。それはヴァンが王宮で盗んだ女神の魔石だった。それはオレンジ色の光を放っていた。
「ヴァン、それは…!」
バッシュはヴァンの手にある魔石を見るとまさか...と驚きの声を上げた。
「王宮の宝物庫で...」
バッシュの考えは確信へと変わり、ミアを見る。ミアは苦笑いを浮かべていた。
「おいおい...」
げんなりした顔でバルフレアが覗き込む。そんな中、ギースの高笑いした声が響き渡った。
「はっはっはっ!けっこう!
もう用意してありましたか。
手回しの良い事だ」
ヴァンが手に持っていた女神の魔石は、実はダルマスカ王家の証...黄昏の破片だったのだ。
ギースは気分揚揚でヴァンの前に手を差し出した。その手は早く渡せと催促していた。
「やめなさい!」
止めさせようとアーシェが声を上げる。が、後ろに控えていた二人の兵士に動きを押させられてしまう。
選択を迫られたヴァンは周りを見渡す。バルフレアは顎で促し、フランとミアは頷いていた。その反応を見たヴァンは取るべき選択を決める。
「約束しろよ、処刑はなしだ」
ヴァンは持っていた黄昏の破片をギースに手渡した。
「ジャッジは法の番人だ。
連行しろ、アーシェ殿下だけは別の部屋へ」
もう用済みだとギースは背を向けた。ガクリとうなだれるアーシェは一人別の場所へ連れて行かれてしまう。それをただ見てる事しかできないミアはたまらず拳を握りしめる。その彼女の瞳は諦めた色をしていなかった。何かを絶対にやり遂げようとする力強い目だった。