オンドール侯爵の屋敷へ
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「ヴァン!!凄い!!」
酒場を出た途端、ミアはヴァンに抱きついた。
「へへ!!見直したか!」
「ウンウン」
得意げに鼻をかくヴァン。そんなヴァンにミアは素直に尊敬の目を向けた。そんな二人を面白くない顔でバルフレアは見ていた。そして中断させるかのようにわざとらしくゴホンと咳を出した。
「さて...侯爵に会うまで時間があるが...」
「俺さ!!バッシュに色々教わりたいんだけど」
勢いよく手を上げたヴァン。そして様子を伺うようにヴァンはバッシュを見た。
「もちろんだ」
そんなヴァンを拒む事なくバッシュは承諾した。
「ミア...お前はどうする?」
バルフレアに話を振られたミアは返答に困る。ヴァンに便乗する形でバッシュに稽古をつけてもらうのもありだ。これから先、アマリアを守るためにもそれが今すべきなのだ。と、頭の中ではそう思ってる。だが、実際ミアの本心は違う方向に向いていた。今、自分がいるのは観光地として有名なビュエルバだ。
「....うーん」
悩むミアの背中を押したのはバッシュだった。優しそうな眼差しでバッシュはミアを見た。
「ミア...自分の今やりたいことをしなさい」
「いいの?」
「もちろんだ。少しは羽根を伸ばしなさい」
今のミアは親に許可がおりるのを待つ子どもそのもの。こんなミアを見れる日が来るとは夢見たいだとバッシュは目を細めた。バッシュ的にはもう少しワガママを言ってほしいくらいだ。
「じゃあ...私この街回りたい!!」
「それじゃ、俺が案内してやるよ」
「ホント!?ヤッタ~!
フランは??フランはどうするの?」
ミアは嬉しそうに飛び跳ねると話をフランに振った。
「私はのんびり時間をつぶすわ。二人で行ってきなさい」
そんなフランにバルフレアは近づく。そしてフランの耳に声をひそめて囁いた。
「余計な気を使わせたか?」
「あら?そんなことは無いわよ。
ちゃんと楽しませてあげるのよ」
フランは未だにはしゃぐミアを横目に見つつバルフレアに向き直る。その顔は状況を楽しんでるかのようないたずら顔。たまらず、バルフレアは顔を顰めるが、直ぐに癖のある笑みを浮かべる。
「誰に言ってんだ?楽しませるに決まってるだろ?」
相棒のフランにそう言い残すとバルフレアはミアを呼び人混みに消えていくのだった。
*
「ねぇ!何処に連れてってくれるの?」
期待した目で見るミアをバルフレアは目を細め嬉しそうに笑みを浮かべる。今のミアは騎士の一人として大人びた顔は無く、その一面を脱いだ年より少し幼びた少女に見えたからだ。
「黙って俺について来い」
バルフレアはさり気なくミアの手を取った。え!?と突然の事過ぎて思考が追いつかず、手を握られてると理解するとミアは顔をほんのり赤く染めた。そのミアの反応を見てバルフレアは口角を上げるのだった。
そこからミアにとっては全てが新鮮そのもの。訪れた場所所々でミアは目を輝かせた。そしてミアはふと傍にいるバルフレアに目線を映す度、胸が高鳴るのだった。だが、その感情を覚える度、胸が締め付けられた。
いつから、この瞳に囚われてしまったのだろう?
ミアはバルフレアのヘーゼルグリーンの瞳に惹き込まれながら思った。
最初は、兄がいたらこんな感覚を抱くのかなと彼をそんな風に見ていた。だが、いつからか違うのではないか?と思い始めた。そしていつの間にかバルフレアを見ると毎度、胸が熱くなるのを感じるようになった。
「どうした?」
「ううん...なんでもないよ」
じっと見ているミアの目線に気づきたまらずバルフレアは声をかけた。慌ててミアは首を横に振った。
「もしかして俺に見惚れてたか?」
「ホント、自意識過剰だよね。バルフレアって...」
「あぁ?なんだとコラ!」
眉間に皺を寄せ、バルフレアはミアを小突いた。対してミアは笑いながらその小突きを受けた。
ずっとこんな楽しい時間が続けばいいのに...
だけどそういうわけにはいかないのだ。だからこそこの今を全力で楽しもうと決めた。
「あ!バルフレア!!見てみて」
じゃれ合う手を止めミアは町の外に目をやった。すでに時刻は夕暮れ時。空に浮かぶビュエルバも沈みかけた太陽の光でオレンジ色に染まっていた。そして、手に今にも届きそうな浮かんだ雲も同様に綺麗に染まっていた。
ここでしかお目にかかれないだろう絶景にミアは胸が踊った。
「お気に召したかい?」
「もちろんだよ...ありがとね!バルフレア」
ミアは手を後ろに組んでバルフレアに向き直る。そして弾けるような笑顔を見せるのだ。そんなミアの顔は夕日に照らされていることでいつにも増してバルフレアには綺麗に見え、心を奪われるのだった。
「大したことはしてないさ...」
バルフレアは誤魔化すかのようにミアから目線を外す。そして、時間だと彼女を促し集合場所に向かうのだった。
酒場を出た途端、ミアはヴァンに抱きついた。
「へへ!!見直したか!」
「ウンウン」
得意げに鼻をかくヴァン。そんなヴァンにミアは素直に尊敬の目を向けた。そんな二人を面白くない顔でバルフレアは見ていた。そして中断させるかのようにわざとらしくゴホンと咳を出した。
「さて...侯爵に会うまで時間があるが...」
「俺さ!!バッシュに色々教わりたいんだけど」
勢いよく手を上げたヴァン。そして様子を伺うようにヴァンはバッシュを見た。
「もちろんだ」
そんなヴァンを拒む事なくバッシュは承諾した。
「ミア...お前はどうする?」
バルフレアに話を振られたミアは返答に困る。ヴァンに便乗する形でバッシュに稽古をつけてもらうのもありだ。これから先、アマリアを守るためにもそれが今すべきなのだ。と、頭の中ではそう思ってる。だが、実際ミアの本心は違う方向に向いていた。今、自分がいるのは観光地として有名なビュエルバだ。
「....うーん」
悩むミアの背中を押したのはバッシュだった。優しそうな眼差しでバッシュはミアを見た。
「ミア...自分の今やりたいことをしなさい」
「いいの?」
「もちろんだ。少しは羽根を伸ばしなさい」
今のミアは親に許可がおりるのを待つ子どもそのもの。こんなミアを見れる日が来るとは夢見たいだとバッシュは目を細めた。バッシュ的にはもう少しワガママを言ってほしいくらいだ。
「じゃあ...私この街回りたい!!」
「それじゃ、俺が案内してやるよ」
「ホント!?ヤッタ~!
フランは??フランはどうするの?」
ミアは嬉しそうに飛び跳ねると話をフランに振った。
「私はのんびり時間をつぶすわ。二人で行ってきなさい」
そんなフランにバルフレアは近づく。そしてフランの耳に声をひそめて囁いた。
「余計な気を使わせたか?」
「あら?そんなことは無いわよ。
ちゃんと楽しませてあげるのよ」
フランは未だにはしゃぐミアを横目に見つつバルフレアに向き直る。その顔は状況を楽しんでるかのようないたずら顔。たまらず、バルフレアは顔を顰めるが、直ぐに癖のある笑みを浮かべる。
「誰に言ってんだ?楽しませるに決まってるだろ?」
相棒のフランにそう言い残すとバルフレアはミアを呼び人混みに消えていくのだった。
*
「ねぇ!何処に連れてってくれるの?」
期待した目で見るミアをバルフレアは目を細め嬉しそうに笑みを浮かべる。今のミアは騎士の一人として大人びた顔は無く、その一面を脱いだ年より少し幼びた少女に見えたからだ。
「黙って俺について来い」
バルフレアはさり気なくミアの手を取った。え!?と突然の事過ぎて思考が追いつかず、手を握られてると理解するとミアは顔をほんのり赤く染めた。そのミアの反応を見てバルフレアは口角を上げるのだった。
そこからミアにとっては全てが新鮮そのもの。訪れた場所所々でミアは目を輝かせた。そしてミアはふと傍にいるバルフレアに目線を映す度、胸が高鳴るのだった。だが、その感情を覚える度、胸が締め付けられた。
いつから、この瞳に囚われてしまったのだろう?
ミアはバルフレアのヘーゼルグリーンの瞳に惹き込まれながら思った。
最初は、兄がいたらこんな感覚を抱くのかなと彼をそんな風に見ていた。だが、いつからか違うのではないか?と思い始めた。そしていつの間にかバルフレアを見ると毎度、胸が熱くなるのを感じるようになった。
「どうした?」
「ううん...なんでもないよ」
じっと見ているミアの目線に気づきたまらずバルフレアは声をかけた。慌ててミアは首を横に振った。
「もしかして俺に見惚れてたか?」
「ホント、自意識過剰だよね。バルフレアって...」
「あぁ?なんだとコラ!」
眉間に皺を寄せ、バルフレアはミアを小突いた。対してミアは笑いながらその小突きを受けた。
ずっとこんな楽しい時間が続けばいいのに...
だけどそういうわけにはいかないのだ。だからこそこの今を全力で楽しもうと決めた。
「あ!バルフレア!!見てみて」
じゃれ合う手を止めミアは町の外に目をやった。すでに時刻は夕暮れ時。空に浮かぶビュエルバも沈みかけた太陽の光でオレンジ色に染まっていた。そして、手に今にも届きそうな浮かんだ雲も同様に綺麗に染まっていた。
ここでしかお目にかかれないだろう絶景にミアは胸が踊った。
「お気に召したかい?」
「もちろんだよ...ありがとね!バルフレア」
ミアは手を後ろに組んでバルフレアに向き直る。そして弾けるような笑顔を見せるのだ。そんなミアの顔は夕日に照らされていることでいつにも増してバルフレアには綺麗に見え、心を奪われるのだった。
「大したことはしてないさ...」
バルフレアは誤魔化すかのようにミアから目線を外す。そして、時間だと彼女を促し集合場所に向かうのだった。