チカチカと薄暗い照明が灯る部屋で、アタフタと忙しく大勢の人達が準備をしていた。そして、中央の机では施設の図面を気難しそうに見つめる男達とそこに混じり二人の女性がいた。

「最終確認だ...」

組んでた腕を下ろした一人の男が周りを囲むメンバーを見渡した。


今日は大事な決行日。

地下に潜って早2年。
ずっと様子を伺ってきた。
奪われた祖国であるダルマスカを取り戻すために。

今、王宮では執政官就任パーティをが行われている。彼ら達はパーティで緊張が緩んでいるこの隙を狙い奇襲をしかけようとしていたのだ。


作戦を確認すると彼らは持ち場に向け部屋を出ていき、部屋に残ったのは指揮をとっていた男含め3人になった。

「アマリアは不安？？」

「ミア....」

椅子に座り込んだまま俯く女性...アマリアは顔を上げた。そこには碧色の瞳で心配そうに彼女を覗き込む女性...ミアがいた。

「いいえ...平気よ。だって、私にはウォースラとミアが付いてるから」

アマリアは立ち上がるとミアともう一人残っていた男...ウォースラの顔を見た。

「全力で貴女をお守りします」

「ご期待に添えるよう頑張ります」

二人は顔を見合わせ頷いた後、胸に手を置きアマリアに頭を下げるのだった。