遙の葛藤、皆の想い
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地方大会以降、遙は何かを追い求めるように水を求めるようになった。迷いの見える泳ぎに、皆は遙を心配そうに見守っていた。
だが、遙の些細な異変はメドレーリレーにも影響を及ぼしはじめる。各々の自己タイムは確実に伸びているのにも関わらずリレーのタイムが伸びないのだ。
そのことに皆頭を悩ませると同時にその理由に気づいていた。と同時にこのままでは駄目だと感じていた。
そんなとある放課後、岩鳶高校の正門前には誰かを待ち構えるようにもたれかかる宗介の姿があった。
待っていたのはもちろん遙。
彼の姿を見つけると宗介は校舎の間に連れ立った。
「なんのようだ??」
「お前…この間の大会で立っちまったんだってな」
「お前には関係ないことだ」
「俺になくても凛にはある
お前が立ち止まると凛まで立ち止まっちまうかもしれない」
宗介自体、遙を認めたわけではない。
それでも、凛にとって遙の存在がでかいことがわかっていた。
遙と泳ぐことで凛の可能性が引き出されることに気づいていたからこそ彼に立ち止まって欲しくなかったのだ。
「お前はなんでそんなに凛にこだわる??」
「俺はアイツに世界の舞台に立ってほしいんだ。俺が立てなかった世界の舞台に」
その言葉に遙は感づき目を伏せ俯く。
その彼に宗介は畳み掛けるように言葉を紡ぐ。
「お前は力を持ってんだ
いつまでもグダグダしてんじゃねぇ!!
踏み出すんだよ前へ!!!」
言いたいことを言い切った宗介はそのまま立ち去った。
ふぁ〜〜〜疲れた〜〜
怜の自宅で勉強をしていた渚は机に伸び切り脱力する。
其の様子に怜は勉強していた手を止める。
「今日はここまでにしておきますか?」
「いや、もう少し次のページまでやっちゃおう!
丁度切りが良いし」
だが、怜の予想とは裏腹に渚は上体を起こすとペンを持ち教材に向き合う。
「以前だったら渚くんのほうから終わりにしようって言っていたのに…」
そんな渚を怜は不思議そうに見た。
「水泳と勉強…両立するって約束したしね」
「わかりました。でも、少し休憩を挟みましょう」
怜の言葉に渚は頷くと思い切り背伸びをして床に転がり込んだ。その時、怜の棚に置いてあるトロフィーに並ぶように置かれているものに渚は気づく。
「あぁ〜!コレって!!」
「去年、遙先輩が新入部員獲得のために作った木彫りの岩鳶ペンギンストラップです」
「怜ちゃん大事に持ってたんだ」
渚は上体を起こすと、飾られているそのストラップを手に取り懐かしそうに見つめた。
「去年はハルちゃんはただプールで泳ぎたい一心で部員集めようとしてコレ作ったんだよね」
「えぇ」
「来年は新入部員入るかな」
しんみりと呟く渚の言葉に怜はこう呟いた。
「入るに決まってますよ
だって僕たち全国大会に行くんですから。
実績のある部に新入部員が集まらないわけがない」
そう言った怜だが、ある事実を思い出し寂しそうにこう続ける。
「でも全国大会が終われば3年の遙先輩と真琴先輩と蒼先輩は引退しちゃうんですよね」
その言葉に渚も暗い表情になり膝を抱えるように座り直す。
その手にはイワトビペンギンストラップが握りしめられていた。
「ハルちゃんはどうするのかな?」
その嘆きに怜は意を決したように口を開く。
「渚くんは、遙先輩にどうなってほしいと思ってるんですか?」
その言葉に渚は淋しげに口を開く。
「僕も怜ちゃんと同じ。
ハルちゃんにはいつまでもハルちゃんらしく居てほしいと思う。
だから、迷ってるハルちゃんを見たくないかな」
「…渚くん」
渚の言葉に怜は小さく彼の名前を呟くと怜は心に思っている想いを投げかけた。
「5人で泳ぐ最後の大会なのに…僕たちこのままでいいんでしょうか?」
その言葉に渚は小さく頷く。
「だよね…
やっぱりハルちゃんに話したほうがいいと思う。
僕たちの気持ちを…」
だが、遙の些細な異変はメドレーリレーにも影響を及ぼしはじめる。各々の自己タイムは確実に伸びているのにも関わらずリレーのタイムが伸びないのだ。
そのことに皆頭を悩ませると同時にその理由に気づいていた。と同時にこのままでは駄目だと感じていた。
そんなとある放課後、岩鳶高校の正門前には誰かを待ち構えるようにもたれかかる宗介の姿があった。
待っていたのはもちろん遙。
彼の姿を見つけると宗介は校舎の間に連れ立った。
「なんのようだ??」
「お前…この間の大会で立っちまったんだってな」
「お前には関係ないことだ」
「俺になくても凛にはある
お前が立ち止まると凛まで立ち止まっちまうかもしれない」
宗介自体、遙を認めたわけではない。
それでも、凛にとって遙の存在がでかいことがわかっていた。
遙と泳ぐことで凛の可能性が引き出されることに気づいていたからこそ彼に立ち止まって欲しくなかったのだ。
「お前はなんでそんなに凛にこだわる??」
「俺はアイツに世界の舞台に立ってほしいんだ。俺が立てなかった世界の舞台に」
その言葉に遙は感づき目を伏せ俯く。
その彼に宗介は畳み掛けるように言葉を紡ぐ。
「お前は力を持ってんだ
いつまでもグダグダしてんじゃねぇ!!
踏み出すんだよ前へ!!!」
言いたいことを言い切った宗介はそのまま立ち去った。
ふぁ〜〜〜疲れた〜〜
怜の自宅で勉強をしていた渚は机に伸び切り脱力する。
其の様子に怜は勉強していた手を止める。
「今日はここまでにしておきますか?」
「いや、もう少し次のページまでやっちゃおう!
丁度切りが良いし」
だが、怜の予想とは裏腹に渚は上体を起こすとペンを持ち教材に向き合う。
「以前だったら渚くんのほうから終わりにしようって言っていたのに…」
そんな渚を怜は不思議そうに見た。
「水泳と勉強…両立するって約束したしね」
「わかりました。でも、少し休憩を挟みましょう」
怜の言葉に渚は頷くと思い切り背伸びをして床に転がり込んだ。その時、怜の棚に置いてあるトロフィーに並ぶように置かれているものに渚は気づく。
「あぁ〜!コレって!!」
「去年、遙先輩が新入部員獲得のために作った木彫りの岩鳶ペンギンストラップです」
「怜ちゃん大事に持ってたんだ」
渚は上体を起こすと、飾られているそのストラップを手に取り懐かしそうに見つめた。
「去年はハルちゃんはただプールで泳ぎたい一心で部員集めようとしてコレ作ったんだよね」
「えぇ」
「来年は新入部員入るかな」
しんみりと呟く渚の言葉に怜はこう呟いた。
「入るに決まってますよ
だって僕たち全国大会に行くんですから。
実績のある部に新入部員が集まらないわけがない」
そう言った怜だが、ある事実を思い出し寂しそうにこう続ける。
「でも全国大会が終われば3年の遙先輩と真琴先輩と蒼先輩は引退しちゃうんですよね」
その言葉に渚も暗い表情になり膝を抱えるように座り直す。
その手にはイワトビペンギンストラップが握りしめられていた。
「ハルちゃんはどうするのかな?」
その嘆きに怜は意を決したように口を開く。
「渚くんは、遙先輩にどうなってほしいと思ってるんですか?」
その言葉に渚は淋しげに口を開く。
「僕も怜ちゃんと同じ。
ハルちゃんにはいつまでもハルちゃんらしく居てほしいと思う。
だから、迷ってるハルちゃんを見たくないかな」
「…渚くん」
渚の言葉に怜は小さく彼の名前を呟くと怜は心に思っている想いを投げかけた。
「5人で泳ぐ最後の大会なのに…僕たちこのままでいいんでしょうか?」
その言葉に渚は小さく頷く。
「だよね…
やっぱりハルちゃんに話したほうがいいと思う。
僕たちの気持ちを…」