スカウトのプレッシャー
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「いよいよだね!!」
「緊張してきました」
「そうだね」
会場に着き、意気込み渚と怜と蒼。そんな3人を見て小さく笑みを浮かべる真琴だが、つい隣に目線を向けると俯いたまま暗い顔をする遙がいて、心配になり思わず声をかける。
「どうしたの??ハル??」
「別に…」
真琴の言葉に遙は目を逸らせる。
その様子に何かあったのだろうと思う真琴だが、遠方から応援に駆けつけた人たちの登場で聞くタイミングを逃してしまう。
対して、渚はいま来た人たちの中にある人物がいないことに疑問を抱いた。
「あれ??笹部コーチは??」
「スイミングクラブのほうが忙しくて今日は無理だそうよ」
天方の言葉に渚は不服そうに声を上げる。
「えぇ〜〜!!ひどいよ!!吾郎ちゃん!!」
そんな話が展開される中、遙の耳に入るのは全く別の声だった。
「おい…あそこに居るの大学のスカウトじゃないか??」
「向こうにいるのもそうだなぁ」
「一杯きてるなぁ」
「あぁ…ここで良い泳ぎをすれば
それだけ沢山の学校から声がかかるってことだ」
暗い瞳で声が聞こえる方を睨みつける遙。
微動だにしない遙を心配して真琴が何度も名前を呼ぶ。
そして何度目かでようやく声が届いたのかハッとした表情でこちらを遙が向くのだった。
「ハル??」
「ほんとに大丈夫??」
振り向くと遙が見たのは心配そうに自分を覗き込む真琴。
「あぁ…なんでもない」
後ろめたさを感じながら遙は視線をそらして答えるのだった。
「真琴は決勝に残れなかったみたいだなぁ」
自由形の前に行われた背泳の試合。
出場した真琴は組の中で4番手。残念ながら、決勝に残れなかったのだ。
そして凛と遙は、自由形の試合の招集の時間になり、プールサイドに続く道を歩いていたのだ。
「あぁ」
「ハル…お前心は決めたか??」
「別に」
その言葉に凛は顔をしかめながら遙を見た。
「別にじゃねーだろ…県大会の後俺のところにもいくつかスカウトの話は来た。お前のところにも来てるだろ?」
立ち止まる遙の前に回り込み、凛は彼を見つめるが俯いたまま無言の状態。そんな彼に凛は小さく息をつくと背を向け歩き出した
「まぁいい
この話は試合が終わった後だ
俺は先に行くぜ」
男子自由形5組…
「今回は遙先輩と同じ組じゃないんですね」
怜の言葉に渚が反応する。
「ハルちゃんは次の組だよ」
そんな中、泳ぎ終わった真琴が帰ってくる。そんな彼に気づき渚と怜と蒼が労いの言葉をかける。
「おかえり」
「お疲れさまです」
「お疲れ…真琴」
「ありがとう」
そして始まった凜の試合。
グングンと凛は加速。ターンの前に凛はトップに躍り出る。そのままターンをすると凛はそこで更に周囲との差を広げてくる。
そして凛は1位で泳ぎ終える。凜のタイムは決勝出場レベルのタイムに応援していたメンバーは喜びの声を上げた。
男子自由形6組…
皆が注目を集める中、遙は飛び出す。
だが、いつもと違う遙の泳ぎに真琴と蒼が不安そうに見つめる。
そして、二人の危惧していたことは現実に。
プレッシャーを感じた遙は重たい水に絡め取られる自分を感じ思わず泳ぐことをやめて立ち上がってしまったのだ。
そのことに周囲にどよめきが走る中、遙は天を仰ぐ。
そんな彼の姿に一番衝撃を受けたのは紛れもない凛自身だった。
「ハル!!!
てめぇ…何やってんだよ。なんであんな事をした!!」
明かりも付けず一人ロッカーにいた遙を見つけ凛は怒涛の勢いで彼にズンズンと大股で詰め寄ると遙の右腕を掴む。
「お前には関係ない」
「ふざけんな。スカウトが注目している大事な試合なんだぞ」
必死に罵倒したい感情を押し殺しながらも遙に言う凛だが、遙から発せられる言葉に呆気にとられてしまう。
「それがどうした
スカウトが見てるから?
大勢の前で記録を出したいから?
おれはそんなもののために泳いでるんじゃない」
顔を上げた遙の瞳に宿るのは強い意志。それを感じ取った凛は真剣な面付きになる。
「じゃあお前はなんのために泳ぐんだ?」
「俺自身と仲間のために」
その言葉を聞き、凛はさらに眼光を鋭くして畳み掛ける。
「だったらその仲間のためにも自分のためにも泳げよ!!
それが自分の将来につながるってことがわかんねぇのか
お前には夢ってものがないのかよ
もっと本気でぶつかってみろよ
お前ならきっと」
凜の言葉をジッと聞いていた遙。だが、遂に抑えきれない苛立ちが爆発して力任せに後ろのロッカーを肘で叩きつける。
その音に…睨みつけてくる遙自身を見て…凛は口を閉ざし目を丸くした。
「わかってないのはお前だ
夢ってなんだ??
将来ってなんだ??
それはお前のだろ!!俺はお前とは違う!!俺にはそんなものはない!」
遙の怒声を浴びた凛は淋しげにその場に立ち尽くす。
そんな彼を放り遙は背を向けると入り口に歩き出す。
が、入り口の前にはいつからいたのか自分の仲間達がいて彼らの前で遙は立ち止まった。
驚きの表情を覗かせる彼らに遙は優しく語りかけるのだった。
「お前たち来てたのか…
大丈夫だ。渚・怜・真琴・蒼
俺はリレーを泳ぐ。そのためにここまで来たんだ」
こうして遙の個人種目は終わる。
その後、渚のブレ…怜のバッタ…
自己新を出すものの地方大会の壁は厚く、全国には及ばなかった。
だが、凜のバッタは圧倒的な泳ぎを皆に見せつける。その泳ぎに観客席にいる誰もが目を瞠る。
その凜の泳ぎをジッとそれを見ていた遙だが、誰にも何も言うことなく一人立ち去る。
男子勢の専門種目でも全国への挑戦は幕を閉じる。一方、女子の戦いが火蓋を切ろうとしていた。
「緊張してきました」
「そうだね」
会場に着き、意気込み渚と怜と蒼。そんな3人を見て小さく笑みを浮かべる真琴だが、つい隣に目線を向けると俯いたまま暗い顔をする遙がいて、心配になり思わず声をかける。
「どうしたの??ハル??」
「別に…」
真琴の言葉に遙は目を逸らせる。
その様子に何かあったのだろうと思う真琴だが、遠方から応援に駆けつけた人たちの登場で聞くタイミングを逃してしまう。
対して、渚はいま来た人たちの中にある人物がいないことに疑問を抱いた。
「あれ??笹部コーチは??」
「スイミングクラブのほうが忙しくて今日は無理だそうよ」
天方の言葉に渚は不服そうに声を上げる。
「えぇ〜〜!!ひどいよ!!吾郎ちゃん!!」
そんな話が展開される中、遙の耳に入るのは全く別の声だった。
「おい…あそこに居るの大学のスカウトじゃないか??」
「向こうにいるのもそうだなぁ」
「一杯きてるなぁ」
「あぁ…ここで良い泳ぎをすれば
それだけ沢山の学校から声がかかるってことだ」
暗い瞳で声が聞こえる方を睨みつける遙。
微動だにしない遙を心配して真琴が何度も名前を呼ぶ。
そして何度目かでようやく声が届いたのかハッとした表情でこちらを遙が向くのだった。
「ハル??」
「ほんとに大丈夫??」
振り向くと遙が見たのは心配そうに自分を覗き込む真琴。
「あぁ…なんでもない」
後ろめたさを感じながら遙は視線をそらして答えるのだった。
「真琴は決勝に残れなかったみたいだなぁ」
自由形の前に行われた背泳の試合。
出場した真琴は組の中で4番手。残念ながら、決勝に残れなかったのだ。
そして凛と遙は、自由形の試合の招集の時間になり、プールサイドに続く道を歩いていたのだ。
「あぁ」
「ハル…お前心は決めたか??」
「別に」
その言葉に凛は顔をしかめながら遙を見た。
「別にじゃねーだろ…県大会の後俺のところにもいくつかスカウトの話は来た。お前のところにも来てるだろ?」
立ち止まる遙の前に回り込み、凛は彼を見つめるが俯いたまま無言の状態。そんな彼に凛は小さく息をつくと背を向け歩き出した
「まぁいい
この話は試合が終わった後だ
俺は先に行くぜ」
男子自由形5組…
「今回は遙先輩と同じ組じゃないんですね」
怜の言葉に渚が反応する。
「ハルちゃんは次の組だよ」
そんな中、泳ぎ終わった真琴が帰ってくる。そんな彼に気づき渚と怜と蒼が労いの言葉をかける。
「おかえり」
「お疲れさまです」
「お疲れ…真琴」
「ありがとう」
そして始まった凜の試合。
グングンと凛は加速。ターンの前に凛はトップに躍り出る。そのままターンをすると凛はそこで更に周囲との差を広げてくる。
そして凛は1位で泳ぎ終える。凜のタイムは決勝出場レベルのタイムに応援していたメンバーは喜びの声を上げた。
男子自由形6組…
皆が注目を集める中、遙は飛び出す。
だが、いつもと違う遙の泳ぎに真琴と蒼が不安そうに見つめる。
そして、二人の危惧していたことは現実に。
プレッシャーを感じた遙は重たい水に絡め取られる自分を感じ思わず泳ぐことをやめて立ち上がってしまったのだ。
そのことに周囲にどよめきが走る中、遙は天を仰ぐ。
そんな彼の姿に一番衝撃を受けたのは紛れもない凛自身だった。
「ハル!!!
てめぇ…何やってんだよ。なんであんな事をした!!」
明かりも付けず一人ロッカーにいた遙を見つけ凛は怒涛の勢いで彼にズンズンと大股で詰め寄ると遙の右腕を掴む。
「お前には関係ない」
「ふざけんな。スカウトが注目している大事な試合なんだぞ」
必死に罵倒したい感情を押し殺しながらも遙に言う凛だが、遙から発せられる言葉に呆気にとられてしまう。
「それがどうした
スカウトが見てるから?
大勢の前で記録を出したいから?
おれはそんなもののために泳いでるんじゃない」
顔を上げた遙の瞳に宿るのは強い意志。それを感じ取った凛は真剣な面付きになる。
「じゃあお前はなんのために泳ぐんだ?」
「俺自身と仲間のために」
その言葉を聞き、凛はさらに眼光を鋭くして畳み掛ける。
「だったらその仲間のためにも自分のためにも泳げよ!!
それが自分の将来につながるってことがわかんねぇのか
お前には夢ってものがないのかよ
もっと本気でぶつかってみろよ
お前ならきっと」
凜の言葉をジッと聞いていた遙。だが、遂に抑えきれない苛立ちが爆発して力任せに後ろのロッカーを肘で叩きつける。
その音に…睨みつけてくる遙自身を見て…凛は口を閉ざし目を丸くした。
「わかってないのはお前だ
夢ってなんだ??
将来ってなんだ??
それはお前のだろ!!俺はお前とは違う!!俺にはそんなものはない!」
遙の怒声を浴びた凛は淋しげにその場に立ち尽くす。
そんな彼を放り遙は背を向けると入り口に歩き出す。
が、入り口の前にはいつからいたのか自分の仲間達がいて彼らの前で遙は立ち止まった。
驚きの表情を覗かせる彼らに遙は優しく語りかけるのだった。
「お前たち来てたのか…
大丈夫だ。渚・怜・真琴・蒼
俺はリレーを泳ぐ。そのためにここまで来たんだ」
こうして遙の個人種目は終わる。
その後、渚のブレ…怜のバッタ…
自己新を出すものの地方大会の壁は厚く、全国には及ばなかった。
だが、凜のバッタは圧倒的な泳ぎを皆に見せつける。その泳ぎに観客席にいる誰もが目を瞠る。
その凜の泳ぎをジッとそれを見ていた遙だが、誰にも何も言うことなく一人立ち去る。
男子勢の専門種目でも全国への挑戦は幕を閉じる。一方、女子の戦いが火蓋を切ろうとしていた。